超タクマー55mmの良コンディション個体を入手。早速フレアで遊んでみる。
どんなレンズ?


ペンタックスがまだ旭光学工業と呼ばれていた時代のレンズで、1957年に発売されたフィルムカメラ「アサヒペンタックス」用の標準レンズ。オールドレンズの中でも特に有名で入門用に最適だ。
このレンズは後期型と呼ばれるもので以前紹介したものとは別個体になる。スーパータクマーは古いレンズ故に個体差があり、コンディションの差はもちろん、フレアの出やすさもそれぞれ個性があるようで、これはそのフレアが出やすい個体になる。割と高かった‥‥。

白黒スーパータクマーのショット。なぜか2個揃ってしまった‥‥。
こちらのシルバーの方は一度分解して白磨きした個体になる。サンドペーパーで表面のブラックアルマイトを剥離しコンパウンドで磨いたものになるようだ。これも後期型で、このレンズについてはこちらで使用感をレビューしている。
ポケモンでいうなら3V個体と色違い個体みたいな感じになるか。
撮影機材


ニコンZ7に装着したところ。やはりブラックの方が違和感が少なくスパルタンでカッコイイ。Z7(2018年発売)に対して後期55mm(1965年)なので年の差53歳の組み合わせである。
こんなでも普通に撮影できてしまうのでカメラはあらためて懐の深い趣味だと実感する。
このレンズで撮った写真
今回は京急蒲田駅~平和島駅を散歩してみた。いつもの遷移地帯の落ち着く風景だ。
実はこの写真と記事は去年(2024年)に撮影したもので、出すタイミングを逃してしまってお蔵入りしてしまったものになる。季節が巡ってきたのでそろそろいいかなということで再利用してみた次第。
京急蒲田駅周辺




前回同様、京急蒲田駅からスタート。そのまま京浜蒲田商店街(あすと)を通って交差点まで出てみる。このあたりは普通に絞って撮っているが、高画素機のZ7でも十分な解像度を得られるようだ。
前の白磨きの個体がここまで追い込めなかったのだが、こちらはキッチリピントが合う状態まで追い込むことができた。やはり個体差は存在するようだ。相当古いものなのでコンディションの差もあるようだ。



商店街を出て品川方面へ。東邦医大通りを北に向かって歩いていく。F1.8の絞り開放で撮っているが、この時点でうっすらフレアは現れている。


印象に残ったのが路地裏の写真。この写真を撮ったのは6月中旬頃の昼の長い時間帯で、日没後の余韻と電柱が趣深い。ここは1枚目の方が好きかな。




そんなわけで日も暮れた。空のインディゴと街並みの漆黒のコントラストが一日の終わりを告げる。
梅屋敷駅周辺








梅屋敷通り。全長400mほどの商店街で古き良き街並みといった雰囲気を残す。大田区にはこの手の商店街が数多く存在しており、巡ってみると楽しい。
この左下の写真は会心の一枚で、幌のストライプとレンズのフレア、ボケがいい感じに噛み合った写真と思う。構図もこの位置がベストで、同じ場所でリトライをしてもこれは撮れないだろう。





そんなわけで梅屋敷駅までたどり着いた。駅舎がかなり新しくなっていて各駅停車駅には見えない。これは京急蒲田駅の高架化工事に伴って新しくなったもので、2010年に上り線が、2012年に下り線が高架化した。
それまでは通常の地上駅で、ホームは4両編成用の短いものだったので6両編成の800系などが停車する場合はドアカット(停車時に開かない車両がある)が実施されていた。箱根駅伝で踏切待ちが発生していた時代だが、筆者的には割とまだ記憶に新しい。
なお地名の由来については、風邪薬の販売と梅見のついでに茶店で一休みできる商家があり、梅屋敷と呼ばれ盛況であった。その名称から取ったといわれている。




フレア練習中。立ち位置によってフレアの輪郭の大きさと場所が変わるので意のままにコントロールするのが難しい。
C-PLで偏向具合を調整したり、クロスフィルターでクロスの方向性を調整したりするのと似ていて、要素がひとつ増えるため結構忙しく、なかなか処理能力を使う。
入手方法
ガチのオールドレンズであり、今から60年前の代物のため入手方法は当然ながら中古のみ。中古カメラ屋などで大抵入手ができる。
コンディションのよいレストア個体やフレアがはっきり出る個体は、専門の業者がヤフオクやメルカリなどに出品してくれることがある。そこを狙うと吟味がしやすい。ただしそれなりに競りは入るので通常個体よりも高めになってしまうかもしれない。
またスーパータクマーはM42マウントのため、使うにはマウントアダプターが必要になる。今回使ったのはこの焦点工房製のものとなる。
まとめ
今回は撮り歩いた感じだと前回よりもレンズの解像度がいい気がする。前に使った白磨きの個体だとZ7で使った場合絞っても解像しきれない状況があったのだが、こちらの個体は問題なく解像しきれるので、組付け精度がよかったのかもしれない。
スーパータクマーというかオールドレンズは割と個体差が激しいので、なるべくコンディションのいい個体を手元に置いておきたいところ。できれば信頼できる販売者によるレストア個体を引いた方が楽しめるかもしれない。
そんなわけで平和島方面に歩いていく。続きは後ほど。
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