前回に引き続き虹色フレアが楽しめる50mm F1.4クラシック。今回はK-3IIIに付けてレビュー。
PENTAX K-3 Markiiiに装着
K-3IIIとはベストマッチ。小型の単焦点なのでほとんどリミテッドレンズ感覚で扱える。
なお今回からギャラリーを使用していた。今度からこっちの方がいいかな。
このレンズで撮った写真
鶴見線国道駅。まるで新横浜のラーメン博物館のような昭和中期のようなレトロな情景だが、現在も現役で稼働している。しかも鶴見駅から1駅、主要幹線道路の第一京浜(国道15線)沿線沿いなので結構な人が乗り降りをしている。
定期的に訪れるスポットだが大衆酒場の「とみや」はついに閉店してしまったようだ。
またこの駅はもともと無人駅なのだが(鶴見線沿線は大体無人駅)、2022年をもってついにきっぷ券売機が撤去された。マジかこれSuika持ってない人どうやって乗るんだ…。
これは「乗車駅証明書」を改札の機械で発行して降車駅で清算する方式になっている。鶴見線と相模線は神奈川県でもユニークな路線なので一度乗ってみると楽しい。
ペンタックスによると、このレンズの特徴である「虹色フレア」はAPS-C機だと出にくいとのことだが、K-3 MarkIIIでもガッツリ出る。ただしミラーレス機と少々勝手が違うことや、注意事項などもあるので勝手が少々異なる(後述)
鶴見駅周辺
以下、F1.4とF2の比較を。
フレアはF1.4では見られるもののF2ではほぼ消失する。またパープルフリンジもF1.4はソフトレンズ並に出てしまうがF2では大幅に改善する。
虹色フレアはほぼF1.4開放専用となるため日中での使用はNDフィルターが必要となる。夜景スナップなどに使用する場合はまともに使えるのはF2からになる。F4まで絞るとかなり画質は改善して硬めの写りとなる。
ただしフリンジやゴーストはある程度絞っても出るので、気になる人は修正するか別のレンズを使った方がいいだろう。そもそもがそれを狙うレンズなので…。
どちらもこのレンズで撮った写真。“絞れば写りが変わる”で地を往くレンズなので「クラシック」のスパイスはいいチョイスと思う。
花撮り
F1.4ということで花撮りもいける。APS-C換算なら75mmと適度な距離感があるのでポートレートにも使えるだろう。
どちら夜間のスナップ撮影(jpg撮って出し)だが、さすがペンタックスだけあって緑色が綺麗に出る。背景によってはフレアも狙えるので一石二鳥。
このレンズで撮っていて気づいたこと
(光学ファインダー)太陽直視ダメ絶対!!
たいようをさつえいするときはライブビューでとろうね!!ぶるーさんとのやくそくだよ!!
実際これはメーカーが口酸っぱくして言ってる。ペンタックスという「光学機器メーカー」がわざわざ忠告するくらいなのでその有害性は推して知るべし。ライブビューで撮るか、EVF(ミラーレス)で撮った方がよい。
ちなみに勘違いされがちだが付属のND16フィルターでは防御にならないので注意。あれはあくまでシャッタースピードを加減(遅く)するもので眼球保護するものではない。
blueは小学生時代にいじめられたことがあるのだが、その時に流行っていたレーザーポインターで右目を当てられてしまった結果、視力が大幅に下がってしまった。(当時で左1.2 右0.2くらい)
そんなわけでカメラのファインダーを左目で覗いているが、みっともない感じがして正直好きじゃない。なので光学ファインダー(OVF)で太陽はみないほうがいいよマジで。「目が、目がぁ~!」とか某大佐みたいになってもしらないよ。
EVFの方が向いている…かも。
一眼レフカメラ(OVF)で太陽を撮ろうとすると目を傷める可能性があることは上で述べたが、背面液晶のライブビューで撮ろうとすると多少困ったことが起こる。
ライブビューで表示される画面と、実際の撮影結果が微妙に違うのだ。このためライブビューでは虹色フレアがしっかり出ていても実際に撮ってみるとフレアが出ておらず、アルェー?となることがある。
ミラーレスカメラ(EVF)はファインダーで太陽を見ても目が痛まないし、背面液晶のライブビュー=実際の撮影結果なのでこの不一致が起こらない。またフレアは形状が刻々と変化するので動画撮影とも相性がいいことも拍車をかける。
ただし…!
ミラーレスカメラで太陽を撮ろうとするときはなるべくカメラを下に伏せるか、撮らないときはレンズキャップをかぶせた方がよさそう。文字通り「ミラー」がないので、レンズから入射した光は常にセンサーに素通しとなる。撮影に夢中になってその状態を長く続けていると…。
センサーがこんがり焼けます。ち~ん(笑)
人間の代わりにカメラがダメージを受けるわけだが、そりゃあDIO様、クウラ、スーパーマリオに無惨様、あらゆる強者を葬ってきた太陽さんにかかれば軟弱なミラーレスなぞひとたまりもない。Z9、Z8のようなセンサーシールドを備えた高級機でも油断はしない方が吉。
まとめ
前回はニコンZ7に、今回はペンタックスK-3IIIで撮影をしてみたが、たしかにベースレンズの特性とコーティングの相性は噛み合っているし、キャラ的にもまごうことなくペンタックスのレンズなのだが…。
意外とミラーレスで使った方が真価を発揮できるレンズかもしれない。Z7で撮ってるときはマニュアルフォーカスだったけど全く不自由なかったし、これで動画撮影するとフレアでダイナミックな表現ができると思う。車載動画(ナイトドライブ)とか面白そう。
マウントアダプタを使えば他のメーカーのカメラでも使用可能なので、みんないっぱいこのレンズ買ってあげて!!(迫真)とってもいいレンズだよ!!(迫真) つづく!
関連商品
ペンタックスはやたら50mmを作っている。その一部を簡単にここで紹介。この他にもFA50mm F1.8(通称:50mm安)、DFA50mm F2.8(マクロ)、smc PENTAX-DA★55mmF1.4 SDM(MFレンズ)とかあるが今回は割愛。
HD PENTAX-FA 50mm F1.4
6月9日に発売した本レンズの兄弟にして片割れ。こちらはフレアやゴーストが出ない方。HDコーティングによって抜けのよいクリアな描写を実現。
smc PENTAX-FA 50mm F1.4
SMC PENTAX-FA 50mm F1.4 CLASSIC、HD PENTAX-FA 50mmF1.4のベースとなったレンズ。1991年発売のロングセラーで枯れたレンズだが堅実な写りをする。
フィルム時代からあるレンズなので球数が多く中古価格もこなれている。
HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW
HD PENTAX-FA 50mmF1.4よりも遥かに高性能で解放からバッチリ写るガチなタイプの単焦点レンズ。もちろんHDコーティング付きな上、超音波モーターなのでジーコジーコ言わない。ペンタックスの本気を体験できる。
欠点はその重さで、50mmでありながら何と900gを超える。こっちの方もガチなレンズ。
関連商品2
50mm周辺でおすすめのレンズを。いずれも評価が高いレンズとなる。
HD PENTAX-FA 43mmF1.9 Limited
FA Limited の次女で標準担当。フルサイズで43mm、APS-C換算で65mm相当の画角となる。アルミ鏡胴のパンケーキタイプレンズで、しかもシルバーモデルありと素敵路線を極めている。
こちらもHDコーティングされており、HD50mm F1.4と悩んだらこちらを入手するのもあり。smc 50mm F1.4 クラシックをすでに持っている人でもかぶらない。
smc PENTAX-DA★55mmF1.4 SDM
エアロブライトコーティングが施されたレンズ。ルギアの必殺技かな。
これもガチタイプの単焦点レンズでFA31mmと並んで評価の高いレンズ。一段絞ってF2で使うといい感じ。こちらはAPS-C専用レンズで換算82.5mmとポートレート向けのレンズとなる。
イメージサークルが大きくFA50mmと同程度あるため、実はフルサイズでも使えるレンズ(※メーカー非公認)として知られており、フルサイズ機のK-1に付けて撮っているペンタユーザーもいる。
さすがに周辺画質や減光はあれど実用程度は使える。典型的デカ重レンズの★50mm F1.4よりコンパクトで割安だしFA50mmほど古くはないので、ちょうどいいポジションのレンズといえる。
Super-Takumar 55mm F1.8
アサヒペンタックス時代のM42マウント用の標準レンズで1962年発売のオールドレンズ。5chでよく超琢磨ーなどと呼ばれているアレ。今回のレンズの元ネタであり「虹色フレア」はこのレンズの代名詞。
球数が多くて値段がこなれているのでオールドレンズ入門者は必ず通るレンズと言われ、ヘリオスと人気を二分する。ほぼデジカメ以後に参入してきたblueでも知っているくらい有名なレンズ。
ガチのオールドレンズで、トリウムを含むアトムガラスを使用されている。使用するには各種M42アダプタが必要。これは一通りのメーカーの分は出ている。
リンク
50mm F1.4クラシック関連の記事はコチラ
コメント