【レビュー】San Martin SN021G

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中華時計

かなりお気に入りの1本。オマージュウォッチで一番好きかもしれない。

スペック

年代 2022年頃? ムーブメント PT5000
型番 SN021G 精度 +30秒程度
直径 36mm 風防 両面ARサファイアガラス
厚さ 11mm 防水 10気圧防水
ラグ幅 20mm おすすめ度 ★★★★★(5.0) 傑作!
機能   備考  

どんなモデル?

昔のR社冒険者1のオマージュモデルになる。WMTなどと同じレプリカ路線の時計で、アンティークウォッチを現代技術でリファインして復刻したモデルとなる。

筆者はR社の時計を持っていないので冒険者1のどの世代のものかはわからない。インデックスがホワイトであること、ダイヤルがマットブラックなので3rdモデル(Ref.1016)を参考にしているという説が有力です(ほんとぉ?)


この時計の一番の特徴としては36mmというダイヤル径だろう。最近の三針時計は40mmがスタンダードになっているため、それに比べるとかなり小ぶりな見た目となる。

一見小さすぎるようにも思えるが思ったよりも見づらさはなく、そして筆者のような細腕にも良く似合う。この36mmは古い時代においてよく用いられたケース径だが、デファクトスタンダードになるには相応の理由があるということだ。

ディティール

ダイヤル

ともすればシンプルすぎて特徴が無いインデックスのため、一見 パクリ オマージュデザインとは気づかれにくく、特有の気恥ずかしさが少ないのはいいかもしれない。その一方でわかる人にはわかるデザインになっているのでなかなか心憎い。

インデックスは艶消しのマットブラック仕上げのダイヤルに、BW9ルミノバインデックス、ガラスは両面ARコーティング付きドームサファイアグガラスというなかなか手間のかかったシロモノで、36mmという小ささの割に視認性は良好。

ビルドクオリティはとても良質で、その小ささから作りの良さがむしろ際立つ。この感じは手間暇かかったフランス料理や粋な懐石料理みたいな高級感があってとてもいい。まぁコレ中華時計なんだけど。

厚さ

厚さはこの時計で評価するべきポイントとなる。10気圧防水かつケースバックとすることでそこそこの薄さでスッキリ仕上がっている。特段薄いというわけもなく一見面白みがなくも思えるが、この36mmというケースサイズではまさにこれこそが最適解と言わざるを得ない。

この点パガーニデザインの36mmモデルは20気圧防水+シースルーバックとしたことでこのモデルよりもかなり分厚くなってしまい、ビックマック感が出てしまっている。


SN050Gの異様なこだわりといい、SN015の完成度といい、サンマーティンは商品企画者に余程の好き者か腕時計マニアがいることは確定的に明らかで、ツボを得たモデル展開がホント上手い。クロノスウォッチもそうだけど、オマージュのセンスがすごくいい。

余剰パーツを用いることで安価な割に高品質だが、MOD的でちょっとチグハグな時計を出す(そのチャンポンなところがちょっとおもしろくもある)Tandorioとは対照的に、とにかく王道を往くチョイスを行い、そのツボをことごとく外さないのは素晴らしい。

ブレスレット

ブレスレットはいつものオイスターブレス風のもの。サンマーティンはシングルロックで他のモデルと同じ流用品。特に不満はない代物だが、本体がオールドモデルのオマージュなのでちょっと変えてほしかった感もあり。

旧式フォールディングバックルと無垢材の弓カン(エンドピース)を組み合わせた都合のいいブレスがあればレプリカとしては嬉しいかも。いっそレザーバンドに替えてしまってもいいかもしれない。

ケースバック

ここはいつもと同じヘアライン仕上げのもの。San MartinとCRONOS Watchは基本全部コレになる。

ムーブメント

ムーブメントはヤフオク中古購入品につき詳しくは分からないが、デフォルトの仕様だとPT5000というものが入っているらしい。ETA2824クローンの割と知られたムーブメントで一定の信頼性があり、中華時計にはこれが入っているのをそこそこ見る。

そのせいかどうかはわからないが、ねじ込み式リューズのテンションが強めで復旧にコツがいるのが気になる。まあ壊れたらNH35かNH38に替えてしまえばいいのであまり大きな問題でもないのだが。

夜光(Lume)

いつものサンマーティンなので良く光る。発光色はBW9ということでブルーグリーン。

36mmと小ぶりながらインデックスが中央に寄っており満足感はなかなか。うるさすぎないのがいい。

他のモデルとの比較

クロノス 39mmと

新旧冒険者1対決。冒険者1は4thモデルからダイヤルのデザインが変わっており、2012年頃のモデルからサイズも変わってしまっているのであまり共通点がない。左(旧型)の方が、マットブラックダイヤルとドームサファイアガラスで優しい印象がある。

どちらも品質は申し分のないもので、「俺はコレで十分だわ」と思ってしまう人が続出しているというウワサ。かくいう筆者も中華沼に沈んだその1人……。

クロノス 36mmと

新旧冒険者1対決その2。この夜光写真の色が被っているのは筆者が深夜番組を見ながら黙々と撮っているからで、モニタ画面の色を拾ってしまうからである。これは海が写っているときの一枚で、いい感じなので活かしになった。

どちらも高品質で並の時計を凌駕する質感と完成度を備えている。あまりにも隙がなさすぎるので、ロゴにサンマの絵が書いてあったとか、クロノスウォッチだと思ったらクモの巣ウォッチだったとか、無理矢理おふざけ要素を入れたくなる。

R社のハナシ

R社の時計は古いモデルもOHはおろか部品の修理交換すら可能なことが知られていて、それがリセールバリューが落ちない理由にもなっている。修理可能であるがゆえに年代の違いがそのまま個性になっており、優劣にならないのだ。

これはLevis(リーバイス)のヴィンテージジーンズのようなもので、44モデル(大戦)、47モデル(片面)、55モデル(黄金期)、66モデル(前期)みたいなヤツだ。本家が投機商品なので好きな人からはレプリカで代用される構図も似ているし、客層もかぶっているので同じ文化だろう。


そのためあえて旧モデルを探し求めたり愛用したりする人も少なくない。しかし当時の部品はない場合は互換品での交換となる。たとえば3rdモデル以前の夜光は本来トリチウムだが、修理に出すとルミノバになって帰ってくるといった具合だ。その逆に当時の部品を意図的に交換しないこともできる。

サンマーティンはレプリカだがプラスチック風防のWMTよりも実用的で、サファイアガラスやルミノバという現代技術によるリファインがされている。本家も修理に出すと同じような仕様にされて帰ってくるので、ちょっと得した感じがある。

入手方法

■ロゴあり

■ロゴなし

Amazonなどのネットショップで入手可能。またはアリエクにチャレンジすることになる。ヤフオクメルカリはたまにSan martinの時計が出品されることがあるので、こまめに張っていると安価で入手できることも。

まとめ

この時計も安定のSan Martinクオリティで非常に満足感の高い1本。オールドモデル復刻モデルとして、冒険者1オマージュとして、あるいは36mm時計として、様々な意味や要素を求められる中でピタリと最適解を示したモデルであり、まさしく決定版といえる。

ムーブメント(PT5000)の信頼性も問題なさそう。ブレスレットが気になる人は旧式オイスターの互換品(相当品)をどっかから探してきて付ければ満足するだろう。レプリカ性やアンティークな雰囲気をより求めるならいっそWMTという選択肢もある。


筆者blueは程々なのでコレで十分満足できる。デザイン的にクセがなく、両面無反射コーティング付きドームサファイア風防で見やすく、夜光もバッチリ光ってくれるので普段使い用の時計としては物凄く使いやすい。スッカリ気に入ってスタメン入りしてしまった1本。

筆者の前職の友人に靴オタクがおり、その人はアンティークウォッチ好きで、なんかバカ熱くなっていたので一体何だろうと思ったが手首に巻いてみてはじめて分かった。36mmサイズはいいぞ、と。

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