【レビュー】famul Watch ダイバース(ブラック)

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▶腕時計

正体不明のダークホース。聞かない名前のブランドだがその実力は…!

スペック

年代 2021年 ムーブメント NH35
型番 (不明) 精度 +30秒程度
直径 40mm 風防 サファイアガラス
厚さ 約13mm 防水 20気圧防水
ラグ幅 20mm おすすめ度 ★★★★★(5.0)
機能 デイト 備考 鍛造ケース

どんな時計?

前情報一切なしで見た目で購入した時計。光り物ジャンキーのためイマイチ信用が無いかもしれないが、筆者blueがモノを買うときは大抵調べ上げて決め打ちしてから購入するので、こういうバクチ的な買い方をすることはかなり珍しい。

とりあえずわかっていることは、NH35を積んだよくあるオマージュウォッチ風の仕上げをしたダイバースウォッチであること、サファイアベゼルを搭載していて夜光が面白そうなことくらい。

そもそもFamul watchとネットで検索を入れてもろくに情報が出てこない。公式webサイトも閉鎖したっぽく、出てくるのは詐欺サイトばかりという状況になるが……その正体は果たして。

出会った経緯

以前紹介したSan Martin SN005Gの針の進みが早くなってしまい、ヒゲゼンマイが帯磁したかな…と思い修理に出していたのだが、これがなかなか戻ってこない。お気に入りなだけにこれは痛い。

しびれを切らして代わりのサファイアベゼルの時計が欲しくてネットを物色したところ、ある日メルカリでBorealis(ボレアリス)の時計が出品されていて、「うおおおなんぞこれ!欲しい!!」と思った矢先、タッチの差で落札されてしまった。


それが物凄い悔しくて地団駄を踏んだ日があったのだが、どうしても禁断症状が抜けないので「もうなんでもいいからサファイアベゼルのやつ、なんかー!なんかくれー!」と思って物色していたところ、出会ったのがこのFamul watchになる。

前回の相場価格よりも割高な上に出品者の写真がちょっと不鮮明だったけど、背に腹は代えられぬと勢いでポチってやってきたのがこの時計。…ところがこの子が意外にも掘り出し物だったという。

入手方法

中古で入手したので実はよくわかっていない。ヤフオクやメルカリでたまに見かけるので気になる人はこまめに覗いてみるとよい。

2021年に製造されたばかりなのでコンディションは良好なことが多い。

ディティール

全体像

とりあえずサファイアベゼルが光ればいいやと思い、正直期待値がそんなに高くなかった時計であったのだが……。とんでもない。これはすごい時計。

まずびっくりしたのが手に携えた時の質量感。それほどの厚さや重さがあるわけでもないのにイヤにズッシリ来る。それに独特のヌメっとした感じ。この質感はB級時計ばかり好んで集めているblueにとってはちょっと初めてのやつだ。

故障者リスト入りのSan Martin SN005Gの代わり、間に合わせでいいやと思いきやそのSan Martinを軽く超えてきた。海老で鯛を釣るみたいな現象が起こってしまってちょっと困惑する。

ダイヤル

見た目はB社のフィフティ・ファゾムスを彷彿とするダイバースウォッチだが、フェイスアップしてみるとまたすごい。ガラスの盛り方がちょっと尋常じゃない。

まず風防ガラスは両面非球面ボックスサファイア(両面無反射コーティング)となっている。これは腕時計の風防ガラスとしては最高スペックのものでケチにつけようがない代物。30万円台くらいの時計でもこれ積んでるメーカーは普通まず見ない。


さらにベゼルインサートもサファイアガラスになっている。これはSan Martinと同様サファイアガラス内側のプリントがルミノバになっているので光る。この素敵仕様は本当素敵すぎる。素敵すぎてちょっと日本語喋れてないけどでもすごい素敵。(語彙力)


ブレスレット

この時計は5連のブレスレットが付いている。いわゆるジュビリーブレスというタイプのものだ。blueはジュビリーブレスはあまりいい印象がなく、安物のオッサン時計についているイメージだったのでどうしたものかと思ったが。

しかしこのジュビリーブレスもよくあるシャラシャラ音がするやつではなく安っぽさは絶無。本来のジュビリーブレスはこういうものだと言わんばかりの品質と質感。これはかなり感動した。何がすごいって、これだけつなぎ目が多いにもかかわらず、ほとんど横方向に曲がらないのだ。

バックルはR社と同じダブルロックのフォールディングタイプのもので、メーカーロゴが入っている。グライドロック機構はないものの、これも質量感があってなかなか雰囲気が良い。本体の質感と合わさって、いいもの感をひしひしと感じる。

他者製品との比較

blue手持ちの時計だと、ブレスレットの質感に定評があるのはBall watch(ボールウォッチ)で、アンダー20~30万程度の時計だとこれが一番いい。ポリッシュモデルは鍛造品のような艶と質量が楽しめ、接続部分の可動域も広い。最近のモデルは904Lを採用している。

ボールウォッチのブレスレットはセイコープレザージュやオリエントスターよりも明らかに格上で、オメガやホイヤーと比べても遜色なく、むしろ互角以上と言える。

このFamul watchのブレスはそのボールウォッチに匹敵する品質があり、San Martin、Cronosあたりの高級中華時計の水準にも並ぶ質感がある。…というかPernis、Tandorioあたりの割と安めの中華時計すら904L(?)のあのブレスが付いてくるので、平均値ですでに高いのが恐ろしい。

ケースバック

裏蓋はオーソドックスなケースバックで、中央にはブランドロゴを配する。

妙な重量感の原因はコレ。見るからに堅牢で頑丈そうな裏蓋で、独特のスクリューバック形状もあってインパクトがある。

夜光(Lume)

これまで時計の質感について絶賛してきたが、夜光についてもこちらも概ね期待通りの明るさと塗り。

発光色はレモンイエローで、San martin SN005Gや、以前紹介したADDIESDIVE MY-H9 ‎に似ている。サファイアベゼルもしっかり発光し輝度も十分明るい。Addiesdive MY-H9に色味や質感が酷似しているのでおそらくC3だろう。

San martinと

オキニのSN005Gとのショット。故障により戦線離脱しているため、現在はコチラが左手首に収まっていることが多い。輝度はおおよそ互角で、塗りムラもないためとても美しい。

その正体は…!

ところでこのブランド、またどこぞの中華オマージュブランドだと勝手に思っていたのだが、実態はマイクロブランドだったようだ。ブランドを企画しているのはなんと日本の方(しかも個人!)だそうで、インタビュー記事があったので引用してみる。

※なおこの記事に書くにあたって商品の供与などは受けておりません。ヤフオクで落札して気に入ったので調べたところ、記事が出てきたので勝手に感想を書いてます。

新たな発見

blueはこの手の開発秘話みたいのを読むのが好きなのだけど、この記事では色々発見がありとても面白かった。

まずこのFamul watchは鍛造ケース確定。正確には鍛造後に研磨しているとのことで、これはすごい。ケースから感じる妙な重量感と、鏡面部から感じる色気も納得。ロレックス、ブライトリング、パネライ、ホイヤーなどの高級ブランドに準じた質感を楽しめる。


またブランドロゴは「梅」だそうだ。blueは「桔梗」の変形だと勝手に思っていた。ヨーロッパとかの海外に明智光秀の熱狂的なファンがいて、光秀好きすぎたあまりロゴに採用したのかなぁと思ってました。全然違ってましたスミマセン。

ちなみに「ファマルウォッチ」と読むそう。楽しいの“FAN”とお守りの“Amulet”をかけているらしい。ファムールウォッチって読んでたわ…。モノがいいと名前を勝手につけて呼びたくなってしまう好例といえる。

まとめ

サファイアベゼル目当てでとりあえずの間に合わせで入手した時計だが、期待値を大幅に超えてきてうれしい悲鳴が起こった時計。

特質すべきはまさかの鍛造ケース。これは他の中華オマージュではなかなかないものだ。ジュビリーブレスも秀逸で、それまでの既成概念を覆すレベルのものが付いている。

また巻き上げの感覚が非常に良好で、ヒゲゼンマイが切れてるんじゃないかと心配する程軽い。他にも両面無反射付きボックスサファイアガラス、サファイアベゼル、明るい夜光と総合的なレベルが非常に高い時計と言える。もう1個欲しいかもw

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