せっかくなのでCP+に行ってきたの巻。写真はショボいのでテキスト重視な感じ。
CP+とは?


CP+とはCAMERA & PHOTO IMAGING SHOWの略で、カメラ映像機器工業会が主催する業界展示会である。2010年から年1回のペースで開催されている。
カメラ本体はもちろん、レンズやフィルター、三脚といった関連メーカーが勢揃いするイベントで、最近ではシネレンズやジンバルなどの動画用品メーカーの出展も目立っている。また国産メーカーのみならず、中国やドイツなどのメーカーや代理店の出展も見られる。
概要




終わってしまってから書くのも何ですが、一応概要を。
CP+は例年3月頃に開催をしていて、いつもは横浜・みなとみらいのパシフィコ横浜でやっている。アクセスはJR根岸線「桜木町駅」徒歩5分か、みなとみらい線「みなとみらい駅」徒歩12分だ。
一応業界関係者向けの展示会なので入場するには事前登録が必要となる。といってもかなり簡単で、入力フォームにメールアドレスを送信して、そこに送られた本登録用URLから登録をするだけだ。氏名は求められるが、住所や電話番号なども必要ない。
登録すると一般入場者用の入場証(QRコード)の印刷されたPDFがダウンロードできるので、これを紙に印刷して持って行くと入ることができる。入場料などは特にかからない。
簡易レポ
そんなわけで簡単なレポを。写真は雑なのでご了承ください。気が小さいのであんまりこういう時は入っていけないこともあり。人が見てるとあんまり写真も撮れないんですよね。
焦点工房

まず筆者が向かったのは焦点工房のブース。
ちょっと雰囲気がフードコートにあるラーメン屋っぽい(笑)
ここは筆者が愛してやまない中華レンズのブランド代理店ということになっている。TTArtisan、7Artisan(七工匠)、中一工学などが有名で、Viltrox(ビルトロックス)もこのブースになる。
中華レンズが好きな人はCP+は行った方が良い。
理由はヨドバシカメラなどの量販店にはあまり中華レンズが並んでいないからだ。ビックカメラ新宿西口店はそこそこラインナップが充実しているのだが、このCP+はフルラインナップで置いてくれているので見ているだけでも楽しい。写りはもちろん実物に触れるチャンスだ。
中一工学 Speedmaster 65mm F1.4

もしかしたら置いてないかなと思ったら置いてあった。これは中一工学のレンズで富士フイルムGFX(Gマウント)に対応しているレンズだ。
筆者はGFXにちょっと興味がある。この通り風景撮影がメインだし、別にMFレンズでもいいので、だったらラージフォーマット(中判)でよくね?という感じもあるからだ。
GFXはラージフォーマットなので当然イメージサークルが大きくレンズも大型化してしまう。富士フイルム純正のレンズは明るくてもF2.8程度のものが大きくそして物凄く高いのだが、このレンズは換算50mm F1.4という破格の明るさを持つ上、純正よりも安いときている。
電子接点はなくMFレンズオンリーという弱点はあるが、海外ユーザーからの一定の評価があるようでMitakon(ミタコン)の異名がある。これの実物を触れたのは僥倖だった。
Fringer FR-EFTG1

これはGFX用の電子マウントアダプターで、キヤノンEFマウントをGSRで使えるらしい。一応ニコンFマウント用のものもあるようだ。
実はラージフォーマット(中盤)で使えるフルサイズレンズは結構多いらしいのだ。要はペンタックスでいう隠れFAレンズみたいなノリで、ガチャガチャ遊んで楽しむ人は多いらしい。ちなみにそのFA77mmはGFXで使えるらしい。
他には一眼レフ時代のシグマArt(HSM)シリーズが使えるようで、キヤノンEFマウント用のシグマレンズをGFXに合わせるときに、このマウントアダプターを起用することが多いようだ。レビューによると50mm F1.4 HSMはイケるらしい。
ニコン用のものもあるのだが、マウント径の問題でキヤノン用と同様のイメージサークルを持っているかはわからない。けれどもあの40mm F1.4 HSMがGFXで使えて、しかもAFできたらというのはロマンではあると思う。
コシナ

コシナはツァイス・フォクトレンダーシリーズで知られるレンズメーカーだ。MFレンズに定評のある国産メーカーで一定のコアファンがいる。
すべてMFオンリーのため一昔前はマニア向けのメーカーだったが、ミラーレス機になってピント合わせがやりやすくなったことや、ニコンZマウント機の純正レンズは絞りリングがないこともあり、割と最近は存在感が上がっていると思う。
富士フイルム使いとしてはウルトロンとカラースコパーはちょっと気になる。MFだけどF2から使えるというのは嬉しい。

デモンストレーションのセットがオシャレだった。こんなおうちに住みたい。
タムロン

大人の都合?でニコンZマウント、キヤノンRFマウントは参入を見送っていたが、実はニコンのZマウントレンズは隠れタムロンレンズが結構ある。最近は普通に出してきてるのでそろそろチェックした方がいいのかな。


なんかゴジラとメカゴジラがいた。毎回恒例らしい(笑)こんなおうちにはすみたくない。
Laowa(ラオワ)

それから寄ってみたのはラオワだ。某社の光学エンジニアさんが立ち上げたブランドで、ラオワは「老蛙」の意らしい。サイトロンジャパンが販売代理店となっている。
ここのレンズはかなり尖っていて、超広角レンズとマクロレンズを強みとしている。中華レンズとしては解像度に優れており、超広角レンズは独自のZERO-D(ゼロディストーション)技術によって収差は良好に抑えられている。また親譲りというわけか色乗りが良いのも特徴。
弱点としてはMFオンリーで電子接点も搭載していないレンズしかなかったことだが、最近はAF対応のレンズを投入してきている。だがラオワと言えばやはりアレだろう。

人呼んで虫の目レンズである。まるでサバゲーショップで売ってるスコープみたいな見た目で、外で構えたら銃刀法違反で捕まりそうな見た目をしているが、正真正銘カメラ用レンズだ。
ラオワの代名詞ともいうべき変態レンズでもちろんこれも置いてあった。シグマのエビフライみたいなアイコニックな名物レンズだが、こういうのがあるとキャラが立つと思う。
Sirui(シルイ)

それから寄ったのは汁井さん。もといシルイさん。「スーレイ」という読み方をすると聞いたことがあるが、パンフレットに普通に「シルイ」って書いてあった笑
ここは動画カメラ向け三脚メーカーというイメージがあったのだが、レンズも作っているようだ。

ラインナップとしてはAPS-C機向けのシネレンズのNight Walker、アナモルフィックレンズのAnamorphic 1.33X、APS-C用AFレンズのSniper、フルサイズ用AFレンズのAuroraなどがある。全体的な印象としてはViltroxの対抗馬といった感じのメーカーだ。
実はスナイパー 33mm F1.2 はウッカリ入手してしまったのだが、このレビューはまた今度。
シグマ

お待ちかねのシグマ。今回の主役でありキングである。今回のCP+は全部シグマが持って行った。
ゲル状(モンゴルのテント)のブースを潜るとそこにあるのは新製品となるBFだった。

このBFというカメラだが変態に定評のあるシグマらしく、色んな意味で尖りすぎたカメラである。
まずボディだがこれはアルミインゴットの削り出しである。モールドじゃない。切削である。当然時間もコストもかかるわけで1個削り出すのに7時間かかるとか。動画見たら本当にマシニングセンタで削り出している。量産機でやっていい加工工程じゃないだろコレ‥‥。
シグマの本社は川崎市麻生区にあるマイコンシティにある。小田急唐木田線の栗平~黒川の閑静な住宅街に、巨大な工業団地が突如として立っているのだが、この工業団地は日本でも指折りの精密加工メーカーが集積しており、日夜技術を切磋琢磨している。
その技術を用いてシグマ会津工場の誇る熟練工が生産しているわけだが、だとしてもだ。コンセプトモデルや参考出品ではない一般量産機だ。誰でもこれ買えちゃうのだ。iシリーズ(レンズ)の時点ですでに変態的な質感に達していたが、これは変態通り越して狂気の域である。
※なおレンズ
ちなみにそのiシリーズは今度シルバーが出るらしい。これはファンを完全に頃しに来ている。
シグマのiシリーズは前から気になっていて、中古のα7IIIをポチってしまいたい誘惑もあったのだが、これ以上カメラ増やしてもしょうがないのでなんとか踏みとどまっていた。
そんな折にこのBF、このiシリーズである。これ40mm F2.8のパンケーキきたらもうヤバくね。
まとめ

これ欲しい(笑)
CP+はコロナ鍋もあって中止した時期もあったのだが、今年はなかなか賑わっていたようだ。筆者は神奈川県民のクセに普段あんまり行かないのだが、今回はたまたま気晴らしに行ったところ色々な発見があった。
まずひとつは外国人が多かったこと。出展しているメーカー企業の社員、また一般客として遊びにきているファンも、外国人が増えたのが印象だった。
もうひとつは動画関連の出展企業やファンが多くなったこと。ジンバルやシネレンズ、マイク等々映像・音響メーカーも出店している一方で、セミプロや業界関係っぽいファンの姿も多く見受けられたため結構な存在感があった。数年後には動画に主軸が移っているかもしれない。
カメラは技術進歩の早いガジェットだが、趣味レベルだと10年型落ちでも余裕で使えてしまう。筆者のように1人でのんびりやってるパターンだと世の中の流れに置いて行かれることがある。そういう人は定期的に足を運んでトレンドを掴んでおくことは大事だなと思った(おしまい)
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