【レビュー】LAOWA 12mm F2.8 Zero-D ① 概要

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▶カメラ

名誉リミテッドレンズの異名を持つラオワの超広角レンズ。

スペック

焦点距離 12mm レンズ構成 10群16枚
最小絞り F2.8 絞り羽根枚数 7枚
最大絞り F16 寸法 約74.8×82.2mm
最短撮影距離 18cm(0.2倍) 重量 約609g
マウント ペンタックスKマウント フィルター径 取付不可
フォーマット フルサイズ オススメ度 ★★★★★(5.0!!)

どんなレンズ?

中国のレンズメーカー ラオウ ラオワ(LAOWA)の超広角レンズで、焦点距離12mm(視野角122°)かつF2.8という規格外の超広角レンズ。これだけでも凄いのだが、ゼロディストーションというラオワ驚異のメカニズムにより、超広角域にもかかわらず歪みねぇ画質を叩き出す。

他のラオワのレンズ同様マニュアルフォーカスオンリーで、電子接点のついていない硬派仕様となる。そのビルドクオリティは高く、コシナのツァイスやフォクトレンダーと比べても互角以上の出来で、質感の良いアルミ鏡胴はきめ細かい梨地仕上げがなされている。

眺めてうっとり触ってひんやり、使ってびっくりするレンズ。

開封の儀

今回は珍しく新品購入したレンズになるのだが、びっくりしたのは真空パックになっているところ。お歳暮で贈られるローストビーフやハムみたいになっている。なんだこれは……たまげたなぁ。

確かにこれならば在庫品となってもカビや湿気のリスクが無く品質を保つことができる。クリーンルームの外の世界の空気を吸ったことのない、正真正銘の新品レンズであることは確定的に明らか。品質保証と箱を開けたときのワクワク感を両立した、とても粋な演出と思う。

けどこれをやると「品質には自信があります」と言っているようなものなので、期待値が俄然上がってしまう諸刃の剣ともいえる。あえてこれをやるラオワの自信の程がうかがえる。

名誉リミテッドシルバー

このレンズは例によって筆者大好物のシルバーモデルだが、サイトロンジャパンの限定モデルとなっている。ダットサイトなどモデルガン業界で見かける会社だがまさかレンズも扱っていたとは。なんでも他のサイトと併合するため閉店セールをやっていたらしい。

セール品とはいえお値段99,000円と結構いい値段がする。これはキャラが似ているサムヤン14mmが四本買えてしまう価格だ。嗜好品感覚で中華時計をホイホイ買いしている筆者もこれは流石に躊躇するレベルだった。

ちなみにKマウント(ペンタックス用)の場合Aポジションがあるため、Aモード(絞り優先オート)が使用可能。これは地味にうれしいポイント。


なおペンタックスFA31mmとのショット。一回り大きく、DFA21mm F2.4とほぼ同じデザインとサイズ感。しかし重さはDFA21mmの416gに比べるとこちらは609gと1.5倍ほどあり、ずっしりガラス玉といった佇まい。

知っての通りペンタックスは広角レンズのラインナップが弱い。ラオワは極めて硬派でマジメなメーカーだし、なんせシルバーだし。こんなマニアックなアイテム見送ったらきっともう二度と見かけないに違いない。トドメにブラックの中古品も大して値段変わらないと来ている。

こういう一期一会物は運悪く出会ってしまったが最後、その選択肢は「はい」「イエス」の2択しか残らない。こんなの行くしかないだろう!三日三晩熟考した結果、覚悟を決めてサイバトロン戦士になった模様。お前デストロン軍団じゃなかったのかよ。

K-3 MarkIII に装着

満を持してペンタックス K-3IIIに装着。予想通り違和感0%カッコよさ120%で大満足。もうこれ半分名誉リミテッドレンズだろ……と思うくらいしっくりくる佇まいだ。よく見るとシルバーの色味が若干違うがFA31より一回りガッシリマッシブなフォルムはテンションが上がる。

見た目全振りのロマン装備と思いつつ、ペンタックスは広角レンズの選択肢が少ないので実際にはかなり実用的だったりする。APS-Cの本機で使う場合その焦点距離は18mm相当となるため、この焦点距離でも建築物撮影や星景撮影に十分使える…というかベスト画角すらある。

そしてこのレンズはフルサイズなのでK-1でももちろん使える。さしずめHD LAOWA-D FA 12mm F2.8 ED Limitedといったところだ。

このレンズで撮った写真

いつものようにみなとみらい近辺を散策してスナップ撮影を。色温度は5000K、カスタムイメージは「風景」で撮っている。

ポートサイド地区

ペンタックスK-3 MarkIIIはAPS-C機のため、換算画角で18mmとなる。つまりこのレンズのスペックをフルで使っているわけではないのだが、この段階で超広角らしい強烈なパースペクティブを味わうことができる。

下の2枚の写真は以前AF-S NIKKOR 24mm F1.4Gで撮りに来たロケーションで、24mmだとかなりギリギリでほぼ壁まで後退して撮った写真になるが、この写真は18mmということでかなり余裕がある。


焦点距離が短いということは手振れしづらいということでもあり、1/10秒 ISO5000 F2.8くらいの根性設定でも撮ることができる。高感度ということもありそれなりに荒れているが、解像度が高いレンズなのでこれでもなかなか見れる絵になっている。

このレンズは周辺減光が大きく解像度も低下すると言われてるが、APS-C機で使う限りは気にならない。後でもう少しわかりやすいところで試してみることにする。

Kアリーナ

アンパンマンミュージアムやOKストアのすぐ近くにあるアリーナ。以前はフットサルコートが立っていたと思うが、いつのまにかこんな超弩級の建築物が立っていた。

このアリーナは最大収容人数20,000人を誇る。近くにあるゼップ横浜が2,000人、かつてあった横浜BLITZが1,700人、ぴあアリーナで12,000人、新横浜の横浜アリーナが17,000人なのでそれよりもデカい。みなとみらいライブハウス多すぎ問題。


このレンズで素晴らしいのはオーバーインフが無いこと。無限遠が無限遠としてきっちりピントが合うので、MFレンズにかかわらず撮影効率がすこぶるよい。思考停止しながら雑に無限遠に入れても合うのでこれは感動する。

ちなみに ラオワ 100mm F2.8 x2マクロ(Fマウント用) をD800で使ってみたところ、これはオーバーインフが出た。ラオワとしてすべて揃えているわけではないようで、あくまでこの12mm F2.8のレンズ特性ということになる。


アリーナの他にはホテル(ヒルトン横浜)とオフィスビルが併設されており、換算18mmをもってしても入りきらないくらいで凄まじく巨大な建築物となっている。みなとみらい大橋への近道となる通路が現在建設中になっており、イベント後の渋滞の緩和が期待される。

筆者は陰キャラなのであまり縁がない施設だが、音楽イベント専用設計かつ2023年水準の音響設備を備えているということで、国内でも最高級のハコではないだろうか。みなとみらい界隈は10年前と姿がまったく異なるのでちょっとビビる。

レンズの話をすると、見ての通り直線主体の建物なので収差の判定に役立っている。今回のスナップ写真は収差を見るために正面構図をや格子状の被写体をやや多めに入れている。

高島中央公園

上記のKアリーナ、アンパンマンミュージアム、OKストアのすぐ近くにある公園。周囲をタワマンに囲まれているため、広角レンズを持ってくると迫力のある絵を撮ることができる。

高層ビルの周囲に大公園を作るという都市計画は、街作りゲーのシムシティシリーズをやっていた時を思い出す。高密度住居区域・商業区域で埋め尽くしてしまうと、地価が下がってしまって廃墟ビルが増え、3×3サイズの大規模建築物がなかなか立たないのだ。


なので住居区域と商業区域の間に、大公園と警察署を立ててやると廃墟ビルが減って3×3の大規模建物が立ちやすくなり、限られた土地利用の観点から望ましいという攻略法が存在する。実際、景観機能や子育て・健康増進機能、防災機能などないと困るので合理的なまちづくりと言える。

みなとみらいはこの類の公園が多く、割とお手本通りというか、実にシムシティ的な都市計画を行っているので既プレイ者はなんだかニヤリとする。ウィルライトすげえ。

入手方法

Amazon、楽天、Yahoo!など各種ネットショップで入手可能。各種マウント対応品があるためカメラを選ばないのも魅力。


他マウントでの流用

このレンズはMFオンリーで絞りレバーも付いているためマウントアダプターで流用できる。

神レンズこと AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8Gが、AF可能、ズーム可能、FマウントとZマウント使い回し可能と使い勝手に優れているのに対して、このレンズは汎用性に富んでいるのが魅力。筆者はフジXマウント、ニコンZマウントで使い回すつもりでいる。


購入価格をカメラのマウント数で割れば、99,000÷3=33,000なので意外とお買い得なのでは?と思うのだがどうだろう。この理屈で行けばラオワ、コシナ、中一光学などのMFレンズは実質1/3の価格で買えるのでは……?まさに逆転の発想……!コペルニクス展開っ……!

その考え!人格が悪魔に支配されている!

まとめ

安心と信頼のラオワレンズ。限定シルバーに飛びついたわけだが、まさしくこれは飛びついて正解だった。手持ちのレンズ3本と諭吉4体を生贄に捧げ、苦労して召喚した甲斐があったというもの。必要な犠牲だった。

K-3IIIと合わせたときの姿がハマりすぎていて思わず連れて行きたくなる。手持ちのKマウントレンズで広角域はこのレンズだけなので一定の出番は回ってきそうだ。造形美をしばらく堪能したらXマウントやZマウントでガチャガチャして遊んでみるつもりでいる。


中でも素晴らしい点は、無限遠が無限遠として合うためオーバーインフにならないこと。安価なMFレンズばかり使っている筆者にとっては初めての体験だ。遠くの風景を撮りたいならとりあえず無限遠にしておけば合焦してくれるのでMFオンリーにもかかわらず意外とサクサク撮れる。

超広角レンズは未体験ゾーンなのでしばらく付けていると新しい発見があるかもしれない。APS-C機につけて画角を狭めてやれば使いやすくもなるし、これで慣れていくのもいいかな。


関連商品

ペンタックスで使える超広角レンズ特集。ラオワほどガチではないレンズで「こういうのでいいんだよ」という人向き。あとカメラ本体の紹介。

SAMYANG 14mm F2.8 IF ED UMC Aspherical

上記ラオワ12mmを購入する上で対抗馬として相当迷ったレンズ。ペンタックスは星撮りに使われることが多いが、広角レンズのラインナップが弱いのが泣き所となる。その点このレンズは安価でコマ収差も比較的良好なので候補に挙がることがある。

ペンタックスユーザーからは割と知られたレンズで、中古の玉数も多いのでラオワ12mmの約1/4の価格で入手でき、玉数も多いのでいつでも購入できるのは強み。フルサイズ機で使用可能で、マウントアダプタで使い回せるので汎用性にも優れている。


弱点としては歪曲収差(樽型)がかなり大きい点がネック。APS-C機で使うのもアリで、換算21mmと画角は十分維持できる。これとK-3 MarkIIと組み合わせれば格安星撮りセットが完成する。K-3IIはGPS内蔵なので単独でアストロトレーサーが使えるため有効な組み合わせとなる。

出目金レンズのためフィルターは装着できない。頑張れば不可能ではないが、他のレンズで撮るか、レタッチした方が現実的だろう。

HD PENTAX-DA 15mmF4ED AL Limited

こちらは本物のリミテッドレンズとなる。上のレンズに比べるとF4と若干暗く、DAレンズのためAPS-C機でしか使えないデメリットはあるが、圧倒的なコンパクトさは他の追随を許さない。

実際には換算21mmの広角レンズとして運用することになる。旧型(smc版)を使ったことがあるが、歪曲収差が少なく逆光にも強いので使いやすい。色乗りも良く緑はコッテリ乗るのは他のペンタックスのレンズにも言える。


またF4とやや暗めだが、広角ゆえにシャッタースピードを稼げるので夜間スナップでも意外と粘ることができ、見た目や数値のみで判断すると損をする。またラオワ・サムヤンはMFオンリーだがこちらはAFが使え、しかもポケットに入る大きさなので機動力ではこちらの圧勝。

現行品はHD版となるためコーティングが一新されておりヌケの良さが上がっている。また円形絞りを採用することでボケ味が柔らかくなった模様。シルバーはディスコンにつき市中在庫品のみ。探している方はお早めに。

smc PENTAX-DA 14mm F2.8ED

これもペンタックスの純正レンズでDAレンズのためAPS-C機専用になる。換算画角で21mmとなる。

昔ながらのペンタックスレンズと言ったところ。2004年発売なのでそこまで古いわけではないが、2018年発売のラオワ12mmに比べるとさすがに歪曲収差は目立つようだ。

重さは420gと軽めだが大きさはラオワ12mmやサムヤン14mmと同程度ある。またAFであり絞りリングがないため、基本的にはペンタックス機専用レンズとして運用することになる。。

smc PENTAX-DA 12-24mm F4 ED AL

これもペンタックス純正レンズでDAレンズのためAPS-C専用。換算画角で18mm~36mmをカバー。

上記の14mmに比べると一段暗いF4となるもののラオワと同じ12mmスタート。超広角域における2mmの差は大きい。一方でズーム端で36mmを撮れるのも便利で汎用性に優れている。超広角域の選択肢が少ないペンタックス純正レンズで貴重な戦力となるレンズ。


フルサイズ用のズームだと HD PENTAX-D FA 15-30mm F2.8ED SDM WR があるが、わかりやすくデカ重レンズになるためフルサイズ機のK-1を持っているユーザー向けとなるだろう。その点このレンズはそこそこ軽くて小さく、価格もこなれているのがうれしい。

ただし最短撮影距離は30cmとさすがに単焦点レンズには及ばず、至近距離でのパースペクティブを強調した写真を撮りたいなら他のレンズを検討した方がよい。

PENTAX K-3 MarkIII

このレンズに合わせているペンタックスのカメラ。ミラーレスカメラではなく「一眼レフカメラ」となる。今からペンタックスを始めたいという人はとりあえずこのカメラを勧める。ペンタックスがおすすめかどうかは……(苦笑)

ただペンタックスでは総合力が一番高い。ペンタックスの到達点と言っても過言ではないモデルで、特に光学ファインダー(OVF)の出来が素晴らしく、フルサイズ機並みのクオリティ。また高感度耐性も高く、同世代のミラーレス機と互角以上の写り。UIも一新されて今風になった。


一眼レフ機はミラーレス機にはない長所もあるので一台持っておくとよい。露出合わせに関する感性が培われるのと、雨などの悪天候でも快適に使えるのは一眼レフカメラのいいところだと思っている。ペンタに関してはリミテッドレンズを楽しめるのも特権か。

他のモデルと異なりシルバーエディションがレギュラーモデルとして普通に売っているのもメリット。発売当初はかなり高かったが、現在は価格がこなれて入手しやすくなっている。

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