オールドデジカメ・D80の紹介に続いて、オールドレンズのご紹介。
Ai AF Zoom Nikkor 35-70mm F2.8D
スペック
焦点距離 | 35~70mm | レンズ構成 | 12群15枚 |
最小絞り | F2.8 | 絞り羽根枚数 | 7枚 |
最大絞り | F22 | 寸法 | 71.5×94.5mm |
最短撮影距離 | 60cm(簡易マクロ時28cm) | 重量 | 約665g |
フォーマット | フルサイズ | フィルター径 | 62mm |
ニコンオールドズームの色香
このレンズは今の大三元レンズの先駆けともいえるレンズで、F2.8通しのレンズとなる。AFレンズであるがフィルム時代に作られたレンズで、それも1987年と発売から35年が経過しているため、ほとんどオールドレンズと言っても差し支えない。
特殊ガラスを全く使っていない質素な光学設計だが、倍率2倍ズームと無理をしないことで画質は破綻がなく、素直なボケ味が持ち味。ワイド端(35mm)位置限定で簡易マクロ機能が使えるギミックもある。
もともとD80に付けていたものだが、APS-C機ゆえに焦点距離が52.5~105mmと微妙に使いにくく持て余していたところ、D800を入手してから本来の画角で使えるようになったことで長い間標準レンズとして使っていたものになる。たぶん歴代でも一番長い付き合いだったレンズかも。
とてもとても好きなレンズであるものの、しかし少々お勧めしづらい理由がある。その理由は後述。
D800に装着
ボディバランス的にはなかなか良好。元が大三元レンズなのでフルサイズも全然いける。
この子はなかなか個性的なレンズで、ひとつめは直進式ズームを採用していること。鏡銅が回らないため最初は違和感を覚えるが、慣れると直感的に操作できるのでむしろやりやすい。
もうひとつはアルミ製鏡胴を採用していること。これは私がカメラをリアルタイムでやっていた2000年後半~2010年前半くらいまでではなかなか見かけない珍しい仕様。製造年やデザインこそ古いが、F2.8通しレンズとしては小型かつ細身で持ちやすく、ゴムも劣化しないため機能的には全く問題がない。
このオンリーワンなキャラクターと写りの良さもあり、ニコン版Limitedレンズ みたいなノリで一時期つけっぱなしにしていた。ズーム倍率は2倍と低いが、35mmと50mmはカバーしているので慣れればあまり気にならない。
さすがに古くなってタムロンのSP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 (Model A032)を購入したが、鏡胴が太いのが気になって結局こっちに戻ってしまったり。
このレンズで撮った写真
過去の撮影写真より2014年の大雪時の夜景スナップ。文字通り10年に一度の大雪のため非常に気に入っている写真で、旧ブログにも掲載した写真になる。大体このレンズで撮っている。
なかなか繊細な描写をするレンズで、輪郭線が細く出る傾向があり色乗りもあっさりめ。濃くはっきりした輪郭線を描くことが多いデジカメ時代のレンズとはまた少し性格が異なっており、ソフトフィルタを付けても解像感を保っている。
桜木町
見ての通りガチの大雪で、信号機にはつららができてしまっている。東京周辺は大雪が降っても積もることは稀で、多少積もっても1晩経てば捌けることも多いがこの年は別格で、Wikipediaにも記事があるくらい大規模なものだった。
みなとみらい
横浜美術館のあたり。普段の日常の中で見る横浜とはまるで別世界だ。
雪に咲く花(物理)
突然の積雪でアイスチューリップになってしまっている。健気で応援したくなる。
野毛坂
時間の経過で段々と暗くなってきた。路地裏に入るとすっかり雪で覆われて別世界に。
ホワイトバランスは多少下げていたと思うが、おおむね見たままの色が出ている。ニコンは色付けが地味といわれることもあるが、反面ニュートラルで雑味が少ないのがいい。
これは簡易マクロ機能でとったもの?だったと思う。…けど忘れた笑
スッカリ日が暮れてしまった。雪やみぞれの中、傘も差さずに撮って回ったのでレンズが凍えて結露してしまっている。明らかにカメラやレンズにとって良くないが、水濡れや結露といった悪状況も雰囲気のうちなので自分は割とやってしまう方だ。
とはいえ放っておくとカビや故障の原因になるため風通しのいい場所において乾かす必要がある。この年の大雪は1日では終わらず、数日にわたって積もり続けたため、翌日も再び撮影に出かけた。きりがいいので一度この辺で。後半に続く。
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