オールドデジカメに片足突っ込みつつある往年の名機・D200についてレビュー
どんなカメラ?
2005年12月発売のAPS-Cフォーマットのデジタル一眼レフカメラ。フラッグシップ機の一段下のハイアマチュア機の系譜でD100から数えて2代目となる。
オールドデジカメとして今なお語られることのある名機で、最大の特徴はCCDセンサーを搭載していること。高級機ゆえの確かな作りの良さと、現行機種とは一味違う鮮やかな写りをすることから人気が再燃しているらしい。
ちなみにハイアマチュア機の系譜はD300⇒D300s⇒D700⇒D800⇒D810⇒D850⇒Z8 となる。節目としてはD300(2007年)でCMOSセンサー採用、D700(2008年)でフルサイズ規格移行、D800(2012年)で3630万画素達成、Z8(2023年)で満を持したZマウント以降となる。
ちなみに弟分にはD80(2006年)がおり、blueが初めて入手した一眼レフカメラとなる。こちらのカメラで撮った写真はコチラ。
ディティール
まさに一眼レフカメラそのものという風体。ハイアマチュア機にふさわしい威風堂々とした佇まいは写欲を掻き立てる。
18年前のカメラだがすでに基本デザインは完成されていて、2023年現行機のZ8と比べてもさほど大きな違いは見られない。ボディはマグネシウム合金で造られた堅牢なもので、防水防滴も抜かりなし。
レンズはナノクリスタルコートの施された高級単焦点のAF Nikkor 24mm F1.4Gを装着。D200ならレンズにボディが負けることもない。
入手方法
2005年発売ということで当然絶版品になるため中古品のみ。最近人気が再燃しているが玉数がそこそこ多いため入手は比較的容易。探せば美品も見つかり2万くらいで買える。
ちなみにニコン機でCCDセンサーを搭載したものは複数あり、詳しくはここで紹介している。
軍艦部・背面
背面のボタン、軍艦部のダイヤル部は現行のニコン機に通じるものがある。事実上のFマウントカメラの完成形であるD850、Zマウントの後継機となるZ8も基本的なデザインや様式は変わっておらず、18年前ですでにハードウェアやプロダクトとして完成していることがわかる。
ただし18年経っていると若干機能や操作体系が違っているものがある。翌年発売のD80でほぼ現在の形になったので、D200独自の体系といった方がいいかもしれない。
D200の良い点
三つ葉ボタン
ニコン上級機の証である三つ葉ボタン。現在はこれにブラケットボタンが追加されて四つ葉ボタンとなっている。使い方はボタンを押しながらメインコマンドダイヤル・サブコマンドダイヤルを回すとメニューや数値を選択できるというもの。
中級機ユーザーや他メーカーユーザーは使い方がわからないこと請け合いで、家電量販店で触ると使い方がわからなくてとっつくにくく敬遠されがちだが、慣れるとWBやISOをメニュー画面を介することなく設定できるので非常に便利。
現代のデジカメで当たり前になっているかカスタムボタンの先駆けのような感じ。
慣れ過ぎたあまり通常ダイヤルのZ7は若干困ることになった。D850⇒Z7はどう見てもカメラの格が同じではなかったが、丸目ファインダーや四つ葉ボタンがなかったことがZ9やZ8が登場する伏線だったのかと今振り返るとわかる。
機動性
ニコン機で個人的に優秀だと思っているのは以下の3点。これはD200で早々に確立している。
1.電源ボタン | この時代から起動が無茶苦茶早い。普段は電源オフで持ち歩いて 撮りたくなったらすぐ電源入れてシャッターを切れる。 副次的効果でバッテリーを節約できる。 |
2.オートフォーカス | 高感度撮影はCCDセンサーを使用している関係で弱いものの、 AF自体は暗所でもバッチリ合掌する。他のメーカーも見習うべき。 (特にペンタックスとかPENTAXとか…) |
3.ゴミ箱ボタン | 失敗した写真は雑に連打で即消去が可能。他のメーカーも見習うべき。 (特にフジとか、富士とか、Fujiとか…) |
この3つが揃うと「撮りたいときにすぐ撮れてダメな写真は即消せる」ということが可能になる。
D200が18年経過した現在でも「低感度なら使えるカメラ」といわれる理由で、撮影に必要な機能や要素はこの時点でほぼ完成されているのでストレスなく撮影ができる。
CFカードロック機構
この右下のパックマンみたいなマークのついたレバーはCFカードの開けるためのロックを解除するもので、ここを操作しないと取り出せなくなっている。防水性に考慮したものと思われるが、品質過剰と思われたのか後継機ではオミットされた機構となる。
D80はおろかD800、Z7でも搭載されていない機構なので、これも知らない人は面を食らうものと思われる。でもZ8で復活した。マジか。
微妙な点
撮影画像の拡大・縮小
背面ボタンは一見現在のニコン機と同じに見えるが、割り当てられた機能が異なっている。特に違っているのが画像再生方法で、
①再生▶ボタンを押す。 |
②再生▶ボタンを押すと四分割のサムネイル画面が現れるので、画面を選んでEnterボタンを押す。 |
③Enterボタンを押すと一枚絵の画像が見れる。画像を拡大するには三番目の市松模様のボタンを 押しながら、サブコマンドダイヤルを左右に動かすと画面の拡大縮小ができる。 |
④隣の撮影画像に移動するには、②でEnterボタンを押した後の一枚絵の状態で、 サブコマンドダイヤルを左右に動かすと前(次)の撮影画像を表示できる。 |
という感じのD2X(当時のプロ機)以前のものになっており、今のニコン機と違って+ボタン、ーボタンを雑に連打して拡大・縮小ができない。これはリアルタイムでD80を使っていたblueも知らない操作で、結構面倒くさいと思った。
まあ見えたところで背面液晶の解像度が低くてピントが合ってるのかよくわからないんだけど。弟分のD80はこの辺が改善されて現行機と同じ+ボタン、ーボタンの方式になっていて、さらに本体重量がかなり軽くなっているので使いやすい。
高感度耐性の弱さ
ISO800の時点でノイズがガッツリ乗る。これは18年前のデジカメであることを考えると仕方がない。夜景を撮りたければ三脚を使いなさい。(ギクッ!)
ただ2010年代に純正やシグマでF1.4レンズが結構出たので繁華街やマジックアワーであれば意外と粘れる。これらの高性能なFマウントレンズは、現行機がZマウントに移行したこともあって中古相場が下がっておりかなりお買い得になっている。
他にも現行機をサブ機として持って行く方法もあるので割とどうにでもなったりする。
その他規格の古さ
まあここはしょうがないかなぁ。
1.カードスロット | CFカード×1のみ。SDカードは非対応。画像コピーも不可。 (D80はSDカード×2 画像コピーも可能) |
2.バッテリー | D700、D300s以前の旧タイプのもの(EN-EL3e)で、 現行機と規格が違い使いまわし不可。メーカー廃盤だが相当品はあり。 対応する充電器も異なる(MH-18a) |
SDカードは非対応のため、CFカード持っていない人は新たに買う必要がある。当然スマホに飛ばせるような気の利いた機能も付いていないため、取り込みにはPCが必要となる。
ニコンの初号機はなぜかこうした硬派仕様で来ることが多い。昔だったからというわけでもなく、Z7もXQD×1で微妙に気が利かない。
D200 &D800
D800とのショット。この子もうちに来て長くてかれこれ10年以上現役で使っている。腕時計とかトイガンとかの静物は大体コレにタムロン旧式90mm(272E)で撮っている。「D800があればあと十年は戦える」というのはマジ。
というかD800は本当に完成度が高いので静止画メインだと大体これで事足りてしまう。夜景スナップも高感度もISO3200くらいまでなら十分撮れるし、大口径単焦点なら光量もボケ量も多いので構図と露出を整えて撮ればそれなりの絵が上がってくる。
瞳AF、動体撮影、動画作成、SNS連動など付加価値性はあるものの、のんびり風景撮影や静物撮っている感じだとこれで問題ない。中古品だと7万円くらいから見かけるので、中高生が始める最初の一台としてはこれもいい選択肢といえる。
まとめ
blueはリアルタイムで中級機のD80を使っていたが、D200は当時価格で20万円弱ととても買えなかった。このD80を手放してD800に行ったわけだが当時のD80と絵の傾向が変わったこともあり、再入手したものになる。
かつての憧れの名機も18年経った現在では手ごろな価格で楽しめるので、当時を知るユーザーは一興。最近デジカメに入門した人も現在とは一味違う写りや操作性を楽しむことができる。
実際にこのカメラで撮って歩い写真についてはコチラ。
コメント