もう一足のモールトン。パリジャンブルーという変わり種。
どんなモデル?
イギリス・ノーザンプトンに工房を構える老舗のシューメーカー、トリッカーズ謹製のカントリーブーツ。このモデルもやはりモールトン(Malton)という。ストウ(Stow)ではない。
前回紹介したネイビーのモデルと同じく中古購入品となる。前回のネイビーのサイジングが若干きつかったことと、パリジャンブルーの色合いが絶妙で実物を手に取ってみないとよくわからないということで、取り寄せてみた逸品。お値段33,000円なり。
ディティール
全体像




全体像としていつものトリッカーズモールトンになる。ウイングチップのパターンも通常通り。特徴的なのがパリジャンブルーでブルーグリーンといった感じの色合いになる。通常のラインナップにはないレアカラーということになる。
ネットで見ると真っ青なサファイアブルーだったり、ターゴイズブルーだったりで安定しないが、手元に来たのはこんな感じに色合いだった。おそらく新品時は真っ青な状態で履き込むと顔料が次第に落ちてこの感じの色合いになるんじゃないかと予想。




ホワイツ社のセミドレス(クロムエクセル)でネイビーCXというモデルがあって、それを少し青色を強くした感じの色合いかもしれない。またコバはダークブラウンに着色されていてシックな雰囲気に仕上がっている。
多少ヴァンプにシワが入っていて履き込まれている感はあるものの、青い靴はそれ自体かなり珍しいので満足感はある。
フルブローグ


ここはいつものモールトン。だがパリジャンブルーはやっぱり珍しい色合いで妙な存在感がある。パンチング部分がちょっと色が薄くて浮いてしまっている感もあるのだが、クリームを塗り込んで着色するべきかどうか迷う。
ダイナイトソール


ソールはダイナイトソールが付いている。コマンドと違って地面に面で設置するのが特徴で、見た目だけでなく歩き心地もドレス感があり、つま先を挙げて歩くとコツコツといういい音がする。
このダイナイトはブラウンのタイプで、コバ周りとの色や質感もあっているため一体感がある。
その他

アイレット周り、シューレースは少し年季が入っているので別のに替えてしまってもいいかもしれない。パンチング部分がやはり白いので浮いている感があり、塗りたくなるのだが、塗ると戻らないのでもう少しこの状況を楽しみたい。


製造番号は90万番台。90年代後半~00年代に作られた物と思われる。サイズは8 1/2で、フィッティングは5となる。初めに購入したネイビーが若干きつかったのでハーフサイズ上げた形だ。
インソールは金ロゴのタイプになる。茶ロゴと金ロゴのものがあるが法則等は不明。一説には茶ロゴ=レギュラーモデル 金ロゴ=別注モデルという説もあるが確実ではないようだ(というか多分違う)
履き心地
履き心地だが8.5 5を履いている。ハーフサイズ上げたこともあってサイズ的には問題ない。トリッカーズはジャスト履きでキツイという人はハーフサイズ上げると改善することが多いので、食わず嫌いになってしまった人はぜひ試して欲しい。
ただし元のネイビーも2か月間程履いているうちに馴染んできて、ほぼジャストサイズになったのでこれもなかなか捨てがたい。中古の場合オークションで買うことになるので試着は出来ず、一種のギャンブルになるので非常に悩ましい問題だ。
入手方法
この靴に関してはレアカラーになるので出品されるのを根気よく待つしかないだろう。本当に欲しくなったらカラーオーダーで作ってもらうのが確実だ。どっかの別注モデルがあれば助かるのだが。
メンテナンス
艶出しクリーム
珍しい色合いなので何を塗ろうか迷ったのだが、最適解を見つけた。この靴はサフィールのぺトロールブルーが最適だ。色合わせはほぼ完璧になる。
一方で新品当時の色合いをなるべく維持したいなら、同じくサフィールのサファイアブルーを塗るといいかもしれない。かなり鮮やかなブルーなので塗ってる感は出てしまうかもしれないが、色合いは長持ちできるだろう。
まとめ


同じモールトン(ネイビー)とのショット。こうしてみると大分色が薄く、珍しい色合いなのが分かる。履きどころとしてはジーンズなどの青系には合う他、白系のパンツに合わせると爽やかな印象になりそうだ。
ただ合わせるのが黒系や茶系にくらべるとちょっと難しい感じはする。青系の靴はどちらかというとロマンで一般の人には進め辛いけど、独特な存在感があって刺さる人には刺さると思う。そして探してもなかなか出てこない。
筆者としては超大好きなんだけど、これは流石に会社にコッソリ履いて行くというのは難しく、オフの日専用の靴になるかな。どうもそんな感じの靴です。



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