本体について語ったところで今度は実写レビューを。
このカメラで撮った写真
元町裏通り
JR石川町駅から北に向かってしばらく歩くと元町にたどり着く。ここはショッピングストリートが有名だが一本入ったところの裏通りも趣深く、老舗のレストランやバーが立ち並ぶ。
この通りでblueが好きなところは「電線」で、望遠レンズを持ってくると圧縮効果でいい感じに写る。今回はDFA100mm F2.8を持ち出して撮ってみることにした。APS-C換算150mmなのでそこそこ巻き込める。
カスタムイメージとは
しかし望遠レンズゆえ普通に撮ってしまうと人が入り込んでしまう。そこで今回はカスタムイメージを用いて趣向を変えてみることにした。
これは色相、明度、彩度のパラメータを意図的に偏らせることで出てくる絵の雰囲気や味付けを変えるもので、富士フイルムのXシリーズにおけるフィルムシミュレーションと同様の機能になる。
今回は「銀残し」「クロスプロセス」「モノトーン」を使ってみることにした。
カスタムイメージ:銀残し
「銀残し」とはフィルムや印画紙での現像手法の一つで、 本来の銀を取り除く処理をあえて省くことによって、コントラストを高めて彩度を落とした渋い感じの仕上がりになるそうだ。blueはカラー現像やったことがないのでよくわからない…。
初代K-3にもあるカスタムイメージで前にちらっと使ったことがある。富士XシリーズでいうところのETERNA ブリーチバイアスにあたる。元町は本来ハイソな街並みであるがなのになんだか台湾の裏通りっぽい感じになってしまった…。
この辺はFA31mm F1.8で撮っている。望遠よりも圧縮効果が控えめな分見たままに近い感じになる。
見ての通り金属やコンクリートなどの無機物と相性が良く、コントラスト↑彩度↓となることで人が写り込んでもあまり気にならなくなる。曇天など退屈な写真になってしまったときにも使えそうだ。
カスタムイメージ:クロスプロセス
これはリバーサルフィルムをネガ現像の工程で、あるいはネガフィルムをリバーサル現像の工程で現像すると、色合いやコントラストに本来と異なる像が現れることを意図する手法。具体的にはカラーリバーサルフィルムをC-41現像すると得られるらしい(らしい)
ペンタックスの誇る変態機能で、初期状態だと撮るたびにランダムで色が変わるという変態すぎる設定になっている。あまりに変態すぎたのかさすがのフジもこれは実装していない。サイケでキマちゃってる感じのグラフィティ風味の写真が撮れる。
具体的には、Y(イエロー)M(マゼンダ)C(シアン)の減法混色三原色のどれかにかぶれるというもので、この3色だとシアンがお気に入りかなぁ。これだけを出せるようにも設定できるがblueは面白そうなのでそのままにしている。
カスタムイメージ:モノトーン
これはそのまんまモノトーン(モノクローム)写真になるもの。
これについてはフジXシリーズの方が細かい設定が可能で、ACROSとモノクロの2種類があり、さらにY(イエロー)、R(レッド)、G(グリーン)フィルター効果をかぶせることで都合8種類の選択が可能。しかしK-3 MarkIIIも諧調性が豊かでなかなか雰囲気が出ている。
なおペンタックスは変態なので、変態なあまりK-3 Mark III Monochromeなるブツを2023.3に発売している。文字通りモノクロしか撮れないk-3 MarkIIIで、こんなもん誰が買うのさと思いきや意外と好評らしい。
私もそうなのだが、ペンタックスはメイン機とは別にサブ機として使われるパターンも多い。こうした特化型の尖ったカメラは案外相性がいいのかもしれない。
実際オークションでは天体撮影専用(赤外写真撮影仕様)に改造されたペンタ機を見かける。これはアストロトレーサーによって赤道儀不要で撮影ができるからなのだが、ペンタックスはこういう文化があるから意外と受け入れやすいのかも。
まとめ
電線を取っていたら段々空が暗くなってきたのでそのまま夜景スナップ撮影を続行。後半へ続く。
コメント