ノスタルジー120%増しになるカスタムイメージがあると聞いて。
カスタムイメージとは
ペンタックス機に搭載されている写真の雰囲気を変える絵作り設定機能のこと。ニコンでいうところのピクチャーコントロール、富士フイルムでいうフィルムシミュレーションにあたる機能となる。
今回はペンタックス機で追加実装された“Gold”というカスタムイメージを使って撮ってみようという企画となる。ノスタルジックな絵が取れるらしいので年末感を味わうにもちょうどいいだろう。
前準備:ファームウェアアップデート
カスタムイメージ:GoldはデフォルトのK-3 markIIIでは使用することができない。この機能を使用するためには、K-3 markIIIのファームウェアアップデートが必要となる。元はK-1 IIのアップデートにて配布・実装されたもので、これがのちにK-3 IIIでも配布・実装されるようになった。
カスタムイメージ Special Editionと違って、各種HD版 リミテッドレンズがなくても適用できるので、ファームウェアを最新のものにアップデートさえすればすぐに使用できる。
以上リンクにファームウェアパッチのDLサイトを貼ったので、K-3 IIIを持っている人はアップデートしておくとよい。2023.12現在でver.2.12が最新となる。※パッチ適用の方法(PDF)はコチラ
カスタムイメージ Gold を試す
アップデートが無事に済んだのでさっそく試し撮り。まずは都会のローカル線こと鶴見線界隈を探索。レンズはいつものsmc PENTAX-FA 31mm F1.8AL Limited で一本撮りとなる。
海芝浦駅
ここは都会の秘境駅として界隈ではかなり有名な駅となる。JR京浜東北線 鶴見駅から乗り換え11分、運賃167円でこれる秘境駅だ。
「改札口から出られない駅」としても有名で、改札の外は東芝の私有地になっているため、関係者以外は改札の外に出ることはできず、そのため一般人にとっては無用の駅なのだが……。
ネットでかなり有名になったからか、あるいは訪れたこの日が年末休みだからか、結構人が乗っていた。カメラを持っている率が高く鉄ちゃんかもしれない。
このカスタムイメージは見ての通り、黄昏時のような色合いになる。この写真を撮った時刻は12:30頃だったのだが見事に黄昏ている。毎年2月頃に吹く黄砂のようにも見える。この日は気温が高かったため遠景が霞んでしまったので余計ソレっぽく感じてしまう(笑)
霞んでしまった場合など、本来のコンディションではパッとしない状況での味変として使えるかもしれない。この間紹介したノスタルトーンオレンジのような色合いにも似ているが、色が転ぶだけでソフト効果はないのでクセは少なく手軽に使いやすい。
カスタムイメージ:鮮やか との比較。お昼時にもかかわらず昔の金曜ロードショーOPみたいな雰囲気になってしまう。朝方や夕方っぽい雰囲気で撮りたいけど晴天で雰囲気が出ないなどは使えるかもしれない。blueはネボスケなのでお世話になる率が高そうだ。
「改札から出られない駅」
なおこの駅は前述の通り、改札の外が企業の敷地内のため関係者以外は出ることができない。その代わり、公園が隣接している。
申し訳程度かと思いきや意外と奥行きがあり、植栽もよく手入れされている。ベンチが置かれているので休憩もできる。
この公園はこの海芝浦に面した企業によって整備されているもので、春頃に来るとお花見も楽しめる。夜景撮影も楽しめるが、この公園は閉園時間があり20:30で閉まってしまうので注意。特殊な駅なので訪れる際にはくれぐれも時刻表を確認したい。
新芝浦駅
終点の海芝浦駅の一個手前の駅は新芝浦駅という。さすがに降りていないがここも見どころがあり、新芝浦駅─海芝浦駅コンビナート群はなかなかカッコいい。
浅野駅
さっきの海芝浦駅の分岐元となる駅。ここから新芝浦─海芝浦と続く。筆者blueが鶴見線の中でも一番好きな駅で、年季の入った駅舎がノスタルジーを誘う。
この写真も1時過ぎに取った写真だが、GOLDでノスタルジック120%増しに見える。鶴見線のキャラクターにも合っているカスタムイメージだと思うが、どうだろうか。
ここからF1.8で背景をぼかして撮っている。FA Limited 31mm F1.8は解放時のふわふわボケと、絞った時のキリっと解像した絵のギャップが本当に素晴らしい。
少しアンダー目に取った図。実際は13:00の昼下がりだが最早夕方にしか見えない。露出合わせ中にテストしていて撮ったものだが、このカスタムイメージはアンダー目で撮るのもいいかもしれない。
浜川崎駅
JR浜川崎駅。神奈川県道6号東京大師横浜線に面している駅で、この先の昭和駅・扇町駅は工業専用団地となるため、一般利用者はこの駅で降りることになる。南部支線との乗換駅にもなっており、鶴見線の実質的なターミナル駅となる。
この「浜川崎」は同名の駅がなぜか2つ存在する。
写真左側が鶴見線の「浜川崎駅」。写真右側が大川支線の「浜川崎駅」となる。同じJR管内の駅にも関わらず駅舎が繋がっていない。そしてここの乗り換えはかなり特殊で、ホームと駅舎が異なり一般道に出てしまうにもかかわらず、ICカードをタッチしないで乗り換えることになる。
鶴見線は基本的には無人駅がデフォなのだが、ICカードをタッチしてしまうと一度出場扱いになってしまうため例外としてこのような措置が取られている。当然ながら、このままどこかに出てしまうとキセル乗車になってしまうので注意。
写真上は南部支線の浜川崎駅の線路は、写真左のようにさらに先が続いていてここからJR貨物の線路となる。写真右のJFEのビルの右側にガードがあり、ここから県道6号に出ることができる。
南部支線は直接川崎駅に行くことができず微妙に不便なため、川崎駅に行きたいなら鋼管通りまで出てバスを拾うと帰りやすい。
おまけ:鶴見線の謎過ぎる形について
ところで鶴見駅は路線図が謎すぎる形をしており、これが解せないという人もいるかもしれない。下手するとなんか怖くて鶴見線を敬遠している人がいるとかいないとか(笑)確かに方向音痴の人にとってはまるで命を刈り取る形をしている。
電車内の図で見るとカオスでスゲー分かりにくいが要は本線から支線が伸びているだけの話で、京急とか東急なんかと同じシステムだ。京急でいう空港線、大師線、逗子線、久里浜線とノリは同じと思えばよい。
なお浜川崎駅がミョーな形になっているのは「鶴見線」と「南部支線」(尻手駅~浜川崎駅を結ぶ南武線の支線)の乗換駅という扱いになっている。
路線名 | 始発駅 | 終着駅 |
本線 | 鶴見駅 | 扇町駅 |
海芝浦支線 | 浅野駅 | 海芝浦駅 |
大川支線 | 安善駅 | 大川駅 |
南部支線(南武線) | 尻手駅 | 浜川崎駅 |
ちなみに大川支線の大川駅だがここも脱出不可能駅として有名で、8:51の電車を降りたが最後、17:29までやってこない。この大川支線への乗換駅が「安善駅」というのだが、全然安全じゃないのでよくネタにされている。
※マジレスすると手前の武蔵白石駅までは600m程度なので歩いて脱出可能なのでそこはご安心を。
まとめ
カスタムイメージを紹介する記事を書いたはずが、濃厚な鶴見線紹介になってしまった。でもカスタムイメージの雰囲気には似合っていたから結果オーライと言ったところ。
実は所要あってそのついでにカメラを来たのだが、この後は大師橋方面に移動しますその様子については後編にて。
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