【レビュー】SIGMA 40mm F1.4 DG HSM Art ①川崎駅前

※ 当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。
ニコン

それは40mmと言うにはあまりにも大きすぎた。大きく、ぶ厚く、重く、そして高画質すぎた。

スペック

焦点距離 40mm レンズ構成 12群16枚
最小絞り F1.4. 絞り羽根枚数 9枚(円形絞り)
最大絞り F16 寸法 約87.8mm×131mm
最短撮影距離 40cm 重量 約1200g
マウント ニコンFマウント フィルター径 82mm
フォーマット フルサイズ オススメ度 ★★★★☆(4.5)

 

どんなレンズ?

シグマの誇るArtラインのうち、標準画角にあたる40mmをカバーするレンズ。

もとはシネレンズという動画カメラ用のレンズの光学設計を流用したレンズで、絞り開放から周辺まで解像するのが特徴。各収差も徹底的に補正されており、おそらくFマウントの標準レンズとしてはきわめて高い画質を叩き出す。


Artレンズ中のArtレンズであり、12群16枚、異常分散ガラス3枚、特殊低分散ガラス3枚というガチすぎるレンズ構成にした結果、ミラーレス機の最新レンズすら敵わない化け物レンズに仕上がってしまった。

反面大きさと重さの方も凄まじく、重量1200gと従来の40mmのイメージからはかけ離れた大砲レンズになっている。似た焦点距離の35mm F1.4が645gなので、軽く2倍弱の重さがある本レンズがいかに規格外の存在かを物語る。

MTF曲線

このサイトのMTF曲線を見てくれ。こいつをどう思う?


すごく……excellentです……

このレンズのMTF曲線はシグマ公式サイトで見ることができる。横軸15mm地点で0.96以上(10本)、0.85以上(30本)という冗談としか思えないとんでもない数値になっている。割と辛口な海外フォーラムでも画質面はきわめて高評価のようだ。…画質面は。

もしAPS-Cでこのレンズを使おうものならケチの付けようもない写真が撮れるだろう。

ニコン D800に装着

そんなわけで満を持してニコンD800に装着。付けた見た感じは意外とアリ。105mmや135mmなどの中望遠単焦点くらいのサイズ感でなかなか様になっている。この組み合わせの重さは約2100gとヘビー級になるが、重心は良好で取り回しやすい。

なおこのD800への着用写真は原色CCDセンサーでおなじみのD200で撮っている。なかなかいい感じに撮れていて様になっている。

D200では使用不可

せっかくのFマウントレンズなのでそのD200に合わせたくなるのだが、残念ながらD200では使用することができない。

ニコン純正でいうEタイプ準拠(電磁絞り)のレンズとなるため、絞りレバーを備えておえらずD200では使えない。マウント装着はできるが最少絞りになってしまうためまともに撮影はできない。これは超残念。

入手方法

現行品なので家電量販店などで普通に入手可能。実は35mm F1.4 HSM Artとさほど価格差がないので、重さや大きさが気にならないなら迷ったらこちらを購入してしまうのもあり。もちろん両方購入してもOK。

2018年製と一眼レフ機末期のレンズであるが、その大きさから持て余すことが多かったのか、またはミラーレス機への移行したこともあって、中古屋やオークションでもそこそこ見かける。

このレンズで撮った写真

川崎駅西口

まずはシャッターを撮って収差チェック。当然歪みねぇ写りで感心。

いくつか駅周辺のカットを撮ってみると、その巨大な鏡胴に違わず凄まじい写りをする。中心の解像度もさることながら周辺まで均一に画質を保っており、とても絞り開放で撮った画質とは思えない。


ボケもいい感じっぽい。後でもう少し試してみることにする。


なんか好きな一枚。この道を真っ直ぐ往けば大人の世界にたどり着く。

立川の駅近くにもこんな感じの場所がある。いかにも遷移地帯って感じがして好き。

川崎駅東口

名画通り商店街。ラチッタデッラから一本入ったところにある通り。電球色の明かりが灯る一見お洒落な場所だが、よく見るとはがれたタイルやシャッターが退廃的な雰囲気を醸し出していて、なんとも川崎らしくて好きな場所だ。


今日の1枚(3枚)。なんとも筆舌し難い卓越した写りをする。画質がすごすぎてこれを表現できる適切な言葉が見つからない…。

ポイントは周辺減光かな。周辺まで解像していながら光量だけ落ちているというあまり見ない絵になる。被写界深度が合っている部分が点ではなく一列線で全部合っている。3枚目右の椅子がほぼディティールを保っているのはすごい。

京急川崎駅周辺

京急川崎駅方面に移動。銀柳街は人が多すぎるのでこちらの方が落ち着いていて好きだったり。

どぶろく横丁

京急川崎駅近く、駅前本町のあたりを歩いているとなにやら「おなじみ」と書かれた怪しい看板が。


路地裏に入ると電球が爛然と輝く空間に出る。このレンズは解像度や周辺画質の良さが注目されがちだが、ボケも柔らかく美しい。その場の風景をありのまま空気ごと切り取ることができる。


まるで映画のセットのような浮世離れした景色が広がる。このディープな雰囲気、現実感のなさはなかなか凄くて、惜しまれながら閉店した「ウェアハウス川崎店」に引けを取らない。前に撮りに行ったのんのだけどHDDがお亡くなりになってしまった…。

この「おなじみ」は地元民では割と有名な焼肉屋さんで昔ながらのお店。前職の先輩と一度行ったことがあり、お手頃で美味しかった。向かいにある「三好園」も同じく焼き肉屋さんなのだが、この日は残念ながらやっていなかった。

こういう風景はなかなか貴重で、しばらく来ないと再開発でなくなっていたりするので撮れるときに収めておくに限る。ウェアハウス川崎店は本当かなり残念だった。

このレンズで撮影して気付いたこと

最強の夜景スナップレンズ

このレンズの絞り開放画質は同じArtレンズの35mm F1.4 や50mm F1.4のさらに上を行く。色収差は完全に抑えられていてパープルフリンジは発生せず、周辺や四隅も崩れない。歪曲収差はわずかにあるらしいがほぼわからないレベル。

単焦点1本着けっぱなしでスナップ撮影する人にはおすすめ。デカいという欠点はレンズを交換するつもりがなければあまり気にならず、重さも人並みの体力があれば気にならない。一眼レフ機で夜景スナップを取る場合、単純に画質だけを考えればこのレンズが最強になる。

唯一周辺減光はそれなりにあるが、上記の通り解像度は落ちないため「周辺までくっきり写っているのに光の濃淡は出る」というある種異様な写りになる。

必殺のハンドキャノン

その小ささからどこでも持っていけるリコーGRシリーズが最強のスナップシューターなら、こちらは最強火力の決戦兵器といったところ。この標準レンズ離れした大きさと質量はもはやレンズ界のデザートイーグルである。家から持ち出せたら勝利確定。

40mmという画角を理解して、撮れるもの・撮れないものをその場で把握できる人が使えば通常攻撃がすべて必殺技になる最強のレンズになるだろう。逆にそれができない人だとデカいし重いし撮れないしの三重苦で防湿庫のベンチウォーマーになること請け合い。

その意味では人を選ぶレンズで、また旅行に持って行くのは覚悟が必要になるレンズだ。日常風景を切り取るスナップレンズとして起用した方がまだ使いやすいかもしれない。こんな魔王みたいなレンズでスナップ写真撮るのもどうかと思うが。

まとめ

解放から周辺まで解像し、各種収差も発生しないという驚異のレンズ。夜景スナップでは最強のレンズとなるだろう。サジタルコマフレアも出ないため星景撮影でも活躍できる。

さしずめFマウント版 NIKKOR Z 50mm f/1.2 S といったところで、中古購入品なので本家のほぼ1/5くらい価格で入手しているが十分すぎる性能だ。こちらは40mmと少し短いのでよりシャッタースピードを稼げるし、Fマウントでも使いまわせる汎用性がメリットとなる。

多少重いがZ 50mm F1.2が1090g、こちらはFTZ込みで1345gなのでそこまで差があるわけでもない。105mm F1.4とか70-200 F2.8よりは全然マシで、画角的にも取り回しやすいのであまり気にならない。

関連商品

実はタムロンでも最強レンズは出していた。真打ちはいつも遅れてやってくる。

SP 35mm F/1.4 Di USD (F045)

2019年。シグマから遅れること7年、タムロンもついに最強の35mmを完成させた。タムロンのSPシリーズ40周年モデルということもあってメーカーの威信を賭けたレンズであり、一眼レフ機時代のトリを飾るのにふさわしいレンズだ。

最後発ということもあってさすがに気合が入っており、ニコンキヤノンの純正はもとよりシグマ35mm F1.4すらも上回る描写性能を誇り、この記事で紹介しているシグマ40mm F1.4に肉薄する程だ。色も暖色寄りかつボケが綺麗なのでニコン機によく合う。

しかもシグマ40mm F1.4と違って35mmという慣れた画角で、重さも805gとこのレンズの2/3程度の大きさなのでとても使いやすい。

電磁絞りのためD200やD80には使用不可

惜しむらくはシグマ40mm F1.4と同じく電磁絞りとなっており、絞り連動レバーがないためD200やD80といったオールドデジカメでは使用することができない点。こうした用途はこの記事で紹介しているシグマ35mmを使おう。使わないならこのタムロン35mmがいい。

このシグマ40mm F1.4(2018年)や、Opera50mm F1.4(2018年)にも言えるが、一眼レフカメラ末期のレンズはマイナーだが超絶性能のレンズが多く出ている。ハード末期になると名作ゲームが量産される「星のカービィ現象」にちょっと似ている。

リンク

シグマ40mm関連の記事のリンクはコチラから↓

コメント

タイトルとURLをコピーしました