【まとめ】ニコン Fマウント 一眼レフカメラの長所・短所・オススメ機種

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ニコン

ニコンのFマウントカメラの魅力について、ニコン歴15年の筆者が好き勝手語る回。

ニコンFマウント概要

ニコンFマウントは、1959年6月に発売したNikon F(初代F機)から始まったマウント規格になる。現在はZマウントに次世代機の座を明け渡した形であるが、2024年限現在も現役であることから「不変のFマウント」の異名を持つ。

ライバルのキヤノンは定期的にマウントを更新しており、FDマウント(1971~)、EFマウント(1987~)、RFマウント(2018~)となるため、1971年より前の純正レンズはそのまま用いることができない。


対してニコンは細かい仕様変更が重なって体系が複雑化してしまった部分はあるが、1959年当時から互換性を保っている。これはかなり驚異的なことで、それゆえ多くの固定ファン(ニコ爺)が存在する。

なお上の写真はD800(2012年)AF-S Nikkor 105mm F2.8G(マクロレンズ)を付けた例。このブログの腕時計やらモデルガンやらはこの組み合わせにスピードライトSB-700を付けて撮っている。撮影ブースは置けないので白布はユザワヤで購入したものを使っている。

デジカメ時代

ニコンのデジカメ時代はD100(2002年)の発売から始まる。ハイアマチュア機でいえばD200、D700、D800、D850といった数々の名機を輩出してきた。

現在はミラーレス機用の規格であるZマウントに主力の座を明け渡したため、一線を退いた形となる。そのため主な入手方法はカメラショップやヤフオクメルカリなどの中古品となる。

中古と聞くとネガティブなイメージがあるが、玉数が多いので美品も多く、頑丈で壊れにくいのでむしろおすすめ。ミラーレスが高くて手が出ない人は、お試しでFマウント機から入るのも良い。

長所

ニコンFマウント機(一眼レフカメラ)の長所は以下の通り。

・本体もレンズも手頃で始めやすい
・静止画であれば現行機と比べてほぼ遜色がない
・カメラの基本が学べる
・ハード品質とユーザビリティに優れている
・レンズの選択肢が多い
・ミラーレス機(Zマウント)にレンズの流用が可能


抜群のコストパフォーマンス

現行機のZマウント(ミラーレス)でなく、Fマウント(一眼レフ)で始める利点としては、まず安いことが挙げられる。マウントが移行したこと、玉数が多いことから中古価格がこなれており、入手性もいいためコストパフォーマンスに優れている。

それでいて性能も静止画撮影であればほぼZマウントと遜色がなく十分楽しめる。体感的には、今のZマウント最新機が100点とするならば、静止画であれば2012年発売のD800で85点くらい、いいレンズがあれば93点くらいのところまでは楽しめると思う。

徹底した品質とユーザビリティ

Fマウント機は「一眼レフ」であるため露出を体で覚える必要がある。これは一見しんどいが、ニコン機はAF性能がキヤノン機に並んで高く、ユーザビリティも優れているためあまり苦にならないことが多く、現在でも静止画ならば型落ちのFマウント機でも普通に通用する理由になっている。

一眼レフカメラはミラーレスカメラに比べると不便な反面、カメラ任せにならない撮り方ができるので、ファーストカメラはこちらで始めた方が将来的には応用が利くと思う。

ニコン機の使いやすいところは、まず電源投入から撮影開始までの時間が圧倒的に速く(0.2秒以内)ほぼ一瞬で撮れる点と、再生ボタン⇒ゴミ箱ボタン連打で失敗写真を即消せる点。当たり前に聞こえるが、この基本ができてないカメラは意外と多い(富士フイルムとかスマホとか)

厚手のボディは武骨で重いが壊れにくい。デザインは一見ダサいが、これはモックアップを繰り返して寄せていくアナログな方法で作っているためで、本体やグリップの形などすべてに意味がある。ボタンについても押し間違えないように大きさ・高さ・角度をすべて変えてある。


特にハイアマチュア機以上についている四つ葉ボタンはニコン独自のもので、他メーカーの人から見ると謎だが慣れると非常に使いやすい。また丸窓ファインダーも高級機の証で、これもカッコいい上に見やすくて便利。

レンズの選択肢が多い

現行機がミラーレス機のZマウントが移行したことに伴い、Fマウント用レンズも割安となっており手を出しやすい。しかも現役時代が長くシグマ・タムロン・トキナー・コシナなどサードパーティも参入しているので選択肢が非常に多い。

2024年現在ではシグマのArtシリーズ、タムロン35mm F1.4、トキナーオペラ50mm F1.4など、当時のニコン純正Fマウントレンズを凌駕し、最新レンズにも引けを取らない超高性能レンズが存在する。その超高性能品が中古品なら現行のZマウント純正レンズの半額以下で買える。


これらのFマウント用レンズはニコン純正アダプターFTZを使うことで、Zマウント機にも流用することができる。AFもちゃんと効くのでその点も心配ない。現行で買うならFTZ2だが、それなりに重くて長いレンズは旧式のFTZの方が安価だしおさまりが良い。ちょっとダサいが。

その一方で昭和時代のオールドレンズが素で使用できる。大半はMFレンズだが、1983年以降はAF撮影ができるDタイプレンズもある。とにかく膨大な数があるので沼に潜りたい人はオススメ。

短所

ニコンFマウント機(一眼レフカメラ)の短所は以下の通り。とはいえ正直あまり思いつかない……。

・事実上開発が終了しているので成長性はない
・動画機能が弱い

短所としてはZマウント移行により開発は事実上終了しているので新型機種などはおそらく出ないこと。プロ機ならD6(2020)、ハイアマチュアならD850(2017)か、D780(2020)が最終となる。ZマウントのZ7が2018年発売なので、画質やAFの性能はこの年代水準で頭打ちとなる。

また動画機能についてはFマウントのカメラでも実装されているが、ニコンはかなり出遅れていたためぶっちゃけ微妙。まともに追いつくのはミラーレス移行してしばらく経ってから(Z9、Z8の登場後)になる。


こんな人にオススメ

・「一眼レフカメラ」にこだわりがある人
・フルサイズカメラを安価で始めたい人
・動画はあまりやらない人
・昔のレンズで遊びたい人
・オールドデジカメ(CCD機)に興味がある人

 

「一眼レフカメラ」にこだわりのある人

「一眼レフカメラ」にこだわりがある人はニコンFマウントはオススメ。ミラーレスカメラと違ってファインダーを覗いただけでは写真の明るさががわからないので「露出」を体で覚えることができる。

一眼レフカメラはEVF(液晶ファインダー=画面)ではなく、OVF(光学ファインダー=実像)というのもポイントか。最近はEVFも動体性能がかなり向上してほとんど遜色ないとも言われているが、ミラーボックスやペンタプリズムを介した光(実像)というロマンは捨てがたい。

またOVFなので水濡れによる誤作動や不具合もなく、悪天候では信頼性が高い。ニコンの中級機以上の剛性感はなかなかのもので、ちょっとやそっとじゃ壊れそうにない安心感がある。

フルサイズカメラを安価で始めたい人

先ほども述べたが、ニコンのデジカメはFマウント(一眼レフカメラ)⇒Zマウント(ミラーレスカメラ)に事実上移行しているため、Fマウントは型落ちとなっている。そのため相場価格が下落傾向にあり、フルサイズ規格のカメラも比較的安価で入手ができる。

しかし画質面では、Fマウントの段階ですでに最高レベルの画質に到達しているレンズも数多くあるためそれほど劣ることはない。前述の通りいいレンズがあれば93点くらいまでは撮れる。

ただし動画に関しては別なので動画をやりたい人はZマウント(ミラーレス機)一択となる。そもそもニコンじゃない方がいいかもしれない(Z9、Z8でかなり追いついたが)

動画はあまりやらない人

最近のZマウントのニコン機、特にZ9、Z8は動画機能が大幅に強化されたが、それ以前のニコン機の動画機能は他社よりも少し出遅れている。そのため動画をやりたい人はZ9、Z8にするか、ソニーやキヤノン、パナソニックがいいだろう。

逆に動画をやらない人はその部分のデメリットがないので、型落ちのFマウントカメラでも十分に楽しめる。静止画に関しては、フルサイズならD810(2014年)、D610(2012年)、APS-CならD750(2014年)くらいから現代のカメラとあまり遜色がなくなる。

昔のレンズで遊びたい人

ニコンFマウントは約60年間使われ続けた息の長い規格で、それゆえ昭和時代に作られたマニュアルフォーカスレンズを楽しむことができる。これらはもともとFマウントのレンズなので当然マウントアダプターが不要で、素で装着することができる(世代により互換性は調べる必要あり)

一方で将来的にZマウント機に移行する場合でも、純正マウントアダプター(FTZ,FTZ2)があるので、これまで集めたFマウントレンズはそのままZマウントでも使用できるため無駄にならない。Gタイプ以降のレンズならAFも使うことができ、筆者もこれでもかと使いまわしている。

オールドデジカメ(CCD機)に興味がある人

これはマニアックでコアな人向け。D200などの初期のニコン製デジカメはCMOSではなくCCDイメージセンサーが使用されており、現行のデジカメと色の出方が少々異なっている。これを一眼レフカメラで楽しみたい人はニコンFマウントに入門する必要がある。

筆者blueもこの時代に始めたので愛着があり、D80を手放してた後10年後くらいにD200をわざわざ買い戻している。ただこれはちょっとマニアックなので別記事にて解説。


オススメ機種

フルサイズ機、高級APS-C機のラインナップとオススメは以下の通り。

ハイアマチュア機 ミドルグレード機 APS-C機
D800(2012年) D610(2012年) D500(2016年)
D810(2014年) D750(2014年) 番外
D850(2017年) D780(2020年) DF(2013年)


基本的にはD800以降のフルサイズ機ならば現代でも通用するレベルで実用可能。フルサイズ機なら2012年、APS-C機は2016年程度なら高感度撮影も現行機とさほど遜色がなく、夜景スナップでも問題なく使用することができる。

Nikon D800(2012年)

まず紹介するのがD800。3630画素は2012年当時としてはモンスタースペックだった。派生モデルとしてはローパスフィルターレスで解像力をより高めたD800Eがある。

高画素数に注目されがちだが、ちゃんとバランスの良いカメラで筆者blueはこのD800を未だに使っている。落としてしまって自慢のマグネシウムボディに穴が開いてしまったが、エポキシパテで埋めてタッチアップ塗装してまだ使っている。さすがニコンだなんともないぜ。

このD800は完成度が高い割に中古価格が安いため狙い目。2012年は現在よりもデジカメの出荷台数が多かったこと、傑作機ゆえに玉数も多いこと、マイナーチェンジ版のD810が2年後に発売していることなどから割安になっている。中高生はお年玉をためてまずコレを買いに行こう。

Nikon D850(2017年)

D800の正統進化系にしてフルチェンジモデル機であり、D100から続くFマウントハイアマチュア機の完成形。画素数は4545万画素を誇る。これはZマウントの初代ハイアマチュアモデルのZ7と同じレベルにある。

ハイアマチュア機だけあって仕様はD800からさらに進化しており、チルトアングル液晶を搭載。また液晶画面はタッチパネルになっている。便利なのはボタンイルミネーターが搭載されており、星撮夜景のような全く明かりの無い状況で重宝する。

この装備はD5などのフラッグシップ機(プロ仕様機)にしか搭載されていない高級装備で、このモデルに対する意気込みを感じられる。これとZ7のどちらを入手するかはある意味で究極の選択と言える。到達点のD850、黎明のZ7といったところだが、中古価格だとD850の方が若干高いようだ。

Nikon D780(2020年)

こちらはFマウントのフルサイズ機で最新のモデルになる。2450万画素とD850に比べると控えめだが必要十分な解像度を持つ。高感度耐性はD850よりも高く、一回り小さく軽量で、省エネ設計によりコマ撮影回数が2,260回とロングランが可能。

ハイアマチュア機の到達点はD850、最新がD780なのでこのどちらかになると思う。この二台はミラーレス機のZ7、Z6とくらべてほぼ遜色のないスペックを誇り、現行品なのでメーカー修理も可能。ただし価格がお高めでミラーレス並の値段はする(それでも中古なら安いが)。

Nikon DF(2013年)

変わり種としてはDF。これは初代F風の復刻デザイン機になる。GタイプレンズはもちろんDタイプレンズもAF可能なので意外と遊べる。画素数こそ1661万画素と控えめだが、代わりに高感度撮影に強く、RAWも軽く、シルバーモデルありとサブ機としてはもってこい。

実はちょっと欲しい。ルックスもさることながら、一眼レフ機末期にはシグマArtシリーズ、タムロン35mm F1.4、トキナーオペラ50mm F1.4など超高性能な大口径レンズが駆け込みで発売したため、DFのような低画素高感度機はRAW撮り用として便利そうだからだ。

まとめ

ニコンFマウント機は画質やユーザビリティの面で非常に完成度が高いカメラシステムで、静止画撮影ならば2024現在でも普通に実用できる。それでいて中古品のコストパフォーマンスが良く、現行のZマウントを新品で揃える場合の半額以下でシステムが組めてしまう。

D800以降の機種とシグマArtレンズでも買えば出てくる絵はミラーレス機とほぼ遜色なく、高感度耐性も然程引けは取らないだろう。他方で昭和時代のオールドニッコールを楽しむという使い方もできるので、非常に懐が深いのが魅力といえる。

一眼レフ機ゆえに露出を体で覚えることになるが、それゆえカメラの持ち主をも成長させる。とりあえず写真を始めてみたい人にはイチオシ。Zマウントに移る場合もレンズは流用できるし、お金がたまった後からZマウント機買っても全然間に合うので。

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