シグマ50mmの2代目。デカくて重くてすごいやつ。
スペック
焦点距離 | 40mm | レンズ構成 | 8群13枚 |
最小絞り | F1.4 | 絞り羽根枚数 | 9枚(円形絞り) |
最大絞り | F16 | 寸法 | 約87.8mm×131mm |
最短撮影距離 | 40cm | 重量 | 約815g |
マウント | ニコンFマウント | フィルター径 | 77mm |
フォーマット | フルサイズ | オススメ度 | ★★★★★(5.0) |
どんなレンズ?
シグマArtレンズのシリーズで、直球ど真ん中の50mmを担当するレンズ。一眼レフ機時代のレンズであるが、ミラーレス機に移行した現在でもなお人気の高いレンズである。
8群13枚、特殊低分散レンズ3枚という、50mmとしてはオーバーともいえる光学設計により、従来のダブルガウス型とは一線を画する解像度と低収差を実現したレンズ。この画質を実現するために、フィルター径77mm、重さ815gとヘビー級の大きさになっている。
このレンズは数えて2代目にあたり、ルーツは先代のSIGMA 50mm F1.4 EX DG HSMにさかのぼる。このレンズは2008年に発売したArt路線の先駆けとも言えるレンズで、フィルター径77mm、重量505gという当時の50mmにあるまじき質量と鮮明な画質で大きな反響を呼んだ。
先駆けて発売された35mm F1.4 HSM Artの衝撃も受けて満を持して発売されたレンズで、先代のプレッシャーもあった中、見事その期待に応えた名玉といえる。単焦点のデカ重路線を確立させたという意味でカメラ史的にも重要なレンズだ。
Z7に装着
マウントアダプターのFTZを介してZ7に装着したところ。ついでにSmallrigのエクステンショングリップで上げ底をしてある。あり合わせを集めた形だがなかなかスパルタンで様になっている。
なおD200に合わせるとこんな感じでベストマッチとなる。こちらのカメラはAPS-Cなので換算75mmとなるため、ポートレート用途に活躍できる。
マウントを挟まない分こちらの方がすっきりしているが、上のZ7のゴツゴツした見た目も割と好き。
入手方法(2023.9)
ニコン用・キヤノン用は現在でも新品で入手が可能。人気レンズであり、Zマウントに移行したこともあるので美品がお手頃価格で入手できる。FマウントとZマウント兼用を考えている人、ZマウントでF1.4まで使いたい人はおすすめとなる。
一方で、ソニーやシグマは廃盤になっているが、こちらはミラーレス機用に既に新しいのがある。F2、F1.4と選べる。
個人的にIシリーズのF2が気になっている。Zf発売に合わせてこのレンズがZマウントに来てくれたら面白そうだ。
このレンズで撮った写真
横須賀市街を散策。今回は色温度を4000Kに設定して撮っている。今回は大半の写真が三脚撮影となっている。
汐入駅
京急汐入駅。横須賀中央駅と並んで横須賀市の中心地区へのアクセスとなる。快速特急が止まらないので若干行きづらいが、ドブ板通りやヴェルニー公園、JR横須賀駅などにアクセスしやすいため、ここを基点にすると回りやすい。
ヴェルニー公園方面のぺディストリアンデッキから国道16号線を望んだ1枚。ここからしばらく三脚撮影の写真が続く。
この道路は交通量が多いので多重露出や比較明合成などを使わなくてもテールランプの軌跡が撮れる。渋滞で詰まることが多いので青信号になった直後などがチャンス。
駅前の高層ビルはメルキュール横須賀。低層階部分には横須賀芸術劇場が併設されており、コンサートなどの会場になることが多い。
ヴェルニー公園
汐入駅から徒歩で歩いていける公園でドッグを望むことができる。駅から近く近傍には商業施設があるため利便性が良く横須賀定番のデートスポットとなっている。なおガーラル公園はない模様。
前のテールランプの写真のところからそのまま続けて三脚で撮っているが、この公園は光量が多いので手持ちでも十分撮れる。ただしナトリウムランプなので色温度を調整した方がよいかも。
この公園は海沿いに横に伸びる公園なので、ドッグや商業施設のワーキングディスタンスを調整しやすく、画角を調整できない単焦点レンズでもハマるので撮影しやすい。西側に歩いていくにつれて商業施設は引き構図に、ドッグはより構図になる。
公園西側まで歩くとJR横須賀駅がある。非常にロケーションがいいのだが、横須賀線は逗子駅以降は単線になるため電車の本数が少なく待たされるのでやや不便だ。デートだとそこもいいのだけど。
オッサンが普通に来る分には京浜急行で横須賀中央か汐入まで来た方が早い。
噴水を撮影したところ。一枚目は三脚を用いてISO100で撮ったもの、二枚目は同じくISO100でカメラ内HDRしたもの、三枚目はISO6400で高速シャッター(1/320秒)で撮ったものとなる。
ノイズがもう少し乗るかと思いきやほとんど目立っていない。これはすごい。
手持ちで撮るとこんな感じ。明るいのでISO800くらいで十分撮れる。
この三脚はベルボン製でこれもD80と一緒に買ったので16年モノになる。カーボン製のしっかりしたもので発泡ゴムはポリウレタンと違って加水分解もしない。クイックシューはなんかあまり好きになれなくて結局この伝統的な雲台で撮っている。
実はカメラは出戻り組であまり触っていない時期もあったのだが、いつのまにかアルカスイスのような便利アイテムが出ていたのでかなり気になっている。
まとめ
原点となるSIGMA 50mm F1.4 EX DG HSMを丁寧にブラッシュアップし、特殊レンズ含めて重量を300g増としたためArtの名に違わず流石の性能を誇る。本当はNIKKOR Z 50mm f1.8 Sを買うつもりが、気の迷いで何故かこちらを買ってしまった。だが後悔はしていない。
この間紹介したニコン 50mm F1.8G(AF-S NIKKOR 50mm f1.8G)に比べると、2/3段明るい上にコチラは解放から解像するので性能さを如実に体感できる。こうした夜景撮影のようなシチュエーションはそのスペックを遺憾なく発揮しシャープな絵を取ることができる。
ただニコン 50mm F1.8Gのマイルドながらコマ収差やフリンジ出にくい安定感のある絵も好きで、暖色傾向かつボケも柔らかいので結構気に入っている。非常に軽いので気軽に撮って回れるのも良い。なのでここは個性かな。blueはどっちも好きです。
余談だがこのレンズの重量は815gで、ニコン50mm F1.8Gの重量は185gである。なんか数字が同じに見えるし誤差だよ誤差!大差ねぇよ!(白目)
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ニコンFマウントには最強の50mm F1.4がもう一本存在する。
Opera 50mm F1.4 FF
各種フィルターで有名なケンコー・トキナー製のレンズとなる。ちょっとマイナーだが、この記事で紹介しているシグマ50mm F1.4の対抗馬で、これも一眼レフ用のレンズでニコンFマウントやキヤノンEFマウントに対応している。リアルOpera最強伝説。
重さ950gを擁するヘビー級のレンズで、2018年発売とシグマよりも4年後発のレンズなので写りは悪いはずがない。その描写性能は当然このシグマ50mm F1.4を超えてくる。FTZを介してZマウントでも使用可能。
またこのレンズにはあるウワサがあり、同年発売のペンタックス純正レンズ DFA★50mmF1.4 SDM AWと光学系がソックリらしい。しかも、いつもはOEM頼みのペンタックスとしては珍しくDFA★50mm F1.4はペンタックスが完全内製で設計、製造したレンズとして知られている。
そんな逸話からとても魅力的でロマンあふれるレンズなのだが、このレンズもやはりニコンEタイプレンズ相当の電磁絞りとなっており、絞り連動レバーがないためD200では使うことができない。オールドデジカメと合わせるならやはりこの記事で紹介したシグマ50mm F1.4がオススメとなる。
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