ベックマン・セミドレスに続く第三の刺客。鈍色の渋いヤツ。
どんなモデル?
ウルヴァリンの代表作のとなるブーツである。名前の由来は「1,000マイル歩いても壊れない」というところから付いていて、レッドウィングのアイリッシュセッターやベックマン同様、本国ではヘリテージライン(グッドイヤーウェルト製法によるローテク靴)に属するブーツとなる。
ウルヴァリンは1883年にミシガン州で誕生した歴史あるワークブーツメーカーで、実は1905年創業のレッドウイングよりも老舗である。チペワは1901年創業、ウエスコは1918年創業なのでやはり新しい。なおホワイツさすがの貫禄で1853年創業である。
ブーツのコンセプトとしてはベックマンやセミドレスに似ていて、ドレス寄りのワークブーツとなる。特筆すべきはアッパーレザーにホーウィン社クロムエクセルを使用している点で、履き込むごとに増していく艶と深い色合いが魅力となる。
この個体は例によって中古購入品になるのだが、美品だったこともさることながらレアカラーということもあって即購入を決めた逸品。結果大満足で良く履いている。
ディティール
全体像




ベックマンに酷似した伝統的なワークブーツの姿になる。アイレットは7ホールで上3つはフックになっている。孔が大きいため太めの平紐も止まりやすくよりクラシックな出で立ちになる。それでいてウィズがDと狭いこともあり、なかなかスタイリッシュだ。




この個体はネイビーという珍しい色で鈍色の渋い色合いが魅力だ。革物でブルー系は珍しく、これだけでも手に取ってみたくなる。ホワイツのクロムエクセルでネイビーCXというカラーがかつてあったが、それに酷似している。
鈍色の風合いは本当に綺麗で思わず手に取りたくなる。一風変わった色なので使いにくそうにも見えるが、ブラックやライトグレーといった無彩色のパンツに合わせやすい。
プレーントゥ


ワークブーツということもあって飾り気のないプレーントゥになっている。いくつかバリエーションがあるようで、セミブローグ(クオーターウイングチップ)やモカシンタイプのものもあるようだ。
アウトソール


ソールはセパレートタイプのもの。このソールは何だろう。オリジナルかな。トレッドは浅いのでタウンユース向きといえる。トップリフトがまだ残っているのでこのまましばらく履ける。
その他

アイレットとフックは真鍮ではなくカッパー製。鈍色のネイビーレザーと相性が良い。ブラックに真鍮の金色もいいけどこの組み合わせは渋い。気に入っているディティールのひとつになる。


袋ベロには型番と製造番号らしきものが書かれている。このブーツは3132という型番になるのかな。ここはちょっとよくわからない。
履き心地
US8.5を着用しているが筆者の場合はこれがジャストサイズになる。ホワイツセミドレスもUS8.5で、トリッカーズモールトンはUK8.0なのでそのくらいのサイズ感であれば合うと思う。
またワークブーツとしては重量800g程度と軽めで、レッドウイングよりもやや軽いくらいなので重いブーツ苦手な人にもおすすめできる。クロムエクセルは気になるけどホワイツはちょっと‥‥という人でも履きやすい。
一方でウィズ(ワイズ)がDなので、足幅が広い人はジャストだと少しきついかもしれない。その場合はハーフサイズ上げて履くなどして対応することになるだろうか。
入手方法
ウルヴァリン1,000マイルブーツは定番品として量販店やネットショップで入手が可能。ブラックやバーガンディ、ダークブラウン、タンカラーなど基本のカラーリングは見つかりやすい。
そして現行のレッドウイング ベックマンよりリーズナブルなことも魅力。現行ベックマンは以前使われていたストーンフェザーからエクスカリバーというアッパーレザーに仕様が変わり、この革は経年変化が早いので、あくまでクロムエクセルがいい人は検討の余地がある。
ネイビーのブーツ色々
ただしネイビーみたいなレアカラーだとちょっと頑張ってみる必要がある。一応関連商品としてはレッドウイング アイリッシュセッターにインディゴポーテージというものがあった。ただしこれも廃盤なので中古市場を粘り強く探す必要がある。
比較出会いやすいのはホワイツで、ネイビーCXと入れるとこのカラーリングのモノが出てくる。ただしこれも革材がディスコンのため新規オーダーは不可で中古品やデッドストックになる。
あとはY’2LEATHER(ワイツーレザー)のワークブーツでインディゴ染めのモノがある。これはホースレザー(馬革)でカーフレザーとはまた違った質感がありこれも魅力的な一品になる。筆者も欲しかったのだがタイミングが合わずダメだった。
メンテナンス
靴クリームだが、レアカラー故に何を入れようか散々迷ったのだがこれは筆者の中では最適解が決まった。サフィールのぺトロールブルーがハマり色になる。青系は色が抜けやすいが、これを塗れば同じ色味を保ち続けることができる。
これは普通のビーズワックスとクレム1925どちらもあるのでお好みで。一応1925を推してみる。
一方で新品時の鮮やかな青色に近づけたかったら、同じくサフィールのサファイアブルーがいいだろうか。ただし色写りはするので色の薄いパンツには合わせない方が無難だろう。
まとめ
青系の革靴という希少性でお気に入りになった一足。ヤフオクメルカリは迷っているうちに落札されたり出品取り止めされることが多い中、この靴はつべこべ言わず即購入して正解だった。中古品は本当に一期一会である。
単に色が珍しいだけでなくちゃんと基本を押さえている靴なので、トップリフトを交換すればその名の通り長く楽しむことができる。ベックマンやセミドレスの変わりは務まり得る。


トリッカーズモールトン(パリジャンブルー)との比較。これも色味が良く似た二足であるが、ウルヴァリンの方が若干グリーンが強く、トリッカーズはブルーが強いように見える。クリームを買えて差別化しようかなとも思ったり。
しかしこう比べるとモールトンはゴツイ。ウイングチップで一見エレガント風に見せておきながら実際はデカい。スーツに合わないのはこのせいだろう。対して1000マイルブーツは一見武骨なデザインだが、意外とコンパクトにまとまっているのがわかる。


似た感じの靴をというわけで、こちらは安藤製靴NEROとの比較。今は廃業してしまったブランドになってしまったが、フリーター時代の筆者の足元を支えてくれた功労者である。この靴は次回紹介してみたい。
NEROの方が8ホールなのでやや高さがあり、またロングノーズでカッコイイ系。1000マイルは誇張せず質実剛健といったところか。

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