【比較記事】Nikon D80 VS Z7

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▶カメラ

ニコン中級機対決。D80とZ7で夜景撮影を行いました。結構珍しいと思います。

新旧中級機対決

今回はD80とZ7の撮り比べとなる。スペック概要を抜き出すとこんな感じになる。12年は流石に隔世の感があるか。

 

  【D80】 【Z7】
マウント Fマウント Zマウント
画素数 1020万画素 4575万画素
ISO感度 常用100~1600 常用64~25600
シャッター 1/4000秒 1/8000秒
AF点数 11点 493点
センサー CCD(APS-C) CMOS(フルサイズ)
カードスロット SDカード×2 XQDカード×1
バッテリー EN-EL3e
7.4V 1500mAh
EN-EL15b
7.0V 1900mAh
ファインダー 光学ファインダー(OVF)
視野率95% 倍率約0.94倍
電子ビューファインダー(EVF)
視野率100%倍率約0.8倍
手振れ補正 なし あり
内蔵フラッシュ あり なし
大きさ 約132 x 103 x 77mm 約134×100.5×67.5mm
重さ 約585g(本体のみ) 約585g(本体のみ)
発売年 2006年 2018年

画素数4倍強と聞くとスペックにとんでもなく開きがあるように思えるが、面積比に直すと2倍強になるのでそれを聞くとまあ戦える感じはあり、実際に戦える。高感度ノイズはさすがにどうしようもない。CCD機は使えてMAX400だろう。

重さは共に585gというのは面白い。このくらいの大きさなら2台持って行ってもまあ。


D80(2006年発売)

 D200の弟分で中級機として発売したカメラ。画素数は1020万画素と現在基準でみると少なめだが、ブログ用途や印刷現像では必要十分な大きさの画像は出力できる。

D200から操作系統を見直しされており、特に撮影画像の拡大・縮小は現行機と同じ操作方法となっているため使いやすい。D-ライティングも実装された。ある意味でニコン機の礎となったモデルである。


ボディはプラスチック製のためD200によりも軽量で、かつボディ内モーターも積んでいるためDタイプレンズでAFが可能。そしてランタイムがD200よりも長いためCCDセンサー機では総合的に見て一番使いやすい。出てくる絵もD200よりもコッテリというウワサがある。

レンズはTamron SP AF 28-75mm F2.8 (A09)を装着している。現状ニコンFマウント用のAPS-C用ズームレンズが1本もないためこれで代用。


Z7(2018年発売)

 Zマウントのローンチとして発売した機種でD850の後継機?として発売した。画素数も4575万画素とD850と同じ高画素機となる。ただしこちらは像面位相差AF用素子を用いているため完全に同一のセンサーではないらしい。

高画素機ではあるものの、それまでのFマウント機にはなかったボディ内手振れ補正を搭載しており、夜景スナップなど高感度撮影も結構耐える。ローンチ機種ゆえに粗削りな部分もあり、スロットがXQDカード×1というのがちょっと使いにくい。


D850と違って、フラグシップ機の特徴である丸窓ファインダーや四つ葉ボタンではなかったことから、このカメラより格上のハイアマチュア樹が出るのではと噂されたが、それはZ8(2023年発売)で果たされることになった。

レンズはNikon NIKKOR Z 24-70mm f4 Sを装着している。前回もこのレンズで大さん橋を撮影したことがある。別のにすればよかったかな。


このカメラで撮った写真

 今回はみなとみらいの夜景で比較を行ってみた。似た構図の写真が続くので今回は凡例として、上段:D80、下段:Z7の写真を並べてみた。ホワイトバランスは高い順に5000k 4000k 3000kで並んでいる。露出条件は都度書いた。

全てjpg撮って出しで、画像寸法を合わせるため、D80の写真は60%の大きさに、Z7の写真は28%の大きさに縮小している。カメラのセンサーサイズは違うし、レンズも違うものを装着していて、構図もガバガバで完全に同一ではないのだが、まあ雰囲気ということで。

万国橋

【D80】

【Z7】

15秒 F9 ISO100 左から5000k 4000k 3000k

観覧車の色が時間によって変わってしまっているが比較としてはこのような感じ。顕著に違うのは5000kでD80の方が赤みが強い。また3000kの青みもD80の方が強いようだ。

【D80】

【Z7】

15秒 F9 ISO100 左から5000k 4000k 3000k

これもテールライトがランダムになってしまっているがあくまで雰囲気として。ナトリウムランプとなるが、これもD80・5000kの赤さが際立つ。意外とD80・3000kの色のバランスの良さが好きかもしれない。Z7・3000kはちょっと青すぎるかもしれない。

【D80】

【Z7】

20秒 F9 ISO100 左5000k 右4000k

これはどれも似た絵になっていて比較しやすい。ランドマークタワーの後景にあるビル群に注目するとD80は暗いがZ7は明るさを保っている。D80の方がダイナミックレンジが狭いのが分かる。

一方でライドマークタワーの頂点にある紫色のイルミネーションは、D80の方がコッテリ鮮やかで色が乗っておりZ7は白飛びしている。どうやら一概にレンジが狭いだけでもないらしい。

新港交差点

【D80】

【Z7】

10秒 F9 ISO100 左5000k 右3000k

ポイントを移動してワールドポーターズ後ろの歩道橋より。結構揺れるので難しい。両者似た印象であるがやはりD80の方がダイナミックレンジが狭いか。写真下側にある植栽の印象が異なる。

赤レンガ倉庫

【D80】

【Z7】

15秒 F5.6 ISO100 左から5000k 4000k 3000k

赤レンガ倉庫。光源がナトリウムランプの上に建物自体も赤茶色のため赤が強く出やすい建物だ。D80の方が赤の発色が良くコッテリした印象だ。5000kはちょっと飽和気味なので4000kくらいでもちょうどいいかもしれない。

一方のZ7はアッサリで、どのホワイトバランスでもすっきりした印象を与える。特に4000kは今までD80・Z7と違いは少なかったが、この被写体ではかなり印象が異なったものとなっている。

【D80】

【Z7】

こちらはスナップ撮影。1/40秒 F4 ISO400 左5000k 右3000k だったかな。

手振れしない限界で撮っているため若干露出がアンダーになっているが、Z7の方がクリアな印象を与える。白熱電球風のLEDの写真では、D80の方はゴーストが出ているがZ7では出ていない。これはレンズ性能の差もある。

象の鼻パーク

【D80】

【Z7】

25秒 F9 ISO100 左から5000k 4000k 3000k

このアングルだとD80 4000kと、Z7 5000kが似た感じに写っている。3000kの写真では、D80の方がバックの空が明るい印象を受ける。カメラとレンズの逆光耐性の差が出た形だろう。ある程度甘い方が好みかもしれない。

大さん橋

【D80】

【Z7】

25秒 F9 ISO100 左から5000k 4000k 3000k

このアングルも上と同じでD80 5000k と Z7 4000kで似た印象を受ける。

D80とZ7の夜景写真で一番の違いは航空障害灯(赤色灯)だろう。これに関してはD80の方がいい色が出る。3000kで撮った場合も赤色は赤色として出るため、メリハリが効いて素晴らしい。

【D80】

【Z7】

25秒 F9 ISO100 左5000k 右4000k

神奈川県警・横浜市役所方面を望む。このアングルだとD80 5000kが一番好みかも。若干暗いので一段絞りを開けても良かったかもしれない。D80のコントラストの強さもさることながら、赤色灯の色がバッチリ出るので締まって見える。

【D80】

【Z7】

25秒 F9 ISO100 左5000k 右4000k

これもD80 5000kとZ7 4000kで似た印象を受けるかな。3000kを撮ろうと思ったら氷川丸が消灯してしまった。

おまけ

【Z7】

この画角はD80では入らなかったためZ7のみ。13秒 F9 ISO100
D80 5000kで撮ったら大体どんな印象になるかはこれまでの例でイメージできると思う。


これもZ7のみ。神奈川県警方面は取り忘れてしまったため、山下町方面は氷川丸が消灯したため比較撮影することができず(しょうがない)


【Z7】

こっちはD80のみ。これはZ7で撮っておきたかった。こうしてみるとなかなかの写りに見えますね。

仮説

CCD機はWBを若干下げるとちょうどいい?

 D80(CCDセンサー機)で夜景を撮る場合、ホワイトバランスを若干下げるとちょうどいいのかもしれない。5000kだとかなり赤みが強いで、4500kくらいでもいいのかも。今回の撮影ではD80の4000kとZ7の5000kが同じくらいのカラーバランスになることがいくつかあった。

逆にZ7でナトリウムランプ下などの条件で演色性を表現したい場合はホワイトバランスを少し上げるといいのかもしれない。

CMOS機は赤が苦手?

 あくまで推測の域を出ないのだがCMOS機は赤が苦手なのかもしれない。そう思ったのは航空障害灯(赤色灯)の表現で、D80は3000kまで落としても赤色灯の発色が鮮やかなのに対して、Z7は5000kでも赤色灯にやや色抜けが見られた。

調べてみるとCMOSはマゼンダ系に弱いらしく、ランドマークタワーの頂部の紫色のイルミネーションも赤が抜けたのかもしれない。去年D200でチューリップを撮った時に感じたのだが、CCDセンサー機の発色の良さはやはりプラシーボではないようだ。

ただしCMOS機でもピクチャーコントロールなどの味変機能は充実していて、ペンタックスのポップチューンなどかなりキャッチーな設定も可能なので、できるけどあえてやらないだけなのかも。

まとめ

 そんなわけでD80とZ7の比較記事でした。こうしてみるとD80は結構健闘していると思う。ダイナミックレンジが狭いのは確かだが、発色の良さもあって部分的には表現で勝っているポイントもある。

今回は夜景だが、花取りなどを行うと赤や緑の表現でかなり違ったものが出てくるのではないかと。色乗りの良さは正義といえる。

センサーサイズもレンズも違うので撮り比べとしてはあまり厳密なものではないのだが、雰囲気は伝わったのではないかと思う。今度はD80 VS Zfcでやってみようかな。

比較記事リンク

あまり厳密にはやっていないですが一応。

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