WHITE’S BOOTS SEMI DRESS(クロムエクセル・バーガンディ)

※ 当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。
靴関連

ワークブーツの王様、ホワイツ・セミドレスについてレビュー。この子も中古品です。

どんなモデル?

 アメリカのホワイツ社のワークブーツになる。ワークブーツはレッドウィングがあまりにも有名だが、チペワやウルヴァリンといったメーカーも有名だし、日本の国産メーカーも含めると結構な数のブランドが存在している。

そしてこの界隈で必ず名が上がるのがウエスコとホワイツである。中でもホワイツ社は「キング・オブ・ブーツ」とか「ワークブーツのロールスロイス」とか呼ばれており、アメカジ界隈や靴好きの間ではおそらく知らない人はいないだろう。

今回は十数年ぶりにブーツのワードローブを入れ替えることになり、程度の良い中古品を見かけたため一念発起して購入したものになる。お値段37,000円と通常ではおそらく買えない金額なのでいい買い物をしたのではないかと。

ディティール

全体像

 昔ながらのワークブーツになるが、フォルムは少しクラシカルでドレス感がある。消防隊員の靴であり、ワークブーツそのものの造形のスモークジャンパーに比べると武骨感は控えめでどんな服にも合わせやすい。

このブーツはホワイツとしては軽作業やオフィスワーカーを想定した靴だそうでそのデザインも納得である。外羽根ではあるもののディティールそのものは現在の紳士靴の源流といった感じもあり、トリッカーズのバーフォードにも近い雰囲気もある。

靴が現在の形になったのは実は割と最近のことらしく、チャーチが左右非対称の靴を作ったのは1880年のことである。ホワイツ社が創立されたのは1853年のことなので、当時感覚でいえば「セミドレス」になるのかもしれない。



 ホワイツの靴はレッドウィングのような画一された規格品ではなく、オーダーメイドも受けてけているためディティールや素材のバリエーションが千差万別あるのだが、このモデルは比較的デフォルトに近い仕様に仕上がっている。

ディティールとしてはハイトは5インチ、アイレットは4つで上3つはフックになっている。トゥはプレーントゥのタイプでショートノーズだ。ここはオーダーによって全てハトメにしたり、ハイトを変えたり、キャップドトゥにしたり仕様を変えることができる。


 アッパー素材はホーウィン社のクロムエクセルで色はバーガンディになる。この素材はベジクロ鞣しの革なのだがなかなか特徴的な革で独特の艶と質感がある。また温度で柔軟性が変わる特性があり、履くと足の体温で柔らかくなり、これが履き心地の良さに繋がっている。

一方でタンニン鞣しゆえの銀面の柔らかさがあり、表面に傷が入りやすい。ただしオイル含有量の多いプルアップレザーゆえに指で揉むと多少の傷は馴染んで目立たなくなる。その特性からアメカジ向けで、日本からのオーダーでは人気の仕様になっているものと思われる。

プレーントゥ

 コバはホワイツならではの肉厚のものをダブルステッチにて仕上げられている。ウェルトはトリッカーズなどと同じくストームウェルトで仕立てられており防水性も良さそうだ。ここはレッドウィングとの差別化できるポイントになるのかな。

アウトソール

 アウトソールはVibram #430を装備。いわゆるミニラグソールと呼ばれるものでタウンユースしやすい。Vibram #100(ラグソール)やITSHIDE コマンドソールに比べるとトレッドが浅く、小石や泥などが引っかからないので普段使いはしやすい。

ホワイツ独自のポイントとしては、ヒールカウンターの形だろうか。丸みを帯びていて色っぽい。ポルシェ911の後ろ姿みたいな雰囲気がある。そしてヒールはウェスタンブーツのようにトップリフトに向かって削いであり、ここも色っぽくてカッコいい。

こうした色気はレッドウィングには無い要素といえる。ベックマンもいいブーツだがカウンターとヒールの形はやっぱりこっちかなと。

履き心地

 ホワイトセミドレスは標準仕様だと6ホールで下4つがハトメ、上2つがフックになる。ハイトは5インチで、レッドウィングベックマンなど主要なワークブーツが6インチなのでやや低い形となる。高さが低い分くるぶしが動かしやすく、靴の重さがあるので自然に足が前に向きやすい。

‥‥が靴の重量が片足1,000g近くあるので、それなりに脚力のある人でないと長時間履くのは難しいかもしれない。慣れればどうということもないのだが、レッドウィングやトリッカーズが問題なくても、ウエスコやホワイツは重いと感じる人は一定いるだろう。



 またホワイツで特徴的なのがアーチイーズ(ARCHEASE)という土踏まずの部分が盛ってあるインソールが入っている点。これによって長く歩いた際の疲労が軽減されるらしい。

‥‥のだが、このアーチイーズ。結構人によっては結構慣れがいると思う。なんせアメリカ人の靴なので土踏まずに盛られた土手も高く、日本人だと痛いかもしれない。そしてこれは直接靴底(シャンク)に縫い付けられていて外すこともできない。

筆者は慣れてしまったが、どうしても合わない人もいるかもしれない。この辺はトリッカーズとは別の意味で人を選ぶ靴なのかな。

入手方法

 ホワイツセミドレスについては並行品が売っていて、これは吊るし(標準仕様)のものになる。一方でオーダーメイドも可能で、いくつかの取次店で受け付けてくれるが、20万円以上はするので一定の覚悟は要るだろう。

ただしこのオーダーメイドが非常に幅広くて、色やハトメの変更はもちろん、シャフト(高さ)も変えられたりと非常に自由度が高い。アッパーレザー(皮革)の変更すら可能でバリエーションはそれこそ無限にある。



 この個体は定番のホーウィン・クロムエクセルだが、ウォーターバッファローやフレンチカーフなど別の素材にすると雰囲気が変わる。そのため高額でもリピーターが割といるらしい。

実物を見ないと買えないという人はABCマート銀座店(グランドステージ)に行くとよい。ここは母艦店で2019年にホワイツ社を買収している。つまりABCマートの傘下のブランドということになるので取り扱いがある。もちろんここでオーダーもできる。

有名な靴なので中古品も玉数が多い。ただし中古価格はそれなりに高くまともなものは6万円くらいはする。マニア向けの靴なので丁寧にメンテナンスは去れていることが多く、変わった仕様のものもある。筆者はメルカリで買ったがネイビーCXなど珍しい出物もあり楽しかった。

メンテナンス

 筆者の個体はバーガンディなので、レッドウイングベックマン用のものを使い回している。モゥブレイとかサフィールのこの辺を使って、トゥのタッチアップはコロンブスで‥‥という感じにやっている。クロムエクセルは油分多めなので筆者はモゥブレイを使っている。

ニュートラルを入れるかバーガンディを入れるかは人によると思うが、この辺はお好みだろうか。ホワイツ履く人は中級者以上になってくるのでここは各自判断というところか。

まとめ

 トリッカーズのカントリーブーツと並んで憧れだった一足である。これもやはり雑誌の向こう側の世界の靴だったのだが、中古品なら手が届くことがわかり、ワードローブの入れ替え時に思い切って買ったものになる。

結果としては、買って履いてみると色々な発見があって楽しかった。クロムエクセルは傷つきやすいとか、他のワークブーツより重たいとか、アーチイーズは割と好き嫌い別れるだろうなとか、結構クセが強く、人を選ぶだろうなと思った。


 あと作りが意外と適当で、両足のサイズ感とか細かい仕上げがぶっちゃけ雑だったりする。これは色々なところで言われているが本当だった。もちろん耐久性とか実用性のところは抜かりが無いわけだが、そういう大雑把なところも愛嬌で、本場っぽさを感じる。

普段使いを続けるとそれも落ち着いてきて、驚きもなくなってくるのだが、そうなると今度は足馴染の良さや重さゆえの歩きやすさといった部分に気付く。高価なブーツだがこの靴はトリッカーズ同様徹頭徹尾実用品といえ、ガシガシ歩いてこそだろう。



 レッドウィング ベックマンとの比較。こちらフェザーストーンレザーが使われている前期型で、ユニオンワークスでダイナイトソールに替えてもらった。

似たイメージで比較されることも多い2足だが、意外と姿形は似ておらず、革質も違うので実質的には別の靴という印象を持った。日常使いだとベックマンの方がクセがなくて使いやすいと思う。ただ本場感はセミドレスの圧勝で、これは履いてみると実感する。



 これはウルヴァリン1000マイルブーツとの比較になる。なんとセミドレスと同じくホーウィン クロムエクセルを使用しているブーツなのである。ややマイナーだが確かな品質のもので、ベックマン、セミドレスに続いて第三の候補になり得る。

この靴はやはり中古品として入手したものだが、ネイビーというカラーリングのもので、逃したらもうナイ!と思って即買いしたものになる。この子については次回紹介してみたい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました