TTArtisan三兄弟の末弟。掲載写真がちょっと多すぎたかも…。
スペック
焦点距離 | 50mm(換算75mm) | レンズ構成 | 7枚5群 |
最小絞り | F1.2 | 絞り羽根枚数 | 10枚(非円形絞り) |
最大絞り | F16 | 寸法 | 62×55mm |
最短撮影距離 | 50cm | 重量 | 360g |
フォーマット | APS-C専用 | フィルター径 | 52mm |
どんなレンズ?
TTArtisan三兄弟の三男。F1.2というかなりのハイスピードレンズ。名目50mmだがAPS-C換算で75mm相当の画角となるため、実質的にはポートレート用レンズとなる。
長男17mm、次男35mmよりもF値が明るい分、かなりマッシブになった。重さもコンパクトな見た目に反してズッシリとしたもので、いかにもガラス玉の塊、古き良きレンズといった感じで俄然期待が高まる。
ニコン ZFCに装着
見た目的にはベストマッチ。ボディとレンズの大きさはピッタリで、L字グリップを付けている状態だとなかなかマッシブで力強い印象がある。これはカッコイイ。
ただしレンズに対してボディ側の方が軽い為(ボディがマグネシウム合金なのに対してレンズはアルミ製)自立せずお辞儀してしまう。その意味ではボディ側が負けている。モデルガンみたいにウェイトを仕込みたくなる(笑)
入手方法(2023.4)
新品で入手可能。家電量販店は売ってないことが多いのでAmazonや楽天、Yahooなどで探した方が確実。中古品もそこそこ見かける。
なんなら17mm 35mmも合わせて3本セットも売っている。 この売り方はいつ見ても豪快で笑うw
アリエクやPergear公式でも入手できる。中古品もそこそこ流通しており、中古屋、メルカリヤフオクでも割と見かける。
ただしいずれもフードが付かないため汎用品を付けることになる。シルバーを探している人はこちら。
このレンズで撮った写真
山下公園
ランボー怒りの休日出勤 in 山下公園。休憩時間に抜け出してサクッと撮ってきたものになる。土曜日ということもあって人通りが多く非常に賑やかだった。
大桟橋にはあのダイヤモンドプリセンス号が停泊しており、時の移ろいを感じてちょっぴりセンチメンタルに。
しかし休日の山下公園を作業着で散歩するのはどう考えても違和感があった。この格好で「いっちょ撮影にしゃれこむか~」とはならんやろ。迫真の形相で撮っている姿はもはや業界関係の人にしか見えない。造園業者の人かな?
大口径レンズの世界
F値が小さくボケが大きいので被写界深度に差をつけた構図に向いている。このような人通りの多いシチュエーションでも、ボカして背景として利用できるのでブログ的には都合がいい。
このレンズは通常通りのポートレート(人物撮影)用途としても勿論使える。APS-C換算75mmとなるためフルサイズ用85mmとほぼ同じ感覚で使っていける。
ミラーレスのEVFで便利だと思ったのは、露出(明るさ)のみならずボケ量もあらかじめわかること。ワクワクはちょっと減ってしまうが、歩留まりは上がるのでこうした時間のない時は便利。
今回はF1.2を使う場面が意外にも少なかった。Zfcの最速シャッターの1/4000でも露出オーバーしてしまうため、背景の氷川丸やダイプリがほぼ溶けてなくなってしまうためで、実際はF1.8~2.8くらいで撮ることが多かった。
ただし元がF1.2レンズなので「絞ったときの画質向上」の恩恵はそこそこ受けられる。解像度は実用程度改善されるしパープルフリンジも気にならない程度まで低減される(自転車の写真は少し出てしまっているが)。
ガーデンネックレス横浜2023
山下公園では毎年がガーデニングフェアを開催しており、市内造園業者が腕を競っている。花撮りにはもってこいのイベントで、広角、標準、マクロとどの画角のレンズを持って行っても楽しめる。
このレンズは他のTTArtisanのレンズに比べて色乗りがいい気がする。撮影していて色乗りの悪さを感じるシーンがあまりなかった。その意味では花撮りに向いているかもしれない。
冒頭で作業着で撮って回った姿が業者にしか見えないという話をしたが、案の定「よければ撮ってくれませんか~」とカップルとファミリー、おばさん集団に捕まってしまった(3敗)
もう絶対間違えられてるだろコレ。
いつもなら割とうれしいのだけど今日に限ってはタァイムがロスになるので勘弁してほしかった…。
絞った時の描写
F1.2ということもあってむやみに開放付近で使いたくなるが、絞ると前述の通りかなりしっかりした絵になる。
フォーカスブリージング
F1.2とボケが大きいからかフォーカスブリージングはある。ピントの具合によって微妙な画角変動はあるので立ち位置や構えなので対応したい。
クリティカルヒット
このレンズではたまにクリティカルヒット(会心の一撃)が出る。PENTAX FA31mm F1.8で撮った時などに稀に起こる、何気なく撮った写真がバカによく見えるあの現象だ。前ボケ後ろボケを作りつつ被写体ガチピンという構図はこのレンズは狙える。
写したいところのみがテクスチャを保ったまま周囲がいい感じにボケて、澄んだ空気感や浮き出るような立体感を感じる写真が個人的には好きなのだが、このレンズはたまにそんな写真が撮れる。なかなか狙って出せないけど。
立体感についてはフルサイズ用のTTArtisan 50mm F2 を使ったときも感じたことで、このレンズは中心部分と周辺付近の解像度の落差が大きいからか猶更それを感じやすい。MFフォーカスによる満足感やプラシーボも多少あるかもしれないが。
まとめ
他のTTArtisanのレンズと同じくオールドライクな写りをする。F1.2開放での解像度が低くてゆるゆる画質になる。また画角や用途からパープルフリンジが出やすい。
ただしこの価格でF1.2の明るさとボケを使えるのは驚くべきことで、加えてマニュアルフォーカスでガチャガチャ遊べるためお値段以上のお得感がある。
ZfcはMFと絞りリング操作したくなるカメラだが、ニコン純正のZマウントレンズは基本的にAFかつ絞りリングがないので、その意味でもZfcとは補完関係となり相性が良い。こまけえこたぁいいんだよ!ってお試しで一度体感してみるのはあり。
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