【中華時計まとめ】全面夜光時計の魅力【Full lume】

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中華時計

全面夜光時計。それは光り物好きのロマンである。

全面夜光(Full lume)の魅力

最近の中華時計では全面夜光時計(Full lume watch)がそれなりに充実してきている。筆者はこの手のモノが大好きなんでつい手が伸びてしまうのだが、それなりに数が集まってきたということで、今回は全面夜光時計のまとめ記事になる。

以下、夜光時計の概要について簡単に紹介をしておく。

夜光時計の歴史

腕時計の歴史において、夜光技術の発展は切っても切れない関係がある。夜光塗料はかつてラジウム塗料からはじまったのだが、ラジウムは放射性物質であるため、時計職人の健康被害が相次いだ。後に半減期の短いトリチウム塗料に改良されたがこれも放射性物質であることに変わりはなかった。

この夜光塗料は1993年にパラダイムシフトを迎える。根本化学工業によってN夜光(発光ルミノーバ)が発明されたのだ。

これは先のラジウム塗料・トリチウム塗料と違って自発光塗料ではなく蓄光塗料になるのだが、その代わり放射性物質を含まず安全で取り扱いやすいため現在の夜光塗料のスタンダードになっている。主成分としてはアルミナであるため安価で大量生産も可能だ。


なおN夜光(発光ルミノーバ)は㈱根本化学工業の商標なので海外製の同種の物質はルミノバという。このルミノバ、安物の時計には低品質のものが使われることが多くあまり光らなかったのだが、2024現在のものは輝度・蓄光性共にかなり優れており、安価な時計にも普通に使われている。

アリエクや海外フォーラムではC3とかBGW9とか呼ばれているがこれはグレードのことで、深入りするとややこしいのだが、とりあえず前者はグリーン系、後者はブルー系と覚えておけばいい。

全面夜光

腕時計はフェイスデザインが肝だ。ダイヤルの色や仕上げ、インデックスの質感、フォントのバランス、針の形状……計算した上で全体のデザインが決まってくる。

その点夜光もどこに使うかというのは腕の見せ所で、全体のフェイスデザインに対して質感を損なわず、違和感の少ないように、暗所発光時の姿も考慮しながら、全体のバランスを総合的に勘案してどこに使うのかを決定していく。使いどころを間違えると途端ダサくなってしまう。

一方で別のアプローチもあり、いっそダイヤル全体を夜光塗料で塗ってしまうのはどうだろうか。夜間の視認性にかけてはそれが最強なのだ。ダイヤルがルミノバ特有の薄黄色になってしまうのは難点だが、はじめから夜光時計というジャンルとして認識すればそこはデメリットにならない。

中華時計の台頭

この全面夜光時計だが、以前は限られたブランドでしか入手ができなかった。まともなブランドなら、ジン(Sinn)、ベル&ロス(Bell&Ross)、フォルティス(Fortis)といった有名どころになるのでそれなりに高価だ。いずれもスポット品で常に入手できるとは限らなかった。

実はよく探せばあったのだがちょっと特殊でクセのある時計が多い。筆者の所持品だとビーバレルBB0040とか、ユンカーススピッツベルゲンとかになる。他にも買いやすい価格帯だとラコ(Laco)があるのだが、ちょっとマイナーでこだわりが強い。


いずれも見どころはあるがクセが強い時計で、日常使いに便利とは言い難かった。上の例だとビーバレルは製造終了しており、ユニタスムーブなのでケース径が大きく防水性能が低い。ユンカースはポレオット(パリョート)製ムーブで修理が難しいといった具合だ。

ところが、昨今の中華時計メーカーはこの全面夜光時計を安価で出してくれており、汎用ムーブメントなのでメンテナンスもしやすく、サイズや防水性能も普通なので光り物スキーにとっては非常に助かっている。そんなわけで今回は中華時計の中からおすすめの全面夜光時計について紹介。


※画像リンクを踏むとアリエクの商品ページに飛びます。
※筆者が所持・レビュー記事を書いたモデルは見出しに★マークがつけました。

Aquatico(アクアティコ)

AQ-1022WT

ゴシック体の少し珍しいインデックスパターンのパイロットウォッチ。ちょっとフォルティスっぽくてカッコいい。防水性能は30気圧防水を確保してり、ハードユースも考慮している一本。

AQ-1012W

こちらはGMT機能付きのモデル。ベゼルインサートがサファイアガラスとなっているのだが、カラーリングがモノクロになっており欧州のマイクロブランドっぽい雰囲気がある。このベゼルはルミノバ仕様になっており、暗所のパターンがなかなかカッコいい。


Berny(バーニーウォッチ)

T2576MS-B ★

Bernyはルミノバに定評のあるメーカーで全面夜光モデルをいくつかリリースしている。このモデルはクオーツモデルではあるが、かなりの変わり種で見どころの多い時計だ。チタンケース&ブレスを装備したいる他、ルミノバもスーパーブルーの発光色を放つ。

特殊な仕様でありながらも、クオーツモデルゆえに安価で入手もしやすいのもよい。


AMT143M

上記のモデルの上位版となる。自動巻きムーブメントのNH35を搭載している他、フラットサファイアとドームサファイアを選択できる。またルミノバは輝度の高いBGW9(ブルー)の変更されている。

チタンケース&ブレスレットは上記のクオーツモデルと同じ。

AM138MS-L

ヨーロッパの鉄道で採用されているM社の鉄道時計がモチーフ。ミヨタ製ムーブメントを搭載し自動巻き仕様となっている。安価だがしっかり品質はしっかりしていてダイヤルもよく光る。

上記は比較的スタンダードな仕様で、ブラック、ホワイト、ルミノバの3色。ルミノバダイヤルはC3系のライムグリーンで発光色はグリーンとなる。Berny watchのグリーンはかなり明るい。BGWと同じくらいの輝度と残光性があり、物凄く明るく見える。

AM138MS-A ★

上記のバリエーションモデルで、鉄道時計のそれを全面夜光に魔改造してしまったモデル。それぞれルミノバの発光色が異なっている。BGW9を使用しているモデルもある(AM158MS-B)。

中でも異色なのはブラック(AM158MS-A)で、黒いルミノバが前面に塗布されているためマットブラックにも関わらず全面が発光する。輝度や残光性こそ高くないものの意外性があって驚かされる。


Bliger(ブリガー)

BLIGER 36mm(型番不明) ★

ブリガーのパイロットウォッチ風モデル。アリエクから購入する場合は仕様を選択できるのだが、36mm版39mm版が選択できる。どちらもダイヤルサイズ自体は変わらず、36mmの方が違和感が少ないデザインになる。

その他には、通常ダイヤルとルミノバダイヤルを選択できる。また裏蓋もケースバックとシースルーバックで選択ができるため、気に入った仕様のものをチョイスすることができる。またケース・ブレスは肉厚でガッシリしているため質感も上々。


Cronos watch(クロノスウォッチ)

SN060G

Cronos watchからも全面夜光モデルが出ている。割と安価で手を出しやすい。レザーバンドをIWCタイプに変えるとなかなか雰囲気が出そう。安定のクロノスでしかもカッコいいのでそのうち購入してレビューするかもしれない。

クラシカルなフリーガータイプの時計でクセがなく、オニオンリューズが回しやすい一品。手巻き風に見えるがムーブメントはPT5000 or セリタSW200なので自動巻きとなる。

Mysterious code(ミステリアスコード)

I社のブラック・エイセスのオマージュ……というかほぼコピー。セラミックケース+全面夜光というかなり尖った仕様のフリーガーウォッチで、変わった一本が欲しい人におすすめ。

このままだと単なるパクリなのだが、面白いのは、6時位置のトランプ(スペード)が麻雀牌の「中」とか「發」とかになっているバリエーションモデルがあり、シュールな笑いを誘う。

San Martin(サンマーティン)

SN022-G 2 ★

Sanmartinからも全面夜光モデルが出ている。冒険者1風のオリジナルデザインになっている。

サンマーティンの時計でもやや古参のモデルで、サファイアガラスが片面非球面ガラスだったり、ブレスに少し渋さがあったりと相応の粗さはあるのだが、夜光はしっかり光る。ブレス付きの全面夜光時計としてはスタンダードかつ品質に定評があり、普通にオススメできる一本。


SN-012-G

 T社ぺラゴス風のモデルだがオリジナルデザインとなる。全面夜光ダイヤルかつダイバースウォッチというニッチな仕様だが、好きな人には刺さるモデルだ。これも通常ダイヤルとルミノバダイヤルから選べるようになっている。

Steeldive(スティールダイブ)

SD1928D ★

Steeldiveの全面夜光モデル。フリーガー風のパイロットウォッチとなっている。

リューズが大きめのオニオンリューズになっており、手巻き操作がやりやすい。ルミノバダイヤルは少し粒が荒く、輝度も気持ち低い印象があった。ロットによるものかもしれず改善する可能性もあるが、留意点となる。


Tandorio(タンドリオ)

Tandorio 36mm(型番不明)

これもフリーガータイプのパイロットウォッチになる。ダイヤル直径は上記のSteeldiveよりも3mm小さく、Bligerと同じ36mmとなる。手首が細い人にはオススメか。

どことなくラコ(Laco)っぽい感じがある。カーフレザーバンドやNatoストラップに換装しても雰囲気が出そうな一品。

まとめ

手持ちの一部を集めて集合写真にした図。とりあえずコレをサムネにしておいた。誇張でなく実際このくらいは光ってくれる。

最近の中華時計はルミノバも手を抜かずギャンギャンに光ってくれるので光物好きとしては物凄く助かる。ルミノバも1色でなく、グリーン、ブルー、スーパーブルーと3色あるので飽きがこない。

ムーブメントは普通にセイコーNH35やミヨタ8215、PT5000あたりの自動巻きムーブが多いので汎用性にも優れており、割とリーズナブルなので手を出しやすいのはいい。上記で紹介したもの以外にも魅力的なモデルはたくさんあるので興味がある人はアリエク沼に潜ってみよう。

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