【コラム】Zfcに重いレンズを付けたときに倒れないようにする方法

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機材ネタをひとつ投下。Zfcにエボニーグリップを取り付けたら自立した話。

見た目はイケているZfc

Zfcは往年のフィルムカメラFM2をモチーフにしていて、外見についてはかなり再現度が高い。特にグリップをフラットにしたのは素晴らしい挑戦で、余白がない中よくここまで詰め込んだものと感心する。実際技術的には難しく、専用バッテリーも開発するなど大掛かりなものだったと聞く。


このフラット形状のボディについては賛否両論があり、グリップしにくい、もちにくいという不満があるのだが、これは各社からL型グリップ(エクステンショングリップ)サムグリップが発売されていて、これを装着することで解決することができる。

blueのZfcにはSmallrigのL字グリップと、Haogeのサムグリップを装着していて、これでかなり持ちやすくなっている。デザイン的にも一体感があり、なかなか気に入っている。

Zfc軽すぎ問題

しかし、Zfcにはもうひとつの問題がある。本体重量が軽すぎてそこそこのレンズを装着すると前に倒れてお辞儀してしまうのである。

純正レンズのうちZfcのデザインに似合うNIKKOR Z 28mm F2.8や、40mm F2のようなレンズなら自立するのだが、TTArtisanやPergear、七工匠などのMFの中華レンズを付けようとすると、その重さで前に倒れてしまい、自立できないのだ。デザインはバッチリなのにこれはいただけない。


この写真でもよく見ると下にキャップを挟んで支えている。見た目はカッコイイのにこれではなんだか締まらない。SmallrigのL字グリップはよくできているが、底部が肉抜きされていて接地面が少ないのでレンズが重いとやはり前に倒れてしまうのだ。

実はこれを解決できる方法を偶然見つけてしまった。黒檀製のL字グリップを使うとMFレンズを装着しても倒れなくなるのだ。見た目もグレードアップするしグリップ力も上がって握りやすくなる。

Zfが発売して反響を呼んでいる中、空気を読まずに紹介したくなった次第。あまりにもいい感じで感動してしまったもので…。フィーリングって大事だよね。

恵\イーサン 黒檀グリップ

Amazonに売ってたこのイーサン恵の黒檀グリップを付けると、ZfcはMFレンズを付けても自立する。



イーサン恵はメーカー名?らしく、釣具でルアーなどを販売している会社らしい。このグリップはヤフオクやメルカリなどで度々見かけていて、カッコイイのでかねてから気になっていたのだが、中古品がなかなか出回らないので痺れを切らして新品購入することに。

受注販売もしくは在庫が海外にあるらしく、Amazonで注文してから2週間くらいでやってきた。包装がめっちゃ厳重だったのできっと海外から来たと思われる。

質感について

グリップは上質な黒檀材(エボニー)でかなりしっかり作られている。多少の値段はするが、ニコン純正のあのグリップとさほど変わらない価格なので、ならこっちの方が全然いい。

木製というと頼りないイメージはあるが、黒檀は仏具、包丁やナイフの柄、箸や器などの食器類、モデルガンのグリップなど広く使われている高級木材で、硬くて美しい質感を持つ。耐水性も申し分ない。

使い込むと経年による味が出てくるのもよい。多少の傷が入っても耐水ペーパーで磨いてオイルを塗れば消すことができるので意外とラフに扱えるのも長所。


デザインとしては、SmallrigのL字グリップや、焦点工房の黒檀グリップよりも厚手になっていて、かなりしっかり握ることができる。スティッピング加工(滑り止め加工)がないため、滑りやすいがこれは木材が新品だからだろう。しばらく使い込めば手の脂が馴染んでくる。


またバッテリー差込口の開口部のくり抜き箇所がかなり薄手になっていて、職人技を感じさせる。同時にこのグリップの弱点でもあるので、割らないように気を付けたいところ。

取り付けたところ

Zfcに取り付けてみたところ。デザインの一体感は上々で、グリップの張り出し部分も存在感がありつつ調和も取れている形状で実によい。座布団部分の厚さが他社L型グリップよりも高いため、よりレトロ感が出ていい感じになる。

握り心地も申し分ない。焦点工房製の黒檀グリップのグリップ形状は直線状になっているのに対して、このグリップは人差し指と中指にあたる部分が削り込まれているのでより握りやすい。サムグリップも併用すると従来機と遜色ない程度にハイグリップできるのでかなり安定する。


そして御覧の通り、中華製MFレンズを付けても自立できている。モデルとして付けているTTArtisan 50mm F1.2の重さは335gで、通常状態のZfcだとその自重に耐えられずお辞儀して前に倒れてしまうが、これを取り付けるとグリップ部が支点として機能するため自立できるのだ。

TTArtisan三兄弟ではこれが一番ヘビーなので、17mm F1.423mm F1.435mm F1.4も当然自立できる。Pergear35mm F1.4も自立可能。これよりもレンズ重量の大きい七工匠の超大口径レンズはちょっと難しいかも。

ともあれ、平置き状態で倒れなくなるのはうれしい。Zfcにこのグリップを付けて、TTArtisan50mm F1.2を付けたところだが、一端の道具感があって絵になる。

番外編(NIKKOR Z 24-70mm f/4 S)

ZfcはZマウントのデジカメなので、NIKKOR Z 24-70mm f/4 Sや、NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sも付く…のだが、デザイン的には違和感があるのは否めない。




これも黒檀グリップが付いたことでデザイン的には多少マシになる。

グリップの張り出し部分+サムグリップでかなり持ちやすくなっており、通常のニコン機とさほど変わないフィーリングになっている。シルバーなのでまだ似合わないが、ブラックボディだとそれなりに馴染むだろう。

関連商品

今回の黒檀グリップに関連する商品をご紹介。

SHOTEN カメラウッドグリップ Zfc-GP

同じ黒檀製グリップは焦点工房が出している。こちらの方が流通量が多く入手性がいいようで、たまに中古品も見かける。またバッテリー室のくり抜き部分も今回のグリップよりも厚めで、この部分の耐久性もいいものと思われる。

ただしグリップの張り出した部分が今回紹介したものよりも薄いので、自立するかどうかはわからない。お手頃な中古品があったらいずれ取り寄せて試してみたいが。

HAOGE サムアップレスト

ZfcのサムグリップはHaoge製がおすすめ。このブランドはシルバーが出ている。

以前JJCのものを試したが、これよりも大型で引っかかりがいい反面、すぐ下のコマンドダイヤルが操作しづらいのが少々気になった。コマンドダイヤルをよく使う人は少し小さいHaogeの方が使いやすいだろう。

なおサムグリップは小さいパーツなのでついケチりたくなるが、安物は買わない方がいい。以前X-T4用にノーブランドのものを購入したが、ホットシュー部分が緩かったりグラついたりで、結局セロテープを巻くことになった。安物買いの銭失いとはまさにこのこと。

TTArtisan 50mm F1.2

今回のZFCに付けているレンズはこちらとなる。TTArtisan 三兄弟の中でも比較的色乗りが良い。



何ならまさかの3個セット販売もしている。まとめ記事あり。


このレンズはZFCの本体に非常に良く似合ってカッコいいので基本付けっぱなしにしてある。重くて前に倒れてしまうところが泣き所だったが、今回の黒檀製グリップを併用すると前に倒れなくなったことで弱点がなくなったと言える。

まとめ

Zfcについてはこのグリップでほぼ理想の質感と機能性になったのでかなり満足。撮影フィーリングは重視したい派はこれを買ってくると幸せになれるかも。

実はZfも気になってはいるのだが、2023年11月現在だと似合う純正レンズが現状まだ少ないのは残念。フジX-TシリーズはAFレンズも絶妙に似合うのだが、Zf/Zfcは元ネタがMFカメラだったこともあってAFレンズが似合わなすぎるのがネックか。

今出てるのだとViltrox 35mm F1.8、50mm F1.8あたりかな。これは絞りリングもついている。再三主張しているがシグマのContemporaryライン Iシリーズがニコン参入してくれたら欲しくなるかもしれない。

おまけ

そんなわけでフジX-T4とのショット。

左:ニコンZFC 右:フジX-T4
フジX-T4には焦点工房製の黒檀グリップとHaogeのサムグリップを付けている。中古品を取り寄せたのだが、これがなかなか気に入ったのでZfcにも導入したという次第。

Zfcと比較した回はコチラ参照。



2台並べたところ。
両機ともほぼ見た目で買ったもので、ガチャガチャ遊んで最終的にこの形態になった。

この2台は見た目こそ似ているものの、設計思想や使用感がかなり異なっている。Zfcの方がシンプルでニコン機フォーマットなので使いやすいが、X-T4も手振れ補正やHDR、フィルムシミュレーションなど見どころが多い。

リンク

カメラをガチャガチャ遊んだリンクはコチラ↓

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