おニューのマクロレンズをひっさげて夜景スナップ撮影を楽しむ。
撮影機材
ラオワ 100mm F2.8マクロ+ニコン Z7という組み合わせで撮影。
このレンズはFマウント用レンズだが電子接点が無いので、マウントアダプタを使用してもデメリットが無い。カメラ本体にレンズ焦点距離を登録することで手振れ補正が使用可能なので、夜景スナップを行う場合はむしろ都合が良かったり。
このレンズで撮った写真
優秀な収差補正
このレンズはマニュアルフォーカスオンリーなのはさることながら、キヤノン用以外は電子接点を搭載していないので補正は手動で行うことになる。その意味ではTTArtisanやPergearなどの他の中華レンズと使い勝手は同じだ。
しかし光学設計が優秀で歪曲収差はほとんど出ない。絞り開放で撮ってもパープルフリンジが出ないため、撮って出しでも十分に整った絵が出てくる。
鶴ヶ峰・二俣川
このレンズは焦点距離100mmの中望遠レンズとしても使える。絞り開放F2.8で遠景を撮るとこのような感じになる。MFオンリーでありピントリングの回転角も標準レンズ並しかないが、適度なトルク感があるので、通常の風景撮影ならピント合わせはやりやすいと思う。
マクロレンズらしいボケだが非円形絞りのため少々硬さがあり、そこは個性として認めてあげることになる。代わりに最短撮影距離で24.7cmまで寄れるため(参考までにAF Nikkor 105mm F2.8が31.4cm)被写界深度差を用いた前後のボケはかなり大きくできる。
中華街(横浜市)
いずれもF2.8の解放で撮っているがパープルフリンジが出ない。さっきからもう3回くらい言っているがこれはホント素晴らしい。
中華レンズの場合TTArtisan、Pergearはおろか、Viltrox先輩でもフリンジは出るし、国産マクロレンズでもタムロンの旧式90mm(272E)や、PENTAX DFA 100mm(旧式のsmc版)のような古いものは出るので、この点は評価されるべきポイントと思う。
なおこの中華街のスナップは実はロケーションの下見として撮ったもので、ブラックミストNo.5フィルターのテストのために後日再び訪れて撮っている。
水族館にもっていくとこんな感じになる。ガラスにほぼベタ付けできるPENTAX DA35mm F2.8ほどではないが、ガラス正面からならば最大撮影倍率を活かして寄って撮影することもできるため、使い勝手はそこそこと言える。ただしMFなので基本的には置きピンとなる。
水族館と言いつつこれは新山下ドンキの店頭にある水槽だったりする。買い物ついでに眺めているとなかなか癒される。
元町(横浜市)
元町はみなとみらい線で訪れることができ、中華街や山下公園、マリンタワーと隣接しているため夜景スナップを撮りたい場合カメラブログ的には非常に便利。どのレンズで訪れてもなんとなく撮れ高は確保できる。
余談だが「元町」と「中華街」は神奈川県横浜市にもあるし兵庫県神戸市にもある。共に港町なこともあって雰囲気が似通っているので何かとライバル視されやすい。会社の交通費精算で路線検索をするとたまに後者のものを拾ってしまい、交通費がエライことになるのはご愛敬。
日暮れ前に何枚か撮った写真。電子接点もないMFオンリーのレンズにもかかわらず、サクッと撮っただけだがなかなか仕上がった絵が上がってくる。
絞っているように見えるが、これもF2.8絞り開放で撮った絵。正面構図のガチピンだと開放でもこのくらいまで改造する。電子接点のないMFレンズだが写りは現代的なのでギャップ萌えがある。
このレンズは前回日記で周辺減光が発生したことからも想像できる通り、口径食(レモンボケ)は発生する。ただこのレンズは最大撮影倍率が2倍なので、一段絞って被写界深度を物凄く深い構図で撮れば、力業でボケを丸くすることができるかもしれない。
通常のマクロレンズよりも寄れてフリンジも出ないためこういう構図を遠慮なく撮れるのは便利。
最大撮影倍率2倍は常に限界まで寄って使い方をしなければならないわけでなく、通常のマクロよりも一歩踏み込めるといった感覚で無意識に使って恩恵を受けるのが正解と思う。
このガラス玉のLEDオーナメントは手軽で見栄えがするし、被写界深度でボケを作りやすいのでなかなかいい発明だと思う。ニトリとかでも売ってるのでその気になれば自宅でもできるのも良い。
このような情報量の少ないシンプルな写真を撮るとレンズの素性の良さが浮き彫りとなる。
アメリカ山公園
ここは去年訪れた場所で、PENTAX FA 31mm & 77mmで撮りに来た場所だ。
LEDはそのまま撮ると寂しくなりがちだが、中望遠レンズは圧縮効果によってクロスフィルターやソフトフィルター無しでもなかなか絵になる。このレンズは被写界深度を活かして手前のLEDを強引に巻き込んで大きな前ボケを作ることもできる。
まとめ
最大撮影倍率2倍のマクロレンズということで、PentaxのDA35mm F2.8マクロのように遠景を弱点とするのかなと思ったが別にそんなことはなかった。周辺減光はシーンによって目立つが、昼間であれば絞れるので一応の対処は可能だ。
このレンズはマニュアルレンズだが、発売年が2018年と最近のため光学設計が新しいのが強み。電子接点はないが、歪曲収差とパープルフリンジが良好に補正されているため、撮って出しでもそのまま出せる絵が出てくるのは強み。
マクロレンズはMFオンリーでもあまりデメリットはなく、ミラーレス機は手振れ補正、ファインダー拡大、フォーカスアシストと便利機能も使えることもあり、機能・性能面でも噛み合っている。
そして最大撮影倍率2倍の効果はスナップ撮影でもおそらく無意識的に恩恵を受けており、このレンズじゃないと取れない写真が撮れる(撮れている)可能性がある。
価格もメーカー純正のマクロより安いので、超至近距離撮影を楽しみたい人はもちろん、サブや変わり種のマクロを欲しい人にもオススメのレンズ。
リンク
なおラオワはマクロレンズの他に超広角レンズも得意としている。ラオワ独自のゼロディストーションという技術により、超広角レンズにもかかわらず歪曲収差が限りなく少ないのが特徴。
このラオワ12mmはフルサイズで12mm、APS-C機換算で18mmと使い分けができるレンズで、しかも貴重なペンタックス用が出ているレンズになる。シルバーモデルに釣られてヒトバシラーしてみたが納得のいく画質で満足度が高い。よければ参考にされたし。
コメント