夏休み企画その1。座間のひまわり畑をZfc レンズキットで撮り歩いたの巻。
イベント概要(2025年度)
開催日 | 2025年8月9日(土)~8月11日(月) 9:30~17:00 |
入場料 | 無料 |
イベントは毎年開催されている。関東地方でヒマワリを見るならここか、茨城県筑西市となる。東京や神奈川在住ならば小田急線沿線のこちらの方が近いだろう。
開催日はおよそ3日間と短く、ヒマワリの開花時期に合わせて事前告知されるのでシーズンが近くなったらチェックするとよい。
■公式HPはコチラ(2025年度については終了)
アクセス

このひまわり祭りの会場だが駅からまあまあ離れている。期間中は神奈中バスが小田急線・相武台前駅より臨時のバスが出ているため、これに乗ってくるのが一番いいだろう。
ただしバスはそれなりに混む。並んで積み残しが発生する上に道も渋滞することがあるため、待つのがイヤな人、確実に訪れたい人はJR相模線・相武台下駅より歩いて行くのが確実か。炎天下の下1km程歩くことになるので体力との相談にはなる。
「相武台前」と「相武台下」は全く別の駅なので注意しよう。あまりこの地域に来ない人だと割とトラップではある。なお小田急線相模原駅とJR横浜線相模原駅ほど全く別の場所にあり、乗換駅として進めるギャグがあったりするのだが、それはまた別のお話。
会場の風景

会場の風景。近くにコンビニなどはないので注意。飲み物に関しては、この臨時バス停の近くに自販機が一台と、会場で飲み物やかき氷は売っている。
撮影機材



今回はニコンZfcに NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR を付けて撮っている。このレンズはZfcのキットレンズで、Zfcのシルバー合わせた色調のシルバーモデルが存在する。
これは往年の AI Nikkor 45mm F2.8P のセルフオマージュだろう。ZfcはFM(FM2・New FM2)の復刻モデルに当たり、ニコンのコンパクトフィルム機の最終形態がFM3Aということになるのだが、これを連想する人も多いため一種のファンサービスということになる。
筆者のZfcは中古品で、故にキットレンズが付いていない。そのためこのレンズは筆者所有のものではなくカメラ友達にお借りしたものになる。代わりにTTArtisanの中華レンズを貸出している。
せっかくなので木製グリップも外してスッピンにしてみた。こういう遊びができるのは良い。本体重量445g+レンズ重量135gの合計580gと非常に軽く、ちょっと撮り歩くにはうってつけの組み合わせだ。
なおレンズはレンズキットとして本体+レンズで売っている。ボディ単体と価格差がさほどなく、割とよく写り、シルバーモデルという珍しさもあるので、新しくZfcが欲しい人ならとりあえず検討して損はないと思う。
このレンズで撮った写真
会場風景




辺り一帯は見渡す限りの田園風景で、遠くには神奈川県の水がめである丹沢山系が見渡せる。筆者の母の故郷が山形県にあるのだが、そこによく似ていてほっとする雰囲気がある。

稲も無事に穂を付けて実っている。昨今は東北・北陸地方などで高温・水不足によって満足に育ちにくいという話も聞くが、無事実って欲しいばかりである。




あぜ道をしばらく抜けていくとひまわり畑にたどり着く。この規模の畑は都心周辺ではなかなかないため圧巻である。
2025年については9日(土)が曇天、10(日)11(月)が雨天だったため、結果としては9日して見られるチャンスがなかった。思い付きで行ったのだがこれは英断だったと思う。
ひまわり畑でつかまえて

このレンズだが、APS-C機のキットレンズとなめているといい意味で期待を裏切られる。単焦点ばりによく写るのだ。傾向としては同じくZ7(Z6)のキットレンズを担当した NIKKOR Z 24-70mm f4 S と似ていて、クセのない素直な描写を期待できる。
ひまわりのような精緻な模様を描く被写体を絞り開放で撮ってもディティールがつぶれたりすることはない。軽くてAFも早いしVRも内蔵されているため、軽快かつ確実に狙った絵を収めることができる。




それとこのレンズは思ったよりも寄れる。最短撮影距離は20cm・最大撮影倍率は0.25倍で、ヒマワリのようにドアップで寄せたい場合もこのくらいなら十分に入る。ズーム端の絞りは6.3Fと暗いが、換算75mmと最短撮影距離を使えばこの程度まではボケを作れる。
またこのレンズはお借りしたものにつきフードがないが、素の逆光耐性が高い。この程度の曇天なら特に必要は感じなかった。F値が暗いせいもあるが偽色やフリンジの類も出なさそうだ。タル型収差もよく抑えられており不自然になることもない。
一方で欠点もあってやはりF値が暗い。スナップ夜景を撮る場合は、F3.5が使える広角単限定で、ズームとなると少し辛いかもしれない。ただし素の描写は良さげなので三脚を持ってきてF9あたりで撮ると普通にいい絵が取れそうな雰囲気はある。
もうひとつは描写には関係ないところになるが、沈胴式ズームで見た目があまりカッコよくない点だろう。早い話かコンパクトデジカメと同じである。インナーフォーカスでパンケーキのまま取れたら素晴らしかったのだが。こうした欠点周りも24-70mm F4Sに似ている。
雰囲気作りのハナシ


今回はピクチャーコントロールで色々遊んでいる。右側は「ビビッド」(5400k)で右側は「ニュートラル」(4600k)で撮ったものだ。
ヒマワリを撮る際に一番悩むのが雰囲気作りだろう。入道雲や麦わら帽子、白いワンピースなど夏の風物詩で快活で明るいイメージのあるヒマワリだが、健気の裏にある切なさや「夏の終わり」という一抹の物寂しさというイメージもあって、どのように持って行くか非常に悩ましい。
筆者は彩度を上げてjpg撮って出しで済ませるしまう横着者なのだが、このレンズの持ち主はソフトにしてレタッチでハイキーに仕上げることが多いようで、同じ機材を使っていても全く傾向が違うのが面白い。今回はその方をオマージュして何枚か撮っている。
TTArtisan 50mm F1.2を装着


せっかくひまわり畑に来たのでボケの写真を撮りたいということで、ここからTTArtisann 50mm F1.2で撮っている。これも何回か過去記事で出てきたレンズで、中華レンズとしては色乗りの良さに定評がある。換算75mmとなりポートレート仕様になる。
あと見た目が好き。木製グリップ+サムグリップ+このレンズというのが筆者のZfcの基本装備になっている。
プロソフトンA


加えて今回はPRO1D プロソフトン[A]を使ってみた。これはソフトフィルターの一種で、通常のソフトフィルターよりも効果が抑え目のものとなる。花撮りの他、天体撮影にも使用されることがある。
左がフィルター未使用・右がフィルターを使用した写真で、全体的ににじむことで解像度が下がってソフトな印象の絵を撮ることができる。

フィルター仕様+F1.2絞り開放+Fドアップ構図で撮ったもの。うーんやりすぎじゃないかな。なるほど、こういうのが好きな人もいるのか‥‥。




ソフトフィルターを付けて背景をボカして撮ってみたところ。こういう撮り方ができるのが大口径レンズの面白いところだ。なおこのレンズではF2.8くらいで撮っている。何もいつも絞り開放で撮らなければならないわけでもないし、むしろボケ過ぎてしまう。
引き続き、左:「ビビッド」(5400k)、右:「ニュートラル」(4600k)で撮っているが、ソフトありだと右の方がいいのかなぁ。
ちなみに筆者は男性で、先のレンズの持ち主は女性なので、色の見え方が違っている可能性がある。筆者は色覚については比較的うるさい方なのだが、女性から見て「キレイ」と思う方が客観的には正しいのかもしれない。ただし憶測の域は出ない。
ピクチャーコントロールいろいろ
せっかくなのでピクチャーコントロールで色々味変して遊んでみた。ヒマワリってどうしても日の丸構図で決まってしまうので味変で楽しみたくなった次第。




5つほど試してみた。「トイ」(左上)はオモチャのようなポップなイメージというものではなく、トイカメラの方である。ヒマワリには合っていて割と好きかも。「セピア」(右上)もこれまた定番で色褪せ風味な感じに写る。
「サイレント」(左下)は個人的にスキなやつで、わずかに彩度を残したほぼモノクロといった感じになる。個人的には好きなのだが、知り合いに見せたところホラーゲームみたいになってぐうの音も出ない笑
「カーボン」(右下)はニコン機にいくつかあるモノクロ設定のひとつで、白黒が強く出るモノクロといったところ。これは建築物の方が合うんじゃなかろうか。

そして「ポップ」。これは彩度をヤケクソ気味に上げて色飽和上等の設定になっているのだけど筆者は好き笑 そんなわけで残りの尺はこれで撮っていくことにした。
なおペンタックス機でも「ポップチューン」という似たようなセッティングがある。
ポップ



そんなわけで「ポップ」で何枚か撮ってみる。黄色がキンキンに色飽和していて目が痛いww
このタイミングで雲の切れ間から日が出ていたので採用したのだが、暑そうな雰囲気が伝わってくる。アブラゼミの鳴いていて余計に暑苦しい。見ているだけでお肌が焼けてしまうようだ。




ソフトフィルターでキンキンを少し緩和してみた図。これで暑苦しさも少し和らいだか。
筆者は写真を「記録色」として取る傾向が強い。腕時計とか靴などはなるべく自分がみたままの色合いや質感で残そうとするのであまり盛らない。普段jpg撮って出しだったり、夜景撮影も5000kのまま撮っていることが多いのもその辺の事情による。
ただ、お花などの見た人の印象に残る被写体は「記憶色」の方が印象に残りやすいのかなとは思った。ヒマワリ畑などは非日常の世界になるので、正確にありのまま撮るよりはドラマチックに仕上げた方が良い。桜やバラなどはガッツリレタッチを入れているのはそういうことなのだろう。
被写体やシーンによってどちらに寄せるかのもありということか。これは勉強になるなぁ。
まとめ

そんなわけで座間のひまわり祭りのレポっす。当初行く予定がなく、即興で決めた企画だったのですが、思ったよりも収穫が合って楽しかった。それにしても暑かった‥‥。
お借りしたレンズのテストも兼ねる目的もあったのだが、結局ボケを作りたくて別のレンズに変えてしまった。そのレビューはまたの機会に。
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