【レビュー】Tamron SP 24-70mm F2.8 Di VC USD G2 (A032) ①近江八幡

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▶カメラ

突然始まった18きっぷ旅。新快速を途中下車して八幡堀で涼を取る。

スペック

メーカー ニコン レンズ構成 12群17枚
フォーマット フルサイズ 絞り羽根枚数 9枚(円形絞り)
焦点距離 24~70mm 寸法 108.5mm × 88.4mm
最小絞り F2.8 重量 900g(ニコン用)
最大絞り F22 フィルター径 82mm
最短撮影距離 38cm 発売年 2017年8月

 

どんなレンズ?

一眼レフ機用の標準ズームレンズで、各メーカーの大三元レンズ(24-70mm F2.8)に相当するスペックを備えたレンズ。ニコン版とキヤノン版がある。

この標準大三元レンズはニコンの場合、ニコン純正とシグマがこのレンジで出している中、タムロンは28-75mm F2.8となっていて、少しばかり広角が弱く格落ち感があった。しかしこの世代からタムロンも24mmスタートの三倍ズームレンズとなり、ニコンやシグマにようやく追いついた。


筆者がD800によく付けていたレンズで、標準ズームは長らくAi AF Zoom Nikkor 35-70mm F2.8D(1987年発売)を使っていたため、さすがに古すぎるということで刷新したレンズになる。

Z7になってからは母親がNIKKOR Z 24-70mm f4 Sを所有していたこと、そもそも単焦点メインでズームレンズをあまり使わなくなったことからしばらく出番がなかったが、今回遠出するにあたってこのレンズの存在を思い出し、レビューも兼ねて使っている。

撮影機材

ニコンZ7にFTZを介して装着。F2.8通しということもあってそれなりにボリュームがある。個人的には結構カッコいい組み合わせなんじゃないかと思っている。

なおこのレンズをZマウントに使用する場合はファームウェアアップデートが必要で、このレンズの場合はタップインコンソールという別売りのデバイスが必要となる。これを使用しない場合、カメラ側で「異常を検出しました」と表示され、撮影をすることができない。


なお純正のNIKKOR Z 24-70mm f4 Sとの比較。このレンズは母所有のものだが、500gと軽くてしかも写りが抜群に良いので持ち出す機会が多い。

そのニコン純正 F4と比べると、さすがにこちらはF2.8なので一回り大きい。重さは900g+FTZ分の135gと都合1035gになるため、2倍以上の重さとなる。ただし重さに反して全長はさほど長くないためあまりかさばる印象はない。

唐突に18きっぷ旅

今回、物凄く久しぶりに青春18きっぷを使って撮影旅行に行ってきた。予定していたものではないので完全アドリブだ。

家族で親戚に会いに行った帰り、母は新幹線で帰宅、妹は別方面に観光ということになったのだが、筆者はあんまりお金がないので18きっぷでのんびり帰ろうと思っていた。……のだが、東海道本線で東に向かうと静岡しかないのであまり面白みがない。別に18きっぷなくても来れちゃうしね。


そんなわけで何故か西に向かうことに。ここから先は完全にノープランだ。

今回は豊橋(13:20)で、とりあえず新快速に乗りつつ行けるところを考えることに。宿は取っていないので日帰りという縛りもある。悩んだその結果、近江八幡を下見し、神戸で夜景を回収して、深夜バスで神奈川まで戻るというかなりの強行スケジュールになってしまった。

経路としては東海道本線をひたすら西に乗り継ぐ形となり、豊橋(13:20発)⇒大垣(14:41発)⇒米原(15:29発)⇒近江八幡(15:55)となる。今回は大垣ダッシュもなく快適だった。


近江八幡RTA開始(制限時間2時間)

近江八幡駅着。この時点で16時だ。いつもスルーしていて気になっている駅だったのだが、よもやこのような形で訪れることになろうとは。

とても感慨深いが、時間が限られているためRTA的な撮り方になる。18:06発の電車に乗りたいため、18時にはここに戻りたい。


しかし近江八幡は初見のため、観光スポットの大まかな場所は地図で調べて知っていても、その移動手段までは把握できていない。調べるとそれなりに時間がかかってしまうし、バスだとタイミングの間が悪いと待ち時間になってしまう。迷っているだけロスが大きくなる。さてどうするか?

こういう時に筆者が取る方法はひとつ、徒歩だ。脳筋戦法だが結局これが一番確実性が高い。近江八幡の観光スポット「八幡堀」は駅から北北西にある。道順は小幡町通りをまっすぐ行けばいいだけなので至極単純だ。歩きまくっていればいつかたどり着く。

……のだが、思いのほか距離があり後悔することになった。この中村町交差点で20分弱くらいかかっており、全体で見ると30分強歩くことになってしまった。途中公民館や、織田信長公ゆかりの西光寺があり、ここも歴史的なスポットなのだろう。

新町通り

しばらく小幡町通りを北上し、旧伴家住宅のところを右に曲がると新町通りだ。この一角は京都のように碁盤目状に区画整理がされており、歴史的街並みが保存されている風致地区になる。

この近江八幡は商人の町で、天正13年(1585年)に豊臣秀次(豊臣秀吉の甥)が八幡山に城を築いたことに始まる。楽市楽座(規制緩和・地域振興・「座」の独占を抑制を目的に行った戦国諸大名の行った経済政策)によって商人が集い、商業の集積地となったのだ。

近江商人は大坂商人、伊勢商人とならぶ日本史上の三大商人だが、そのルーツはここからきている。京都からほど近いせいか上品な街並みで、当時の裕福な暮らしぶりが伺える。


木陰に佇むポストがとてもあざとい。でもこれはスルー不可避だろう。

八幡堀

新町通りをしばらく北上すると立て看板が出てくる。この近江八幡は案内板が充実していて、方向音痴の筆者はとても助かる。

しばらく行くと水路に降りられる階段を発見。ここからお堀を散策することができる。


お堀の階段を降りると親水施設のようになっていて、そのまま歩いて行くことができる。

……のだが、いかんせん暑すぎる。この日は大坂で35℃、名古屋で38℃をマークしており、ここ近江八幡も山なのでおそらくそのくらいの気温になっているだろう。この街は外国人がもっと居てもよさそうなのだが、思いの外少ないのはこの暑さのせいかもしれない。

ホワイトバランス変更

そんなわけでホワイトバランスを4000Kに下げ、色調補正をグリーン側に+0.5入れてみた。こうすると結構ソーダ味になるので、暑い日にはちょうどいい。

なお光害防止フィルターとソフトフィルターを使って「なついろパンチ!」風味に撮って見た回はコチラとなる。


八幡堀(続き)

ソーダ味にした図。木造建築なので寒色系はどうかなと思ったが意外と似合っているので何より。


橋の欄干にピントを合わせて背景をぼかせる構図は好きで、見かけるとついやりたくなる。例によって今回も撮っているのだが、自宅に帰って確認したところ、擬宝珠に鳥のフンが乗ってしまっており、残念ながら大半がボツになってしまった。よく撮れていた構図だけに残念無念である。


白雲橋下。この橋を歩いて行くと日牟禮八幡宮にたどり着く。

一枚目の写真では日傘を差している人がいて、いい感じだったので待ちたかったのだが、今回はタイムアタックなので断念している。でも雰囲気はすごく好き。


白雲橋を超えたところ。一枚目左上の構図は見たことがある絵なのでテンションが上がっている。

左下右下はワイド端70mmの絞り開放F2.8で撮った図になるのだが、意外とボケが大きく実用レベルにある。これはNIKKOR Z 24-70mm f4 Sよりも優れたポイントで大きくて重いだけあってきっちり仕事をしてくれる。


これはお店かな?お堀を歩いていたら間違って入ってしまった。詫び錆びな雰囲気がとてもよかったので撮ってしまいました。すみません。


この看板が出てくるとお堀はとりあえず終了らしい。戻って階段を上がることにした。


入手方法

家電量販店などで入手可能。ただし一眼レフ機用レンズなので取扱店舗は限られているとかもしれない。ヨドバシ・ビックなどはアキバや新宿などの母艦店に行った方がいいだろう。

中古屋やオークションでもでもそれなりに見かけるレンズで、一眼レフ機用でありためか価格もそれなりにこなれている。



ただしZマウントで使用するためにはニコン純正のマウントアダプタFTZの他に、タップインコンソールを用いてファームウェアをアップデートが必要となる。これについてはこの記事で説明している。

嫌ならば純正品を買うかシグマという方法もあるのだが、Fマウントの大三元標準ズームはこのタムロンが新しく、総合性能が一番高いレンズなので悩むところだ。

まとめ

景色に見とれてレンズの話をしていなかったのでここで少し。このレンズは解放から解像度の高い絵が撮れる。2017年発売とニコン純正品よりもかなり後発で、電磁絞りを搭載したEタイプ相当のレンズであるので、そこそこの絵は上がってくる。

色乗りもタムロンらしくノリが良く、ズームレンズとしてはボケもキレイだ。しかしテレ端の樽型歪曲が少し気になる場面もあった。正面構図で撮る場合はテレ端は避けて35mmくらいで撮った方がいいかもしれない。


またレンズ全長はニコン純正よりも短いものの、鏡胴が太く取り回しはあまりよくない。重さ900gと相応に重く、FTZ噛ませると1kg超えとなるため人によっては体力は使う。ただしVC(手振れ補正)の効きは強力で、ある程度なら持ちこたえる。

そんなこんなで試し撮りを行いつつ日牟禮八幡宮を目指す。ここまでで65分が経過、残り滞在時間は20分となる。その様子は次回。後半に続く。

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