イタリア発のダイバース スピニカーについてレビュー。派手めな見た目の割にかなりマジメなヤツ。
スペック
年代 | 2020年 | ムーブメント | NH35 |
型番 | SP-5081-66 | 精度 | +30秒程度 |
直径 | 42mm | 風防 | サファイアガラス |
厚さ | 15mm | 防水 | 30気圧防水 |
ラグ幅 | 22mm | おすすめ度 | ★★★★☆(4.5) |
機能 | デイト | 備考 | ミラネーゼブレス |
どんな時計?
イタリア発のカジュアルウォッチブランドで最近はやっているらしい時計。Spinnakerと書いて「スピニカー」と読むらしい。「スピンネイカー」じゃないのね。
意味は「ヨットの帆」らしくダイバースウォッチを中心に展開をしている。ものとしてはダイバースケースにミヨタやセイコーの汎用ムーブメントを入れた時計で、このブログによく出てくる中華ダイバースと同じジャンルの時計になる。
ただしアマゾンやアリエク、メルカリヤフオク等で買うことが多い中華ダイバースとは異なり、代理店が入っており、ウォッチショップやセレクトショップなどで取り扱いがある。そのため実店舗でも目にする機会が割とある時計かもしれない。
このDumas(デュマ)はダイビングの第一人者、フレデリック・デュマの名前を関したモデルになる。スピニカーのモデル名はブラッドナー、クロフト、ハルダイバー、スペンスなど人名を関したものが多いのも特徴となる。
ディティール
ダイヤル
ケース形状はオクタゴン(8角形)でなかなか珍しい。モチーフは色々あるようだが、オリジナルになるのでその点も印象がいい。通常のダイバースに比べて張り出す形になるが、デザイン上必然的にそうなるので、この形が嫌いじゃない人ならばあまり問題はないだろう。
ダイバースらしく300m防水を確保しているが、シースルーバックになっている。そして自動巻きムーブメントのローターはNH35そのままでなく自社のものにカスタマイズされており、ひと手間掛かっている。
ただし300m防水をうたっているだけあってケース圧は15mmとそれなりにあり、ケース直径は42mmと常識的な大きさであるが、オクタゴン(8角形)のため相応にゴツい。
これは深海(海底原人)オマージュの、Stelldive SD-1964や、ENRIVA ESB697、ボールウォッチのハイドロカーボン程度と並ぶガタイで、デカ厚時計の域になるため好き嫌いは分かれるかもしれない。デザインも少々ひねってるのでそこもポイントになると思われる。
サファイアベゼル
この時計の特徴になっているのがベゼルで、blueが溺愛しているSan martin SN005Gと同じく、サファイアベゼルとなっている。ただしこの時計はGMT機能はないため、通常のダイバースと同じく12時から3時位置までが赤色となっている。
サファイアベゼルはblueの大好物で、ルミノバがガラス内に封入されているためこすっても剥離する心配がない。そしてレンズ効果によってベゼル全体がうっすら光る。
代わりにぶつけて割らないように注意がいるかも。まあそれはセラミックベゼルも同じかな。
ミラネーゼブレス
このモデルのブレスレットは通常の3連や5連ピースのものではなく、メッシュ状のミラネーゼブレスが付いている。なお「ミラネーゼ」はミラノ風との意。
で、このミラネーゼブレスなんだけど想像以上に分厚い。よくあるファッション時計の薄手のものを想像していたのだがとんでもない。物凄くしっかりした強靭なものだった。厚さで3mmくらいはあるので、相応の重さと曲げ強度が感じられる。
これベネットのやつじゃん!
blueが手に取って最初に出てきた感想が「これベネットのやつじゃん!」だった。B級映画の金字塔、みんな大好き「コマンドー」の宿敵ベネットがこんな感じのチェインメイル(鎖帷子)的なものを装備していたのだが、あれが真っ先にイメージとして浮かんだ。
※ちなみにこの記事を書くにあたってベネットが装備していたアレは鎖帷子ではなくただのニットだったことが判明した。ただのタンクトップ型ニットが小さすぎてパッツンパッツンになっているだけだった。むしろそっちの方が衝撃だよ!!
「コマンドー ベネット」でググると出てくるがどう見ても鎖帷子にしか見えない。劇中のベネットチャージ(感電すると逆にパワーアップする現象)もあり、どうみてもソレとしか見えず、笑うしかないww
シースルーバック
話が脱線してしまったが、このミラネーゼブレスは金属製でありながらムーブメントを鑑賞できるメリットがある。このモデルは信頼性に優れたNH35が搭載されているのだが、ローターは自社デザインのものが入っておりなかなか凝っている。
というか300m防水でしれっとシースルーバックなのすごい。すごくない?
ベルト換装
ところでこの ベネットブレス ミラネーゼブレス、品質や質感は確かなものなのだがblueは手首が細いため、サイズを合わせるとベルトの長さがかなり余ってしまい、端がぴろぴろしてしまう。たぶんベネット並の体格と貫禄、強さがないと似合わないだろう。
そんなわけで、blueはあり物(汎用品)のブレスに替えてしまった。ヤフオクで買った3500円くらいのヤツだ。
この「デュマ」はラグ形状が直線なので、エンドピースはストレートエンド(直カン)でそのままフィットし、幅は22mmのものであればそのまま取り付けられる。blueは上記の5列ブレスを付けているが、ネジ式なので質感は良くデザイン的にも自然で馴染んでいる。
「この時計興味があるけどミラネーゼはちょっと…」とブレスが原因でブレーキがかかっている人もいるかもしれないが、この通り全く問題がないため広くお勧めできる。特徴やキャラクターは若干薄くなってしまうが、普段使いする分にはこちらの方が使いやすいかも。
夜光(Lume)
このスピニカーはよくある軟派なファッション時計っぽい見た目とは裏腹になかなか考えてプロダクトデザインがされている時計で、品質ついてはかなり真面目で印象が良い。
その証拠に夜光の塗りはガッツリ入っており、輝度・塗りムラ共に申し分ない。
夜光は安い時計だと妥協されやすいポイントで、夜光顔料のグレードが低くて輝度が薄かったり、塗りムラがあって部分的に暗くなったりしがちだが、このスピニカーにそういった点は見られない。blueの所持品もそうだし、レビューサイトや動画も概ねこの通りに光る。
そしてスピニカーは夜光もデザインの一部として想定しているようで、モデルによって異なる見どころを用意している。このデュマでいえば、いずそやのSanmartinと同じく、ガラス製のベゼルインサート全体がほのかに発光する。blueが好きなやつだ。
San martin SN005Gとの比較
同じサファイアベゼルを搭載したSan martin SN005Gとのショット。
赤色部分がわずかに透けて色づいているのがとても良い。スピニカーはこのモデルに限らず、夜光に力を入れているモデルが多い為将来が楽しみなブランドだ。
入手方法
Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングなどで入手可能。やはり代理店が入っているのは大きい。逆にアリエクでは取り扱いがない。
中古や新古品についてはヤフオクやメルカリでも入手が可能。ブランド自体が2019年からなのでコンディションがいい個体が多い。
まとめ
入手前と入手後で大きく印象が異なった時計。サファイアベゼル目当てで他は当てにしていなかったのだが、思ったよりも真摯に作りこまれた時計で、ブレスを変えたのもあってすっかり気に入ってしまった。中古品でこれは掘り出し物だった。
特徴はデザインが考えられている点と、それでいて品質もきちんと担保されている点。イロモノに見えて結構考えて作られており、代理店も入れているので流通やメンテナンスにおいても信頼性が高い。一見チャラそうな雰囲気に反してかなり真面目なブランドといえる。
これに気に入って他のモデルもいくつか入手してみたが(これも中古笑)、いずれも品質的はかなりまともで雰囲気の良いモデルが多かった。夜光もしっかりきっちり光るのでこれはダークホースかもしれない。
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