【レビュー】Cronos watch l6021

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中華時計

San martinの対抗馬、CronosのGMTモデル。

スペック

年代2023年頃?ムーブメントNH34
型番精度+30秒程度
直径41mm風防サファイアガラス
厚さ13mm防水20気圧防水
ラグ幅20mmおすすめ度★★★★★(5.0)
機能 双方向回転ベゼル備考

どんなモデル?

クロノスウォッチのGMTモデルで、T社の黒港GMTのオマージュとなる。

以前パガーニデザインのPD-1706を紹介したことがあったが、Cronos watchの品質の高さに驚き、じゃあGMTはどうなのよと気になって購入。Amazonやオークションでは見かけないので日本国内では珍しいモデルと思われる。

オリジナルのブラックベイGMTは割と最近のモデルで、この現行の58モデルの一世代前となる79830RBをモチーフとしているが、このモデルはオリジナルと同様に20気圧防水を確保、さらにセラミックベゼルを採用しており実用性を強化されている。

本家T社のハナシ

T社の黒港は伝統あるモデルだが、GMTとペプシベゼルを採用したのはかなり最近の話だ。元ネタは言わずもがな兄貴分のR社で、GMT達人2で確立したペプシベゼルを黒港に持ってきたらこうなったという、一種のファンサービスセルフオマージュともいえる。

ケース径41mm、ラグ幅22mmと少しがっしりしたモデルで、ケース厚もあるので、GMT達人2に比べるとマッシブな印象を受ける。実際に防水性能は20気圧防水とGMT達人2を上回る。またサイクロプスレンズはなく、ブレスはリベット仕様と幾分かクラシカルな雰囲気に仕上がっている。

ディティール

ダイヤル

この時計は基本的には原作準拠だが、いくつかオリジナルとなっている仕様が散見される。まずベゼルがオリジナルと異なるセラミックベゼルになっている点。色味はネイビー&ダークレッドとよくあるオマージュよりも一際彩度が低く大人っぽい雰囲気がある。

Cronos watchのR社GMT達人2モデルは2種類モデルアップされており、通常のレッド&ブルーの他に本家R社にさらに酷似したネイビー&ダークレッドのモデルがある。このカラーリングが本モデルにも流用されている。24クリック双方向回転型のものでギミック面でもリアル。

ダイヤルも艶のあるグロスブラックになるためかなりラグジュアリーな雰囲気がある。サイクロプスレンズもないのでともすればGMT達人2よりも上品な雰囲気すらある。ガラスは無反射コーティング済カーブサファイアなので視認性は良好。


この時計で素晴らしい点は回転式ベゼルとリューズのコインエッジ。細かいピッチがしっかり再現されていて、とてもエレガントで上品な仕上がりとなっている。これが本物のコインエッジだ。

細かいピッチで丁寧に刻まれたエッジはとても美しい。リューズも同様の精緻な仕上げがなされており、のぞき込むと思わず恍惚とする。好きな人なら白飯が食えるレベルだ。このような時計はスイス、ドイツ、国産いずれも普及価格帯ではまずお目にかかれない。当然中国製でも珍しい。


リューズにはクロノスウォッチのロゴマークである砂時計が刻まれている。「クロノスウォッチ」はいわゆるchronos(時間の神)ではなくKronos(豊穣の神:ガイアの子ゼウスの父)の方なのであるが、当然これは商標問題などを回避するための確信犯であり、ダジャレとなっている。

ところでなんか既視感があるなぁと思ったら、豊橋市の市章に似てる(笑)

ケースバック

ケースバックはいつものヘアライン仕上げ。そろそろ省略してもいいかも?

ブレスレット

ブレスレットは少々特殊でラグ幅22mmの専用品だ。通常のR社用のラグ幅20mmのオイスターブレスやジュビリーブレスよりも汎用性は劣るが、この時計はガッシリしているのでこちらが正解だろう。

リベットブレスになっているが、コマを抜けるフォールディングバックル付近の箇所はネジ止めとなっているため通常のブレスと使用感は変わらない。

ディティールの面白さとしては一歩譲るが、リベット式用のパイプはヘッドのビスがポロ落ちしてよくなくすのでこちらの方が実用的かもしれない。筆者はビーバレルで1敗している。ちなみに本家T社もこうなのでレプリカ的には正しい。

夜光(Full Lume)

この時計は他のクロノスウォッチのモデルと同様に注文時にベゼルのルミノバの有無を選択できる。もちろん筆者はルミノバベゼルを選択。その分少しだけ高くなる。

ルミノバの輝度はSan martinやSteeldiveと同様に明るいもので、期待通りだ。

VS San martin SN015

San martin SN015との対決。Cronos watchと鎬を削るライバルメーカーであり、オマージュモデルとしても本家R社 vs 分家T社となっている。夜光の発光色は共にブルーグリーンでルミノバの明るさもほぼ互角といったところ。どちらも輝度・残光性は申し分ない。

上記の通りベゼルのカラーリングが少し違っていてCronos watchの方が暗い。本家ロレックスのGMTマスター2はどちらかというと後者の方が色合いが近く、Cronos watchでは実際にこのベゼルカラーのGMT達人2をモデルアップしている。

VS San martin SN005-G2

San martinよりもう1本、SN005-G2との比較。こちらはGMT達人2のオマージュウォッチとなる。欠点という欠点が無いモデルで、数あるGMT達人2オマージュの中でも屈指の品質と最限度を誇る名作。

対するクロノスウォッチも負けておらず質感はほぼ互角だ。この2メーカーはケース品質がスイス、ドイツ、国産含めても図抜けて高い。普及価格帯の量産型時計としてはトップクラスのもので枚挙に暇がない。

R社orT社、現行orアンティーク、ブラックorホワイト、セラミックorガラスベゼル、オイスターorジュビリーとあらゆる要素が好対照となる2本だ。これだけ質感が良く明るいルミノバの時計がいとも簡単に手に入ってしまうのは本当に素晴らしい。

入手方法(アリエク)

(※画像から商品ページへ飛べます)

クロノスウォッチはサンマーティンよりも気持ち安価で、T社オマージュはR社オマージュよりも安価になる傾向があるため、割とお買い得感が強い。購入時はベゼルカラーとルミノバの有無を選べるようになっているので、忘れないように。

まとめ

折角なのでSan martin SN005-G2と締めのショット。やっぱり甲乙付け難く、無意味に2本持ち歩きたくなる。

GMT達人2のオマージュモデルは数多くのメーカーから出ているが、この時計は特に高品質1本だろう。NH34ムーブメント、20気圧防水、明るいルミノバと機能性に優れており、両面無反射カーブサファイア、コインエッジ、セラミックベゼル、ネジ式ブレスと質感も申し分ない。

これに対抗できるのはSan martinのSN015か、Cronos watchのL6020Mくらいだろう。このレベルの時計がコンスタントに作られるようになるといよいよ面白くなる。

関連商品

Crono watchと同程度の品質・価格帯のペプシモデル特集。ペプシベゼルはセラミックだったりアルミだったり。(※画像から商品ページへ飛べます)

San martin sn0109

サンマーティン版黒港GMTで最新の58モデルがモチーフと思われる。ケース径39mmラグ幅20mmといつもの大きさで扱いやすい。ベゼルはアルミ製で非発光となる。レプリカ的にもコレが正しくSan martinのポリシーにも合致する。

このモデルはなかなか硬派で玄人向けかもしれない。雰囲気は数あるオマージュの中でも一番本物に近い。またホワイトダイヤルのモデルもある。本家のオパラインダイヤルとはまた趣向が異なるシャンパンゴールの梨地仕上げとなっており、これもまた雰囲気が良い。

octopus kraken OCT-009

Octopus KrakenはRduane Watches系列のブランド?らしい(未確認)品質はCronos watchと同程度のようだ。

クロノスウォッチ L6021よりも2mmほど小さい39mmとおさまりが良く、セラミックベゼル搭載でハードユースにも向く。もちろんベゼルはルミノバ仕様で光る。

Cronos watch L6020M

クロノスウォッチのR社GMT達人2オマージュモデル。San martinのSN015との違いはムーブメントがNH34である点と、ベゼルカラーが本家風のネイビー&ダークレッドのラインナップがある点、そして価格が少し安い点だろうか。

ジュビリーブレスはそれなりに遊びがあり、San martin SN015の方が出来がいいと思われる。

Cronos watch L6020M ホワイト

上記L6020Mのホワイトダイヤルモデル。所謂アルビノモデルをモデルアップしている。Cronos watchの白文字盤はオフホワイトといった雰囲気で柔らかくて良い。

オススメはネイビー&ダークレッドもいいが、ブラック&レッドのコカ・コーラベゼルもいい。どちらもヨーロピアンな雰囲気になる。

San martin SN0015,SN016

San martinのGMT2達人オマージュモデル。SN-015はジュビリーブレス、SN-016はオイスターブレスのモデルとなる。また細かい違いとしてはSN-016はサイクロプスレンズがない。

総合力で言うとやはりSan martinが最強だろう。ジュビリーブレスの質感が素晴らしく、この品質は現状他のメーカーではなかなか追いつけないようだ。強いて言うならムーブメントがNH34ではなく広州6460となっている点が懸案だろうか(手持ちで1台が不調になっている)

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