Tricker’s M2508 malton(シーシェイド)

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靴関連

ついに買ったぜ C-Shade, 彼女に言ったぜ She said.

どんなモデル?

 トリッカーズモールトンのシーシェイドカラーのモデル。いわゆるゴースカーフレザーが使われており、耐久性・耐水性が強化されている。なおシーシェイドはC-Shadeと書く。日除けのシェードの意で、このCという仕様だけが今まで残ったのでそう呼ばれているそうだ。

このモデルは型番的にはストウなのだが、一応昔はストウ=カーフレザー、モールトン=ゴースカーフという区分になっていたらしい。今ではショップ別注やオーダーなどでうやむやになってしまったが、、



シーシェイドは知る人ぞ知るマイナーな仕様なのだがマニアの間で評価が高いらしく、トリッカーズといえばエイコーン、マロン、シーシェイドで割れる。そしてこのシーシェイドこそトリッカーズの真骨頂として挙げる人も少なくないようだ。

これも中古品でジャストサイズの美品かつこれも2.2k(送料込み)と破格だったために購入してしまった一品。ある意味でトリッカーズのトリッカーズたるやを最も反映した一足ともいえ、ここまで集めたんならもうこれも行っとけということでポチってしまった一品になる。

ディティール

全体像

 見た感じはいつものモールトンであるが、触ってみると微妙な違いを感じる。先述の通りシーシェイドは通常のラインで使われているアッパーレザーとは異なり、ゴースカーフレザーというものが使われている。これにより耐久性や耐水性が上がっているとのことだ。

通常のモデルと比べるとまず厚さが違う。履き口を見ると通常のカーフレザーは3mm程度だが、こちらは4mm程度あり目に見えて革が厚い。見た目の時点で耐久性が強化されているということがもうわかる。



 質感も少々異なっている。通常のカーフレザーに比べると艶がなくマットな質感となっておいる。磨いても艶や深みが出にくいらしいが、油を吸わない皮なのでそれはこの時点でもなんとなくわかる気がする。

手触りが柔らかめでカーフレザーのようなコツコツというような硬さが控えめだ。どことなくゴムっぽい質感がありもちもちした手触りだ。これは後述する履き心地にも影響を与えてくる。

フルブローグ

 先述の通りシーシェイドは艶があまり出ない素材で、この靴はほぼ新品だったこともあってマットな雰囲気がある。味もないのだが、あまり存在感を主張しない素材なのでその意味では合わせやすいかもしれない。

ソール

 ソールは安定のコマンドソール。ゴースカーフレザーも相まってとことん質実剛健に振った仕様になっている。これぞトリッカーズだ。

シーシェイドはレザーソールの個体が多く、たまにダイナイトという感じでコマンドは意外とレアな仕様でもあるのでこれが購入の決め手にもなった。機能的には噛み合っているのでいい組み合わせだと思う。

その他

 この個体の製造番号は880877で90年代前半に作られたものと思われる。サイズは8、フィッティングは5である。インソールは茶ロゴで定番品のような仕様といえる。

履き心地

 耐久性に優れるという触れ込みのシーシェイドだが意外にも履きやすい。この個体は先に紹介したネイビーブラックと同様にほぼ使われていないレベルの美品個体なのだが、彼らのような当たりの硬さや痛みといったものはほとんどなくいわゆる修行感はない。

レザーの質感の違いが寄与している可能性がある。通常のカーフレザーよりも柔らかく、ヴァンプで履き皺の入る部分が柔軟性を伴うため、しなることで足の甲などに干渉しづらいのかもしれない。これは拍子抜けというかいい意味で意外だった。

トリッカーズは甲が低いのでつま先部分の革が折れる部分が痛くなりやすい。シーシェイドは革が分厚くて馴染むのに時間がかかるという触れ込みだったので覚悟していたのだが、普段履く分には楽だ。中古品故馴染んでいた可能性もあるが、まだ新しい靴なのでその可能性は低いだろう。



その一方でアッパーレザーの厚み自体は通常モデルよりもあるので、梅雨時や夏など高温となる季節はちょっとお休みになるかもしれない。筆者はオールシーズンブーツを履くタイプの人間なのであまり気にならないが。

また革が厚いことで単純に重量も重くなるだろう。この個体はコマンドソールなので重さ(=耐久性)に振っているのでそこは仕方なしだろうか。とはいえこれもあまり気にならない。ウエスコやホワイツに比べたら軽いし。

耐水性

 この靴を履いていて一度大雨に見舞われたことがあったのだが、確かに耐水性が高いようだ。まだ革が新しいのもあるとは思うが、ライトブラウンやタンカラーにありがちな雨染みがほとんどなかったのが特徴的だった。なので使い方によっては雨用靴足り得る。

ただしコバ・ウェルトの部分(特にミッドソール)は浸水と乾燥を繰り返すと油分が失われてクラックの原因になるので適度に注油した方がいいと思われる。油が雨水に置換されそのまま蒸発してしまうためだ。これに備えて筆者はブーツオイルを塗った。

泥や油汚れには無力なので雨の日に履くのは汚してもいい人向け、あるいは汚したい人向けになるか。雨用靴は素直にスポンジかセメントソールのゴアテックスの方がいいかもしれない。

マロンアンティークとの比較

 筆者が気に入ったのは意外にもシーシェイドのだったりする。写真とか雑誌で見ると素朴というかなんかのっぺりしていて率直に言って個性が薄く色気もない感じなのだが、それがいい。

具体的にはマロンアンティークだと主張しすぎてしまうコーディネートも地味なシーシェイドだといい感じにまとまったりする。たとえばオフィスカジュアルで履く場合、マロンアンティークだと艶や色味が強すぎて、ネイビーやグレーのスラックスに合わせると浮いてしまう。



この点シーシェイドだとややくすんだ色味で艶も抑えられているため悪目立ちしづらく、上記のようなスラックスにも調和しやすい。そして全天候型かつガシガシ歩くための靴なので、サラリーマンという用途にも噛み合っている。

一方マロンアンティークはシーシェイドよりもパンチが効いている分ジーンズやチノパンとの相性が抜群で、オフの靴としてはどんなコーディネートでもハマるので筆者はそんな感じに使い分けたいと思っている。

入手方法

 シーシェードは一応定番品なので探せば手に入るが、マロンやエイコーンに比べると入手しづらいようだ。どうしても欲しければ正規品も考慮するのも一考か。中古品も定期的に出品されるのでしばらく張ってるといい出物が現れるかもしれない。

なおレアな仕様として、ブラックのゴースカーフをアッパーに使ったモデルがあるらしい。その名もブラックMC(MC Black Gorse)というそうで、知る人ぞ知る逸品らしい。やはり艶がないので通常のブラックとは違った質感になるようだ。

メンテナンス

 このシーシェイドのゴースカーフスキンは塗装が厚いのかあまりオイルを吸わない。ただし防水レザーではないので一定吸ってはくれる。まだ革が新しいのもあるのだろう。

そんなわけでマロンアンティークとの差別化もあってモゥブレイのニュートラルを薄めに塗っている。シーシェイドは塗膜が厚く味は出にくいのでしばらくこれを使って、補色を入れるのは色がくすんできたらでもいいのかな。。



どちらかというと汚れ落としに力を入れたい靴ではあるかも。ステインリムーバー、サドルソープ、リグロインの三点セットは割と使える。

まとめ

 マロン・シーシェイド・エイコーンの揃い踏み。シーシェイドはジャストサイズの美品ということに加えて耐久性耐水性、意外にも履き心地の優しい点、主張しない色合いなどもあってお気に入りになりそうだ。玄人好みの仕様だが靴好きの間で絶賛される理由が少しわかった気がする。

トリッカーズは気に入った個体を見かけたらとりあえず買っとけでいいと思う。レアカラー個体など気になったら集めてみて、履かないものは後でオクや中古屋に放流すれば費用回収はできる。履き込んだらトップリフトを直してあげてもいい。

筆者は欲しいものは本当にそれが必要かあらかじめ厳選してから買っていて、一度買ったものはキッチリ使い倒すタイプなのであまり放流しないのだが、そういうやり方もありだろう。

いっそのこと一生かけて全部履き倒してみるのも面白い。レプリカジーンズなどと同じやり込み系の付き合い方になるが、靴ならばオフィスカジュアルを口実にこっそり履けるのでジーンズよりも育てやすい。このまま靴趣味そのものがアガリになってしまう可能性も十分にある。

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