スペック
年代 | 2020年頃? | ムーブメント | 自動巻き NH35A |
型番 | 不明 | 精度 | +30秒程度 |
直径 | 38mm | 風防 | サファイアガラス |
厚さ | 13mm | 防水 | 10気圧防水 |
ラグ幅 | 20mm | おすすめ度 | ★★★★☆(4.5) |
機能 | 備考 | 全面夜光(Full Lume) |
どんな時計?
San Martinのスポーツモデルである。たぶんオリジナルデザインだと思う。
見どころとしては、カラーバリエーションがあるモデルで文字盤はブラックとホワイトの2色あるのだが、ホワイトのダイヤルは全面夜光(Full Lume)仕上げである。これは中華ダイバース系に限らず、機械式時計全体でみても珍しい仕様である。
やや小ぶりな38mmサイズでありながら、10気圧防水を確保しており気軽に使うことができる。シンプルなデザインも相まって実用時計として使い勝手の良いモデルである。
入手方法(2023.5)
Amazonでは品切れ中。アリエクにあるかもしれない。
ディティール
ダイヤル
全面夜光のモデルであるが、オフホワイトまたはアイボリーといった感じで「夜光塗料ですが何か?」といういかにもな雰囲気はあまりない。レザーバンドに変えれば違和感がさらに減って夜光とは一目では気付かないかもしれない。
また38mmというケースサイズは一昔前の王道サイズである。少し小ぶりであるため邪魔なりにくく、どんなシーンでも合わせやすいのも魅力である。この38mmのサイズ感はとてもよく、手首の細い人にも似あうため時計ファンでも好む人が多い。
ブレスレット
San martinのブレスはなかなか硬派で、職人気質な作風である。5連ブレスであるが精度を追及しているためコマのあそびが少なく、ネジ式であるためシャラシャラという安っぽい音もしない。一方でコマのエッジを立たせているためコマの動きがわずかに固く、手首へのあたりも少々強い。
STEELDIVEのいい加減なブレスはある種雑に扱えて楽なので実は気に入っているのだが(いい加減といいつつもセイコーメカニカル程度の品質はあるので決して悪くない)
このブレスはなまじ物がいいので着用の際にいささか敬意を払ってしまう。傷つけまいと無意識に気遣ってしまい、そういう意味では気軽さは落ちるかもしれない。これも物自体に落ち度はなく単にblueが貧乏性なだけなのだが…。
アメコミみたいなロゴで笑うw
普段強面の人が、ふとした瞬間に謎の茶目っ気を見せるようで好きかも。
ケースバック
ここも他のモデルと同じのっぺらぼうスタイルだが、ブレスレットと同じく加工精度が高いため、手抜き感は皆無である。ただ10気圧防水を確保しているためかケース厚が13mmとやや厚めである。ダイヤル径が38mmと小ぶりなため、このケースの厚さはやや気になる部分かもしれない。
夜光
言うまでもなく最強。全部光るんじゃ誰も勝てないよ…笑
思うに、時計の夜光はデザインとの両立がキモである。機能性を向上しつつもバランスが破綻しないように、インデックスや針の質感を損なわないように、夜光時のカッコよさも想定しながら、さりげなくルミノバを配置していくのがウォッチデザイナーの腕の見せ所である。
最近ではベースカラーがカーキ色のルミノバなんてのもあり、レトロ調の質感とバチバチの高輝度夜光を両立したモデルもある。こうした技術の向上や創意工夫による努力は本当に素晴らしい。
しかし別のアプローチもある。ダイヤルをすべてルミノバで塗りつぶしてしまえばそれが最強の夜光時計なのだ。デザインもヘッタクレもないが、機能性に全振りするなら必然的にこれが最適解になる。こういう開き直った時計は好きだし、もとよりblueは光り物好きなのでこれで全く問題ない。
まとめ
「実用できる全面夜光時計」というなかなかレアな特性をもった時計である。blueが他に持っている夜光時計は、大きくて防水の弱いビーバレルBB0040か、修理が難しいユンカーススピッツベルゲン(旧ブログにて紹介)であり、どちらも魅力的であるものの、クセがある時計でもある。
この点、本機はムーブメントはセイコーのNH35Aで修理は容易だし、10気圧防水でラフに使えるし、直径38mmという小ぶりなサイズなので総合的には一番使いやすい時計である。
価格も手ごろであり入手しやすいのもいい。全面夜光のパイロットウォッチは、アルキメデ、ラコ、フォルティス、ジンなどで確認しているがいずれも高価である。一番安いラコでも70kくらいはするため、2022年現在で25kで買えてしまう本機は破格のコストパフォーマンスといえる。
一方で他のモデルよりも仕様が低い部分もある。たとえばガラスは片面カーブサファイアガラスであり、無反射コーティングもついていない質素なものである。またノンデイトであるがムーブメントはNH35Aであるためデイト機能そのものは残っているなど、決して完璧な時計ではない。
これらの仕様の低さは最近のSan Martinではあまり見られないため、モデルの古さが理由なのかもしれない。しかしその分他のモデルよりも安価で入手しやすいのは魅力である。何より全面夜光かつ機械式の時計は探してみると意外と少ないため、出してくれるだけでありがたい。
BB0040とのショット。
本機の発光色はブルーグリーンなのに対して、BB0040はグリーンである。どちらも光量は申し分なく、並の腕時計では相手にならない明るさだ。
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