前回に引き続き、みなとみらいを散策しながら超広角レンズをテスト。
撮影機材
前回同様ペンタックスK-3 MarkIIIに ラオウ ラオワ12mm F2.8を装着。この組み合わせはデザイン的にかっこよく、しかも純正レンズでは手の届きにくいところを補完してくれるので実用性も優れている。
素晴らしい点ははじめからKマウント用なのでマウントアダプタは不要で、無限遠が無限遠としてキッチリ合うためオーバーインフにならないこと。これは本当に素晴らしい。我が焦点に一片の悔いなし。
このレンズで撮った写真
前回に引き続きみなとみらいを散策。色温度は少し上げて6500K、カスタムイメージは「鮮やか」で撮っている。
臨港パーク
みなとみらいは公園が割と多い。臨港パークはパシフィコ横浜の裏手にある公園で、夏には花火大会の会場になることもある。以前VILTROX33mm F1.4で撮りに来た場所だ。
今回は石畳や階段、正面構図などの歪曲収差が目立ちやすい構図を意識して多めに撮っているが、見ての通りフラットとで歪みは見られない。いずれも絞り開放で撮ったものだが、1枚目・2枚目の芝生も四隅に至るまで解像度を保っている。
ぷかりさん橋
一段絞ってF4で撮っている。冬季だからかライトアップがなされており、ゲーミングぷかり桟橋。
100mm F2.8 x2マクロでも書いたことだが、ラオワはかなり色乗りが良い。眠さは皆無でかなりパンチのある色が出る。
パシフィコ横浜
パシフィコ横浜(ペディストリアンデッキ)。臨港パークへの往来はこれを使うと比較的楽。一方の新高島方面だと駅までかなり遠くなる。OKストアがあるけど。
この辺は色温度6500Kのまま撮っており戻し忘れている。……が、以前 SIGMA 40mm F1.4 Art で撮った時のように夜景撮影は暖色で撮るのもあり。秋冬は電球色のLEDもちらほら見かけるので相性も悪くない。
クイーンズスクエア
そのまま建物屋内に入ったところ。ここで6500Kになっているのに気付いたが、パンプキンイエローの色味はなかなかゴージャスで悪くなく、このまま撮って行くことになった。カスタムイメージも「風景」ままで 「Gold」 ではない。
注目すべきは四隅でやはり周辺減光がほぼない。4枚目のタイルの写真も線の不自然な歪みはみられない。APS-C機でも十分超広角レンズの画角になる上に、レンズの大きさもそこそこコンパクトなので、あえてコチラメインで運用するのも全然あり。
クイーンズスクエアは最下層がみなとみらい線・みなとみらい駅になっており、1階まで超長いエスカレーターで行き来することができる。その高低差は結構なもので17.7mもある。
コンコース(乗り場)から上階まで吹き抜け構造になっているのだが、このレンズだとそっくりそのまま画角にスッポリ入ってしまう。実際やってみるとわかるがこの絵はスマホでは入りきらない。
栄本町線
1枚目のナトリウムランプにハロが出ている。このような高感度撮影をしていると仕方ない面はあるが、超広角レンズゆえ入りやすいかもしれない。
まとめ
アルミ鏡胴の古典的なマニュアルレンズでありながら、写りはかなり今風なレンズ。APS-C機で扱う場合は換算18mmと本来の画角にリミットがかかるものの、この画角でも十分超広角レンズの域だし、周辺減光がないメリットを享受できる。
サイズもそこまで大きくないので取り回しも良好。K-3 IIIに付けるとなんちゃってリミテッドレンズっぽい見た目にもなるし損している感は皆無。オーバーインフもなく撮影は快適そのもの。
超広角レンズは各社から発売しているが、ペンタックス用としてはこのレンズが最強装備候補になるかもしれない。そこそこの大きさかつ他マウントに使いまわせるのはユニークポイントか。
関連商品
ペンタックスAPS-C機の最強装備候補をいくつか紹介。これ買うとレンズ沼から卒業できます。
……リミテッドレンズに手を出さなければ。
広角ズーム:HD PENTAX-DA★11-18mm F2.8ED DC AW
ペンタックス純正の超広角レンズ。換算画角で大体16~27mmくらいをカバー。焦点距離の11-18という数字がティーンエイジャーっぽくてちょっとまぶしい。
2019年製とペンタックスとしては最新レンズで、重量750gとこの手の超広角ズームレンズではコンパクト。フィルター(82mm)が使えるのがメリットで、絞り開放でもフリンジも出にくい…と軒並み高性能。
問題は価格と汎用性で、ペンタックスAPS-C機専用規格というなかなかコアな用途になっている。歪曲収差とコマ収差は多少出るようだ。
標準ズーム:SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM
これはAPS-C機用のレンズで、換算27~52.5mmくらいをカバーする。やはり焦点距離の18-35という数字が若者っぽくてちょっとまぶしいレンズ。
このレンズの特徴はF1.8という明るさにある。F2.8ではない。F1.8だ。早い話か28mm,35mm, 50mmの単焦点レンズが悪魔合体したようなもので、しかもシームレスに使えるので異次元に使いやすい。画質も悪くなく、特に中心は単焦点と互角以上の解像度を叩き出す。
単焦点並のズームレンズというより、なぜかズームできてしまう単焦点レンズという感じ。広角側のラインナップが弱いペンタックスの場合、28mmの画角で一番明るいレンズは純正単焦点を差し置いてコレだったりする。
メーカー廃盤だが中古品はそこそこ流通している。そしてサードパーティなので手ごろで求めやすい。
ポートレート:smc PENTAX-DA★55mmF1.4ED SDM
換算画角でほぼ85mmとなるポートレート用レンズ。設計が2009年とやや古めだが多くのサイトで絶賛されている。FAリミテッドの絞り開放はふわふわだが、こちらは開放から高い解像度と切れ味が特徴。
エアロブライトコーティングという、どっかの鳥ポケモンの必殺技みたいな仕上げがされているが、ニュアンス的には大体合っている。弱点としてはゴーストがやや出やすい点とAFが遅い点。前者は撮り方でカバーできるし味でもある。後者はペンタックスなので……。
ちなみにAPS-C専用とうたっているがフルサイズ機でも使えるレンズとしても知られる。割とコンパクトなのと、55mm F1.4というスペックからK-1に合わせたくなるが、周辺や四隅は流れてしまうようだ。
望遠マクロ:HD PENTAX-D FA マクロ 100mm F2.8ED AW
ペンタックス名物の100mmマクロ。このレンズはフルサイズ機でも使用可能で、APS-C機に用いると換算150mmという中望遠レンズの域となる。ワーキングディスタンスを稼げる上にペンタはボディ内手振れ補正があるので手持ち撮影でも使いやすい。
アルミ鏡胴、小型コンパクト設計とリミテッドレンズのような見た目をしており、簡易防滴構造になっているため便利。鏡胴が伸びるタイプのレンズだが、フードを付けていると隠れるためカッコ悪くならないのはうれしいところ。
見た目こそは変わっていないが、他のHD化したレンズと違ってこのレンズは光学設計が一新されており、パープルフリンジが出にくくなった。AFは遅いがMFが使いやすいためあまり問題はない。
リンク
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