【まとめ】ホタルの撮影方法 in 横浜(初心者向け記事)

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▶カメラ

今回初めてホタル撮影を行った際の初心者向け(=自分向け)メモ。それなりに長文になります。

必要なモノ

ミラーレスカメラ(一眼レフカメラ)

カメラについてはミラーレス機がおすすめ。なぜミラーレス機かというと暗所でもフォーカス(焦点)を合わせやすいからだ。これは背面液晶やEVFの感度が可変だからで、露出を上げると明るくなることを利用すると暗所でもフォーカシングしやすい。

後述するが、無限遠が出るレンズを持っている場合は一眼レフ機でもよい。どちらもないと明るい時間に現地入りしてピントを合わせ、その位置から動かないようテープ等でレンズを固定する必要がある。ミラーレス機ならその手間がない。横浜は空が明るいので夜でも山の端が見えるからだ。


そんなわけでミラーレス機なら大抵どれでも撮れると思う。ただし後述するが多重露出(比較明合成)ができる機種が手軽。このブログではニコン Z7、ニコン Zfc、フジフイルムX-T4、ペンタックスK-3 IIIは本体内多重露出(比較明合成)に対応していることを確認済。

無い場合は通常の長秒露光写真を複数枚撮り、レタッチソフトを用いてPC上で作業することになる(こちらの方がメジャーだが)

カメラ用レンズ

レンズは広角レンズがおすすめ。ホタルは気分屋かつ結構飛び回るので広角レンズの方がフレームインしやすい。明るさ(絞り)についてはF2以上あると暗い背景や光跡がくっきり写せるだろう。

またマニュアルフォーカスで撮ることになるので可能ならば無限遠が出るレンズがいい。無限遠が出ずオーバーインフになる場合はミラーレス機でファインダーを拡大して合わせるか、一眼レフ機の場合は試写しながら追い込む力技となる。

上記のラオワ12mm F2.8(ペンタックス用)はペンタックスK-3 MarkIIIに装着すると無限遠が出ることを確認している。一眼レフは暗所でのフォーカス出しが難しいが、このレンズなら無限遠がキッチリ出るのでそのまま撮影ができて楽。

三脚

長秒露光となるため当然三脚は必要。いつも使っているものでかまわないが、足元が土になることもあるためスパイク石突付きのものがいい。

撮影前提

ロケーション

ホタルの出現する場所のロケーションは事前に調べていった方がいい。現地で探そうとなると暗いこともあって結構迷うし、ピークタイムに間に合わないことも多い。筆者は四季の森公園と久良岐公園はすでに知っていて、こども自然公園は調べて行った。

ホタルの出現場所は毎年一定なので、一度押さえておけば荒天や環境の急変が無い限りは辿り着ける。まあスポットは大抵見物人がいるのでついて行けば何とかなることもあるが。

時間帯

実はホタルにはピークタイムが存在する。それを過ぎると休憩時間となり茂みや藪に隠れてしまうので撮影や鑑賞があまり捗らなくなる。

よく聞くのが第一のピーク時間である19:00~20:00頃というもの。今年筆者は横浜市内のスポットを3カ所回って撮影したが体感でもそんな感じで、着いた直後が一番数が多い。20:00時過ぎると段々減ってきて、21:00頃には「そろそろ帰るか…」となる。

もう少し待っていると第二のピークタイムが23:00頃にあり、3回目のピークタイムが翌2:00頃にあるとされているが、これは地元民か泊まり込み前提になるかなぁ。

天候

もうひとつ、ホタルの出現には天候も関係している。「気温と湿度が高く風のない日」が出やすいとされている。人間にとって不快指数が高い日はホタル日和というわけだ。ちなみに蚊も多い。

ただしホタルの飛翔能力は貧弱なので、雨の日、風の日はほぼ見かけない。ホタルは何らかの方法で気圧の変化を察知しているのか、雨が降りそうで降らない日はほぼ見かけない。

…実は、筆者は第四のスポットとして舞岡公園(ねんど川)まで足を運んだのだが、上記の理由が原因なのかほとんどホタルに会うことができず撤退している(一敗) ホタルの存在自体は確認はしたので天候が合えば普通に見られるものと思われる。

ピント合わせ

ホタルを撮影する前にどこかでピント合わせをしておこう。広角レンズの場合は大体無限遠に合わせれば楽だが、望遠レンズは無限会陰では焦点が合わない場合もあり得る。

横浜のような都市部の公園あれば照明がなくとも空が明るいので十分可能だが、田舎の雑木林のようなガチの暗黒世界だと根性と力業でピントを合わせる必要があるかもしれない。

撮影のやり方

やり方としては通常の三脚を用いた夜景撮影と同じで、幹線道路や高速道路の光跡撮影と同じく多重露出(比較明合成)で撮って行くことになる。

1点違うポイントがあるとすれば、現地は非常に暗いためAF(オートフォーカス)による撮影は不可でMF(マニュアルフォーカス)で撮影することになるため、ピント合わせは事前に済ませておく必要がある。この部分は星景撮影に近いか。

多重露出(比較明合成)

比較明合成とは多重露出の一種で、複数の画像を比較して明るい部分だけを合成して足していく方式だ。打ち上げ花火や車の光跡、星景撮影などでよく用いられる方法で、この方法なら露出がオーバーにならない。

この場合では5枚の画像を合成しており、全体としての露出が同じ程度ならその部分の明るさは変わらず、ホタルの通った軌跡だけが上書きされていく。つまりホタルの軌跡は30秒露出×5枚分となるが、全体露出としては30秒×1枚のみとなるため暗さを保つことができる。

この比較明合成撮影はレタッチソフトで行うのが一般的だが、数枚程度なら実はカメラボディ本体でもできる。

長秒時ノイズ低減は「オフ」にする

カメラ設定で長秒時ノイズ低減はオフにした方がいい。これをオンにしているとすぐに次の撮影に移れなくなってしまう。

上記の通りホタルはピークタイムが実は限られている。神奈川だと19:00~19:30くらいがピークなので仕事が終わってから訪れる場合などは急いで撮ることになる。そうでなくてもホタルは気まぐれで結構移動するので、悠長に構えているといなくなってしまうことも多い。

あると便利な生活用品

懐中電灯

ホタルの生息域は道中が暗いこともあるため、持って行くべきアイテムではある。ただし意外と使わない(使えない)ことも多い。ホタルは光を嫌うためだ。またそれを知っている人間から注意される可能性もある。

今回まわった横浜市のポイントの場合はどこも肉眼で何とかなることが多い。中山の四季の森公園は園内照明がない公園だが、目を慣らす(暗順応)すれば目的のポイントまでは十分たどり着ける。シーズン中は他に見物客もいるので後を付いていけばなんとかなるだろう。

とはいえそれは空が明るく人も多い横浜だからで、ガチの田舎はその限りではないため装備としてはやはり必要なアイテムとなる。使うかどうかは現地の雰囲気次第なところはあって、スマホで済ませた方がいい場合もある。

長袖の服・ズボン

ホタルの生息域=蚊の生息域 なのでそれなりの虫さされのリスクはある。虫よけスプレーという方法もあるがそれはあくまでも補助手段で、手っ取り早い虫刺され対策は素肌をなるべく出さないことだ。

そんなわけでホタル観賞はハイキングなどと同じく長袖長ズボンで行くのが鉄則だ。意外と重要なのが足元で、ズボンと靴の隙間から蚊が入ってきて脛やくるぶしをやられることがある。そのため長めの靴下にブーツを履いて行った方がいい。徹底するならブーツインだろう。

蚊は足の臭い(イソ吉草酸)に誘引されるため、体質(汗腺が多い人)によっては刺されやすい人がいるらしい。そういう人は足元はガードした方が快適に鑑賞できるだろう。

虫避けスプレー

ホタルの生息域=蚊の生息域 なのでそれなりに虫刺されのリスクはある。筆者は持って行かなかったのだが気になる人は持って行こう。ただし虫避けスプレーがホタルに影響があると思っている人もいるので、使う場合は常識の範囲内で。

ホタル観賞に虫避けはNGという人もいるが、ホタルの生息地にはブヨとかヌカカみたいなやべーやつがいることもある…らしい。ヤブカ(ヒトスジシマカ)ならともかく、そいつらはダメージが大きく有害なので筆者としては使用もやむ無しなところはあると思う。

有効成分

虫避けスプレーの有効成分はディートやイカリジンだ。蚊、ダニ、ヒルなどの吸血生物はCO2に対する正の化学走性を持っており、あるいは汗や体温などによって吸血する場所を認識している。ディートはこの走性を錯乱させる効果がある。

虫避けスプレーは吸血する場所がわからなくなるため忌避剤として機能する代物であるため殺虫効果はないし、ホタルは吸血を行わない生き物なので当然効果もないのだ。

よく勘違いされがちなのだが虫避けスプレーと〇〇いなくなるスプレーは成分がまったく違う。後者は殺虫剤でありその有効成分はピレスロイドなのでこれは絶対にダメだ。即効性がある上に水に溶けやすいのでテロ行為に等しい。くれぐれも止めて差し上げよう。

かゆみ止め

虫刺されがイヤな人や我慢できない人はこれも持って行こう。ムヒとかウナとか家に常備してあるものでかまわない。実際に使うことがなくとも心理的安心感は得られるかもしれない。

どちらかというと小さい子どものいる家族連れの人などが持っている印象。筆者はダメージ上等なんで持って行っていません。

エチケット(マナー)

基本ルール

ホタルの撮影でエチケットとされるのは以下の通り。大体どこのサイトを見ても書いてあるし、常識で考えればわかることだが、一応確認しておこう。

・ホタルを捕まえない
・ホタルの棲息地を踏み荒らさない
・懐中電灯やカメラのフラッシュなど強い光はNG
・大きな音も出さない(ホタルは音にも敏感なため)
・蚊がいなくなるスプレーは厳禁
・ゴミは持ち帰ること


ホタルの生息地では照明は消す

ホタルは光を放つ虫だが自身は明るい環境を嫌う。ミミズやGと同じく負の走光性を持つため夜行性で、茂みなどの暗がりに多くいる。そのため懐中電灯やカメラのフラッシュで明るくすると奥に逃げてしまう。

ホタル観賞をする人は意外と知っている人が多いので、何も知らないで行くと注意されることがある。スマホやデジカメの背面液晶も人によっては嫌がるので明るくならないように工夫をしよう。

殺虫剤を使ってはならない(ダメゼッタイ)

再三の注意となるが、ホタル生息地では絶対に殺虫剤を使ってはならない。キン〇ョール使う人はさすがにいないが、蚊がいなくなるスプレーを虫よけと勘違いして使う人はいるかもしれない。小さいしソフトな印象があるためなんとなく虫避け感覚で使ってしまう人がたまにいる。

〇〇いなくなるスプレーはピレスロイド系殺虫剤で即効性がある上に水に溶けやすい。このスプレーは強力で、アクアリウム水槽のある家で〇〇いなくなるスプレーを使ったら魚やエビが全滅したとか普通にある。ホタルの生息地でこれを撒くのはテロ行為同然なので絶対にやめよう。

横浜市内でホタルが見られるスポット(筆者確認済)

ゲンジボタルは6月初旬~中旬くらいが見ごろだが、日頃の行いが良ければ今からでも逢えるかも…?
実際に母の田舎の山形県鶴岡市に帰った際(2023年8月中旬)で目視確認した例がある。
※なお筆者は(後述)

四季の森公園(横浜市緑区)

JR横浜線 中山駅より徒歩20分程度のところにある公園。湿地帯が多く、園内照明もないためホタルの好む環境が保たれている。後述のこども自然公園とならぶ有力スポットとなる。

この公園は筆者が小学生の頃に家族に連れて行ってもらった公園であるためなんとなく覚えていて、記憶を頼りに向かったら当時と同じ場所にいたのでちょっと感動している。


こども自然公園(横浜市旭区)

ここも有名スポット。神奈川県民にとって二俣川=運転免許センターのイメージしかないのだが、ホタルが見られるので光り物オタク的には重要拠点となる場所のひとつ。免許センターとは逆の南口からバスor徒歩20分のところにある。JR東戸塚駅からバスでも来られる。

ここは数あるホタルスポットでもアクセスが良く、しかもロケーションもよいので横浜市内では最有力候補になる。


久良岐公園(横浜市港南区)

京浜急行上大岡駅からバスor徒歩25分くらいのところにある公園。屛風浦駅から歩いても行ける。北口(岡村方面)から少し歩いたあたりの暗がりにいる。

上大岡という繁華街にもかかわらずホタルが見られるという意外性が好き。観光地化されていないのも良い。四季の森公園やこども自然公園と違って照明オフ等の特別の配慮はされていないが、普通に鑑賞する程度なら問題ない。


舞岡公園(横浜市戸塚区)※一敗

横浜市営地下鉄ブルーライン 舞岡駅から南に25分程度歩いて行ったところにある公園。舞岡駅一帯は市街化調整区域に指定されているため今では希少になった里山の原風景が保存されている。駅を降りるとほんのりと肥やしの匂いがする…(笑)

上記の公園に比べて里山度が一層高いため穴場になるスポット。ホタルは「ねんど川」のあたりにいる。……いるのだが、今回は天候に恵まれずホタルがあまり出なかったため断念。撮れ高が足りないためボツ記事になってしまった。


ホタル自体の生息自体は目視確認しているため条件さえ合えば撮影できるものと思われる。道幅や奥行きが狭いので広角レンズがいいだろう。これは来年再チャレンジかな。

ちなみに正規ルートだと舞岡駅から徒歩25分とアクセスがなかなか不便だが、JR東海道線 戸塚駅から明治学院大学南門行のバスに乗り、同バス停で降りて付近にある階段から尾根道を歩くショートカットが存在する。……が山道や散策路を歩き慣れている人向けとなる。

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