合成ルビー(コランダム)

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スペック

名称 ルビー(合成) モース硬度 9
カテゴリ 酸化鉱物 劈開 なし
結晶構造 三方晶系 比重 約4.0
化学式 Al2O3 屈折率 約1.76
石言葉 「勝利」「幸運」

どんな石?

ルビーはコランダム(硬玉)の一種である。純粋なコランダムは無色透明であるが、結晶内に含まれる微量の不純物イオンによって色が付くことがあり、赤色のものに限ってルビーと呼び、赤色以外のものをサファイアと呼ぶ。

ルビーの発色は結晶中に不純物イオンとして含まれているクロムによるものである。しかし多すぎてもダメで、1%程度含まれているものが一番発色が良く、ピジョンブラッドと呼ばれる。
(ちなみに0.1%程度の色の薄いものはピンクサファイアであり、これもルビー扱いされない)

ルビーはダイアモンドの次に高価な宝石とされていたが、20世紀初頭にベルヌーイ法(火炎溶融法)が確立され、初めて人工宝石として大量生産が可能になった宝石でもある。容易に作れること、天然ルビーとの識別も容易であることから、合成ルビーはCZに次いで安価に入手が可能である。

ディティール

「鋼玉」の由来

ルビーやサファイアはコランダムという鉱物であるが、その別名を鋼玉という。このような透明感のある美しい石になんでそんな強そうな名前がついているのかいうと…。

単純にめっちゃ硬いんである。

ルビーはモース硬度でを示す。これはダイヤモンドに次ぐ硬さであり、ひっかき傷に対しては相当強い。しかも劈開がないために特定方向からの弱点もなく衝撃にも強い。


2番目に硬い鉱物として通っており、ドラゴンボールでいうならギニュー隊長レベルの戦闘力。その硬さを活かして研磨剤(エメリー)などにも使われているほど。

まあ1番硬い鉱物のダイヤモンド(モース硬度10)がフリーザ最終形態なんだけどね。モース硬度9と10の差は文字通りに桁違いといってよく、モース硬度1から9まで差の4倍以上もある。まるで週刊少年漫画の戦闘力インフレみたいで笑ってしまうw

蛍光性

ルビーの性質のひとつに「蛍光性」というものがある。ブラックライトを当てると赤く輝くというものでこれは有名な話であるが、実はパープルレーザーやグリーンレーザーでも光る。

よく似た石(CZ)と比較したところ。自然光や屋内照明の光源下では同じように見える石でも、ブラックライトの光源下ではCZは蛍光性を示さないため識別することができる。ルビーに限らず、ブラックライトは鉱物の識別にしばしば使われることが多い。


これはルビー中に0.1%含まれるクロム(Cr3+)が短~中波長(紫~黄緑色の光)を吸収し、そのエネルギーを赤色発光として再度放出する性質によるものである。つまりどういうことだってばよというと、ルビーは赤色成分を一切含まない光源下においても赤く光ることができる。

手持ちの合成ルビーとグリーンレーザー(波長532nm)で実際にやってみたが、これはなかなかスゴイ。補色(正反対の色)関係にあるはずグリーンレーザーで真っ赤に光るというのは相当異様な光景である。

これ半分エイジャの赤石だろう…(笑)手持ちの60ctですでにこの輝きなので、200ctを超える超大粒の合成ルビーなら最早カーズが究極生命体に進化するレベル。

実際の天然ルビーは鉄も含まれているため合成ルビーほどバキバキには光らない。つまりUVで光るルビーは合成の可能性が高いとされる。しかしミャンマー産のルビーは天然モノでも光るため、蛍光反応するルビー=合成 とは一概には言えないのが面白いところ。

工業的利用

今回の記事では合成ルビーについて語っているが、実は初出ではない。というかすでに今まで何度も出まくっている。

そう。機械式腕時計の軸受けに使われている。ムーブメントの乗ってる赤くて丸いやつ、アイツ実は合成ルビーなのである。時計のムーブメントには石数という概念があり、それはムーブメントに使われているルビーの数を表している。


美観として映えるのもさることながら、モース硬度9・劈開なしという素材特性が最適なのである。最初にルビーを腕時計に使ったやつの発想力が天才すぎる。これ以上に合理的な組み合わせって22世紀現在でもたぶんないもん。あまりにも最適解すぎて改善不可能すぎる。

ちなみに石数=軸受けの数であり、これは設計によって決まる。そのため複雑時計になると石数は増える傾向にあるが、多ければ多いほどいいというものでもない。かつては石数を競う時代もあり、グランプリ100という野心作もあったが、機械的には無意味であるため現在は収束している。

石言葉「勝利」

割と出番の多い石であり、資格試験を受けに行くときなどはお守り感覚でこれを持ち歩くことが多い。ガーネットやレッドスピネルとは趣向の異なる鮮やかなレッドは、とても華やかで眺めているとやる気になる。モース硬度が高く劈開もなく、傷や欠けに強いのでラフに扱えるのもよい。

興奮色であり、硬くて丈夫な石ということで「勝利」のイメージが付いたのかなぁ。合成石なら50ctを超える大粒なものも安価で買えるのもいい。

まとめ

価格も安価なのでCZの次に買う合成石はこれがおすすめ。王道カラーだし、傷が付きにくくて扱いやすし、ブラックライトやグリーンレーザーで光るギミックもあるので遊べたりもするのでなかなか楽しい石である。

おまけ。合成コランダムにはレッド(ルビー)以外にもカラーバリエーションがあり、上述の通りクロムが含まれているものはルビー同様ブラックライトやグリーンレーザーで光るので遊ぶことができる。

MOTHER2のムーンサイド感があってすごくいい(恍惚) どうしよう、ウランガラスが欲しくなってきちゃった…。あれも綺麗なんだよねぇ。(うっとり)

コメント

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