今度はZ7でガチャガチャ遊んでみる回。
FTZの致命的欠点
ニコンのFTZはFマウントレンズをZマウントに変換してくれるマウントアダプターで、電子接点を備えているのでEXIF情報の伝達やAF動作も行ってくれるスグレモノ。blueもFマウントレンズをこれでもかと使いまわしている。
Ai-s NikkorからSタイプ、Dタイプ、Gタイプ、果てはタムロンシグマらサードパーティに至るまで手広くサポートしてくれる庶民の味方FTZくんだが、しかしこの子にはある致命的な欠点が存在する。
三脚座が出っ張っているため、Z7にしろZfcにしろ、そのまま平置きすることができないのだ。これはものすごくいただけない。普通にダサいし実用上も不便なのでとても使う気が起こらなくなる。
じゃあFTZを売って三脚座のない後継品のFTZ2買えばいいじゃんと思うが、先発品のFTZを既に買ってしまっている人が多くて、たかだかマウントアダプターに3万も出して買い直したくないって人は多いと思われる。「これなんとかしてFTZ使えないかな」というのが今回のテーマ。
SmallRig エクステンショングリップ
ひとつはエクステンショングリップを付けてしまう方法がある。SmallRigは様々なモデルにグリップを出しているブランド。中華製だがJJCやHaogeと同じくそれなりに信頼のおけるメーカーとなる。
これはZ7用のグリップで、アルミ合金製によりしっかり作られている。Z7II、Z6、Z6II、Z5あたりとも共用できるとのこと。
取り付けたところ。右側のサイドプレートで端子部カバーの部分も保護される。後述するが、グリップ本体とサイドプレートは共にアルカスイス互換となっており、アルカスイス製雲台をクリップオンで付けられるため縦位置の三脚撮影も捗る。
右側のサイドプレートは取り外すこともできる。三脚を使う予定がない場合などは外してグリップ本体のみ使うと常用しやすい。blueは普段はこの形態で運用している。
エクステンショングリップを付けると底部の高さが、カメラ本体>FTZ となるため、これでカメラを平置きできるようになる。しかし段差があるため今度はFtzが宙に浮いてしまう形となり、なんか美しくないなと一見思うがこれには理由がある。
これは、さっき言ったアルカスイス互換を確保するためのクリアランスを設けるためである。モデルガンでいうピカティニー規格のアンダーレールマウントのようになっており、ここに三脚座をスライドさせて差し込む方式になっている。
ここがツライチだとアルカスイス雲台を差せなくなってしまいます。だから段差を設ける必要があったんですね。
参考までにこちらはZfc用。こちらはFtzの高さと本体の高さがほぼツライチになっているので、カメラを平置きできる上に美観も優れている。ただしFtzの三脚座がアンダーレールを塞いで干渉してしまうため、アルカスイス雲台を差し込むことができない。
この場合はFtz2が必要になってくるが、もっとも三脚を使わない場合は問題ない。そもそもZマウント用レンズを使えば解決できるのであまりデメリットはない。
ハーフケース(ノーブランド)
この食パンの耳みたいのはZ7用のハーフケースで、エクステンショングリップと同じく下から履かせて三脚座のビスで固定することで取り付ける。
これは先ほどのSmallRigのものより先に、お試しで入手したものでPU(人工皮革)で造られている。ものとしては安物だが間に合わせなので問題ない。やる気がない割に結構重宝している。
安物であるが機能的には十分で、バッテリー交換も行えるので基本付けっぱなしにしておいても問題ない。色もブラウンやキャメル(写真)などがあるのでイメチェンも楽しめる。
ただしZ7はすでにグリップの厚みがあるので、ハーフケースだとさらに厚さが増すため手が大きい人でないと少々太すぎるかもしれない。
本革製ハーフケース
さっきのPU(人工皮革)がイマイチならちゃんと本革製のものもある。このうちGarizはX-T4用のものを所持しているが悪くない。TP OriginalやLIM’S (リムズ)も品質に定評がある。
いずれもグリップが太くなるため手が大きい人向けになるが、黒一色のZ7を上記のようにイメチェンできるのは魅力的か。FTZのデッパリ部分の段差ももちろん解消する。
FTZのメリット
FTZはFTZ2が出てからいらない子みたいになっているが実際はそんなことはない。上記の通りエクステグリップやハーフケースで上げ底すれば不満はおおよそ解決する。不人気ゆえに中古在庫が安いというメリットもあるので重いレンズが多い人はコチラがおすすめ。
AF-S NIKKOR 24-70 F2.8Gのように全長の長いレンズや、AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f2.8Gみたいな直径がふとましいレンズを使うときは強度的にこちらの方が安定する。レンズの太さや長さのおかげでFTZのデッパリの存在感があまり気にならない。
FTZ2はAF-S 50mm F1.8Gのような軽いレンズや、AF-S DX Nikkor 35mm F1.8Gのような全長の短いGタイプレンズと相性が良い。軽いGタイプ単焦点をたくさん持っている人、まだFTZを買わなかった人、デッパリがどうしてもイヤだという人は導入してもいいかも。
焦点工房
昔のAi-s NikkorなどMFレンズを使うならデザイン的にこれがオススメ。焦点工房やK&F Conceptのマウントアダプターは真鍮製でやや重たいが、頑丈だし手元重心になるので思ったよりも扱いやすい。
ニコンは今度フルサイズのZfc(仮称:Zf)を出すんならこのデザインのFTZ出せばいいのに。この見た目でモーター非搭載のDタイプレンズでAFが使えるようになるやつとか出たらバカ売れすると思う。
まとめ
ニコンD200とZ7(Smallrig エクステグリップ仕様)のショット。
FTZ対策で忘れがちだが、このパーツは「エクステンショングリップ」なので高さを増して握りやすくするのが本来の趣旨である。これを付けると横幅や本体の高さがFマウント時代の中級機(D80,D90、あるいはD600,D610,D750,D780あたり)の感じに近くなる。
小指でカメラ本体を支えることができるのと、手が大きい人は指の感覚を広げることもできるので取り回しやすくなる。見た目的にもZ7.5みたいな気分を味わえるのでなかなかオススメ。
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