ニコン機とペンタックス機の取り比べ企画。よろしければ参考までに。
突然の取り比べ企画
今回の鶴岡旅行では、ニコンZ7(メイン機)とK-3III(サブ機)の2台を持って行っている。それぞれに違う役割を持たせていて、二台持って行けばレンズ交換の手間が省けて楽かなと思ったためだ。
結果として、天候の恵まれなかったため星景撮影は諦めたり、Z7はUSB給電に対応していないことが発覚して残り行程ほとんどをK-3IIIで撮って回ったため意図した運用とは異なったのだが、初日に取り比べを行ったところ、なかなか興味深かったので記事にした次第。
スペック比較(抜粋)
Z7 | K-3markIII | |
発売年 | 2018年 | 2021年 |
センサーサイズ | フルサイズ | APS-C |
画素数(実質) | 4575万画素 | 2573万画素 |
連写性能 | 秒間5.5コマ | 秒間12コマ |
最大ISO | 100~25600 | 100~1600000 |
ホワイトバランス | 2500~10000K | 2500~10000K |
フォーカスポイント | 493点 | 101点 |
カードスロット | CFカード×1 | SDカード×2 |
バッテリー | EN-EL15b 7.0V 1900mAh | D-LI90P 7.2V 1860mAh |
USB給電 | 不可 | 可能 |
キャラクターがまったく異なるためあまり比較対象として挙がる2台ではないが、一応。Z7はセンサーサイズ・画素数とAFで優れている。一方でK-3IIIはISO感度と連射速度で優れている。
……とはいうものの、K-3IIIの連射はSDカード採用もあってバッファがすぐ一杯になってしまうのであまり持たないし、ISOの高さも理論上で、とりあえず可能なだけ、という感じで実用性は低く、オマケと言った程度だ。地味に便利なのはUSB-Cケーブルで充電可能な点だ。これはZ7はできない。
Z7は今となっては型落ちのカメラだし、K-3IIIもスペック面で際立ったカメラではないが、どちらもカメラの「道具」としての使いやすさが極まっている。その点では両者信頼のおけるカメラといえる。
撮影機材
Z7にはNIKKOR Z 24-70mm f/4 Sを装着。K-3IIIにはsmc DA35mm F2.8 Macroを装着。レンズが異なるどころか、片やズームレンズ、型や単焦点レンズなので厳密な比較にはなっていない。
あくまでも旅先で行った簡易比較ということで雰囲気を味わってくれれば。
このカメラで撮った写真
加茂水族館に隣接する荒崎灯台周辺を撮影。左側はニコンZ7(ビビッド)で撮った写真、右側はペンタックスK-3III(風景)で撮った写真になる。露出はほぼ同じ設定で撮っている。色温度はともに5000K。
撮った後で気付いたのだが、ニコンのピクチャーコントロール(ビビッド)と、カスタムイメージ(風景)はイコールではない。ペンタックスの「風景」は緑色と黄色が少し強く出るようなバランスになっている。
そのため色合いが少し違ってしまっている。ちゃんと比較するにはニコン機は(スタンダード)、ペンタックスは(鮮やか)でやった方がいいかもしれない。まあここも雰囲気ってことで。
全体としてはニコンの方が色表現が正確に映る。ニコンのピクチャーコントロール(ビビッド)は無属性のまま彩度のみ上がる設定で、バランスがよく雑味が少なくて使いやすいと感じる。jpg撮って出しならこれを入れっぱなしでも良い。
ペンタックスは(鮮やか)が基本のモードで、ニコンでいうビビッドに相当するような無属性で彩度だけ上がるモードがない。(風景)か(リバーサルフィルム)が彩度の増すモードだが、リバーサルは彩度が上がりすぎて味変の類になるので、消去法的に(風景)が選ばれやすい。
この(風景)は、黄色と緑色が少し強調されやすいモードのようで、少し傾いたカラーバランスとなる。これは富士フイルム機のフィルムシミュレーション(ビビッド)でも同じようなことが言える。
岩場のカットをいくつか。ニコン機とキヤノン機は共に万能機・実用機としての立ち位置を確立しているが、色のスタンスに違いがあり、ニコンは記録色、キヤノンは記憶色と言われている。またニコンは黒に強く、キヤノンは白に強いとも聞く、
この磯の写真でも、ニコンの「記録色」としての強みが良く出ている。筆者の主観にはなってしまうが、見た目に近い色が出るのはやはりニコンだ。ピクチャーコントロール(ビビッド)でも色相のクセが出ないというのは素晴らしい。
ペンタックスは「緑色」が強く出るバランスで、ペンタグリーンとも呼ばれる。これは(鮮やか)で夜景撮影をするとよくわかる。黄色と緑色が強く出る(風景)だとなお分かりやすく、ニコン機と比較すると明確に「記憶色」に振ったセッティングだということが確認できる。
ペンタグリーン。おわかりいただけただろうか。
ただ(風景)は空のヌケが良くない設定でもあるようで、状況によっては(鮮やか)の方がいいのかもしれない。このシーンはニコン機の記録色としての信頼性が光るかも。
荒崎灯台からの眺め
この辺はZ7でサクっと撮っている。荒崎灯台は小高い岩場の上に築かれた灯台で、灯高は33m、灯台時代の高さは12mとなっている。この岩場からは加茂港や遠くの湯の浜温泉を一望することができる他、日本海の例に漏れず夕焼けも楽しむことができる。
加茂水族館に隣接した場所にあるためアクセスも良好だ。今回の旅では唯一この灯台を回ったタイミングだけが晴れていて、残りの全行程は曇りか雨だった。そのため印象に残っている。
岩場を降りるとそこが加茂水族館になっている。2014年にリニューアルオープンしており、以来は現在の施設になっている。2024年現在、さらに増築・改築工事を進めているそうで、期待に胸が膨らむ。
加茂水族館のレビュー記事はコチラ
なお旧加茂水族館のあった跡地は現在駐車場と自販機になっている。この辺にあったなぁと思わず足を運び、自販機で買ったアイスティーを飲みながらしばし昔を懐かしんだ。
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