【カメラ番外編】ワークブーツについて語る

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▶カメラ

今回は番外編。普段カメラで撮り歩いている際に履いている「靴」について語ってみたい。

カメラの友「ワークブーツ」

 ゴールデンウィークで衣替えをやっていたのだが、ついでに手持ちのブーツを磨き直してみた。筆者は服が好きだった時期があり、カメラをやっている関係上長時間歩き回ることも多いので、プライベートではブーツを履いていることが多い。

そんなわけでそれなりの数を持っており、割と有名どころも多かったりする。今回はカメラギアの一環ということでワークブーツについて紹介してみたい。

レッドウイング(REDWING)

 創業1905年のアメリカで創業した老舗のシューズブランドだ。グッドイヤーウェルト製法によるワークブーツやエンジニアブーツを展開している。アメカジと言ったらコレだろう。ジーンズのとの相性が抜群でリーバイス501と合わせるのが定番だ。

アイリッシュセッター(8875)が有名だが実はそれ以外にもラインマンとかブラックスミスとかポストマンとか色々ある。筆者はベックマンアイアンレンジを所有している。共にレッドウイングの看板モデルで人気が高い。セッターは履かなくなってしまって譲ってしまった。

ベックマン(Beckman 9011)

 レッドウィング創業者チャールズ・ベックマンの名を冠したブーツ。レッドウィングはワークブーツのため、武骨でアメカジ色が強いイメージなのだが、このベックマンはドレス・キレイめも行けるデザインになっている。ライバルはホワイツのセミドレスか(格上だが)。

特筆すべきはチェリーレッドで、2006年まで普及価格帯のブーツでチェリーレッドのブーツはドクターマーチンくらいしかなかった。このドクターマーチンはリソール(ソールの張替え)製法上難しく、悩みの種だったのだが、、

このベックマンはリソールできる上に革の質感も勝るのでとにかくカッコよく、レッドウィングの看板モデルになった。


バージョン

 ベックマンは2006年に初代が発売して以来マイナーチェンジが行われている。概ね初代・旧型前期・旧型後期・新型(2024~)の4バージョンがあるらしい。新型はサイバー攻撃やコロナでいちど終売した後、リニューアルされたモデルとなる。ラストが違うので実質違う靴になる。

初代ベックマン(RW1910、1911、1913、1914)はホーウィン社のクロムエクセルが使われていて艶感は素晴らしかったそうだ。油分も多いため馴染みやすいが傷がつきやすいので扱いにはやや気を遣った。製造での歩留まりも悪かったためこのモデルはすぐ廃盤となり、そのため数が少ない。


その後旧型(9011,9013,9014,9016)は2007年~2022年に販売された。フェザーストーンという上質な革素材が使われていて、特に旧型前期の評価が高いらしい。筆者の持っているものは2012年あたりの値上げ前に駆け込みで購入したものだが、風合いは出ているようだ。

新型(9419、9422、9423)は2024年以後のもので、エクスカリバーという素材が使われているという。オイルドレザーのためエイジングは早いらしい。上3つがフック仕様となり、ソールは加水分解しないものに変更、インソールはかかとがポロンになるなど細かい箇所も変更されている。

アイアンレンジ(Iron Range)

 おそらくベックマンと人気を二分するモデル。こちらは炭鉱夫の靴をイメージしているらしく、キャップドトゥというトゥが補強されたデザインがトレードマークとなっている。ベックマンとは対照的に武骨なイメージだ。

アンバーハーネスという油分の多い革素材が使われており、傷はつきやすいがオイルやブラッシングで消しやすい。本来艶はない革だがクリームで磨き込むと艶を出すこともできる。一方オイルで仕上げるとマットを保てる。油分が多いので冬期に冷所保管しているとブルームやカビは出やすいかも。


なお「アイアンレンジ」は旧型の名称で、新型は「アイアンレンジャー」(Iron Ranger)になった。これは名前の響きがどこぞの戦隊ヒーローみたいになってしまうため、日本版だけ名称が変更されたという経緯がある。新型発売に伴い統一名称となった。

これもベックマンほどの違いはないがマイナーチェンジはしており、前期型はニトリルコルクソールを採用されていた。独特の仕様で珍しかったがトレッドがないため雨の日などは滑りやすかった。後期型ではビブラムソールになっている。


ダナー(Danner)

 ダナーは1932年に創業したアメリカのシューズブランドだ。ステッチダウン製法を得意としており、履き始めから柔らかく履きやすい。もう一つの特徴としては防水レザーとゴアテックスを採用したモデルが多い。看板モデルはダナーライトで、アウトドアやタウンユースで使いやすい。

ドラマ「Hero」で主人公の久利生公平が着用したことで一躍人気となり、その着用モデルの Mt hoodは一時期超人気でプレミアがついていた。2013年頃にABCマートに買収された。そのためレッドウィング並みに入手性が良くなった。

ブラックホークII(Blackhawk II)

 ブラックのワークブーツ。ダナーライトブラックに近いがこちらはアッパーがすべて防水レザーになっており、一番上までハト目になっている。夏は少し厚いかもしれないが、筆者は慣れてあまり気にならない。

雨の日はこの靴を履いていることが多い。台風でも雪道でも簡単には浸水してこないので非常に快適だ。革は柔らかく防水レザーなのでメンテナンスも楽で扱いやすい。むしろ油はあまり吸わない。

現行品は日本廃盤になっておりオークション(中古になる)。代替品としてはパトロール6がいいだろう。これはコーデュラとのコンビネーションだがほぼ仕様がブラックホークIIと一緒になる。必然ダナーライトよりもタフだ。


ホークネスト(Hawknest)

 上記のMt hoodがカッコよかったので探したところ手に入らず、似た感じのコチラを入手することになった一着。廉価版ダナーライトといったところで、ライニングが通常のものよりも薄手でアッパーレザーも普通のオイルドレザーになっている。

現在は廃盤品になっていて仕様が近いものが見当たらないのだが、現行品のポジションではダナーフィールドが割と近いか。ただしダナーフィールドの方が靴としてははるかにしっかりしている。


ちなみにMt hoodはダナーライト2(ダークブラウン)が割と近い。そのうちまた復刻するかもしれないが。


 カマリ2(CAMALLI 2)

 ダナーはコーデュラナイロンとのコンビモデルや、ゴアテックスライナーを内蔵したモデルが有名だが、一方で伝統的なワークブーツも出している。これはカマリ2(CAMALLI 2)というモカシンタイプのワークブーツで、ビブラムクリスティソール(ホワイトソール)を搭載している。

上記のベックマンのソールが加水分解でやられて履けなくなり修理を考えていたところ、古着屋でほぼ新品の美品が格安で売られていたことを発見し、サイズも合っていたのでお持ち帰りした一品。これは掘り出し物だった。ソールの違いもあってベックマンよりも本体が軽くて履きやすい。

少しマイナーなモデルらしく現在は廃盤らしい。これのおかげでベックマンはまだ修理してもらっていないのだが、


安藤製靴

 安藤製靴は1959年に創業した日本のシューズブランドだ。元は登山靴を製造していたメーカーで錦糸町にお店があった。チャッカブーツやバイク用ブーツなどを製造しており、ダナーのOEMとしても有名だった。ブーツファンからの評価が高かった知る人ぞ知るブランドだった。

国産メーカーらしく硬派なブランドでノルウェージャンウェルト製法を採用している。この製法は登山靴やスキー靴などで使用された製法で、コバやウェルトが張り出すため印象がゴツクなるが堅牢な靴を作ることができる。海外ではパラブーツなどで有名だ。

なお安藤製靴は2024年6月に廃業している。理由は店主のご病気と後継者不足ということで、素晴らしい靴を作っていただけに残念である。筆者もいくつか所有しているが大事に履きたいところだ。

安藤製靴 ネロ(NERO)

 安藤製靴を代表するモデル。オーソドックスなレースアップブーツだがヨーロピアンのようにトゥが少し長い。アッパーはサルツ社のガンスモークレザーで、ムラのある黒色と言った感じの渋い風合いが魅力的。サルツ社はもう廃業しているタンナーなのでその意味でも現在は作れない一足。

ドレスともワークブーツともつかないニュートラルなデザインで使いやすい。トラ紐に換えればワークテイストになるし、ロウ引きの平紐を通すとドレスっぽくなるので気分によって印象が変わるため面白い。後述のZと違ってライニングがない点も使い勝手がいい。

安藤製靴 Z(ゼット)

 同じく安藤製靴を代表するモデルでこちらはバイク用の想定されたブーツ。ホール数の多いモンキーブーツがベースだが、右足用にはシフトチェンジ用のパッドが縫い付けられており、デザインが左右非対称になっているのが面白い。

筆者は実際にバイクに乗っていた時期があるのだが、このパッドのおかげでシフトチェンジは実際やりやすい。そうでありながらレースアップブーツなので、ベルト留めのエンジニアブーツと違って歩きやすく、タウンユースでも使いやすい。

ヒールのライニングが破れているのがちょっと気になる。バイクは降りてしまったのだが、絶版してしまったし丁寧にリペアしながら履き込んでいきたい一足だ。

メンテナンス用品

 メンテナンスは靴クリーム、靴墨、ブーツオイルを主に使っている。

オイルなど

靴クリーム

 靴クリームはブーツに水分と油分の補給を行うものである。乳化しているためそのまま使うことができる。またワックス(ロウ)が配合されているため艶出し・表面保護の効果もある。

筆者はいつもモゥブレイのニュートラル(無色)を使っている。大体これで済ませることが多い。



トゥをハイシャイン(鏡面)にして光らせたい場合、サフィールのミラーグロスでできる。詳しいやり方は動画サイトなどに載っている。


靴墨

 靴墨は部分的に色が薄くなった部分、傷が入った部分に塗り込みタッチアップを行うクリームになる。コロンブス レザリアン カラーリペアが便利だ。色に応じてだがブラック、ダークブラウン、ダークレッドなどは持っておくと安心できる。


ブーツオイル

 ブーツオイルは皮革に馴染みやすい天然由来のオイルで、ワックスが入っていないためマット仕上げに仕上げることができる。ワークブーツで艶を出したくない場合はこれになる。ミンクオイルと違って革が柔らかくなりすぎず、液体のため使いやすい。


汚れ落とし

ブラシ

 ブラシは買った方がいい。大きいものと小さいもの2つあると便利だ。靴はクリームを塗る前にシューレースをほどいてブラシで汚れを払ってから行う。小さいものは塗り込む用や、水洗い用になるだろう。いくつか用途に応じて持って行くと便利。


レザークリーナー

 レザークリーナーは皮革に付いた汚れを除去するためのもので、モゥブレイのステインリムーバーなどがある。汚れを取る以外にも古いクリームを除去するというのが大事で、一度綺麗にしてからクリームを塗布して磨いた方が綺麗に仕上がるようだ。

筆者は20代の頃自己流でやっていたのでシワが増えてしまい、これはちょっと後悔している。

サドルソープ

 モゥブレイのサドルソープは靴専用の洗剤で、ブーツを水洗いしたいときに使うことになる。実はワークブーツは水洗いすることができるのだが(アメリカの肉体労働者が履いていたものなので推して知るべし)

当然脂が抜けてしまうため、そのままにしておくとカサカサで硬化したりクラックができたりして劣化してしまう。このサドルソープがあれば保革と洗浄を同時にできるのでブーツを傷めにくい。


まとめ

 今回はカメラ番外編と言うことでブーツについて語ってみた。カメラやっている人は旅行や登山、街歩きなどで長時間歩きまわることが多いので、頑丈で歩きやすい靴があると捗ると思う。

頑丈というのは素晴らしい。雨が降ってもある程度なら浸水せず、山道などを歩いてもケガをしにくいので助かる。歩きやすさもさることながら、安心できるというのはそれだけで疲労を軽減できる。そしてスニーカーよりも長持ちするので信頼が置けるし愛着も沸くだろう。


今回は手持ち品のレッドウィング、ダナー、安藤製靴を紹介したが、ワークブーツは他にもブランドがある。同価格帯だとチペワ、ウルヴァリン、高価格帯だとウエスコ、ホワイツなども入るだろう。ドレス系だとトリッカーズ、クロケット&ジョーンズ、パラブーツなどもいい。

実は欲しいのだが、さすがにお金と置き場がないのでしばらく控えることにする。

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